三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

ピクチャーウィンド

2006年07月11日 05時29分02秒 | Weblog

写真は以前にも紹介した仙台の傾斜地の家の居間の様子。
この家はリプランの次号の特集の中で紹介する予定です。

現代人のやすらぎって、なんなのでしょうかね。
このピクチャーウィンドから眺めるのは白く彩色された庭とシンボルツリー。
こういう眺めで一日の疲れを癒していきたいと考える
その現代的ストレスの実態って・・・。
まぁ、住宅設計というのはその敷地条件の中で
もっとも適切な癒しを、施主さんのために考えるという営為なのでしょうから、
ここではこういうかたちを設計者が提示した、
ということなのでしょう。
ですから、一般的にすべてこう、と結論づけられるものではないけれど
ひとつ、示唆的な空間ではある感じがいたします。

たぶん、陰影感だけに引き絞られた庭のなかに
生命を感じる木がいっぽん、というのが表現の骨子なのでしょう。
その舞台装置の中で、現代的なストレスからの忘我を
この設計者は、生活装置として最適と考えたのですね。
まぁ、子どもとか、生活感、とかということからは
縁遠い住宅ではあるのですが、
その分、現代生活のストレスの実相をシンプルに、
いろいろ感覚させてくれるような住宅だとはいえるのです。

直感的に言って
白い庭って、ようするに「龍安寺石庭」のパクリなのでしょうか?
よく見てみると、そういう感覚に近いのかも知れません。
どうも、ストレスへの空間的な癒しとして
ここでは、案外、伝統的なスタイルでアプローチしているのかも知れませんね。
そんな風に考えると、
シンプルモダンって、いまいわれている住宅のスタイルって
けっこう、和風の一変形ともいえなくはないのかもしれないなぁ。
さて、どんなものだろうか?
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