さて、前日までに触れたような構造の再構築が済んだあと、
本格的に断熱・気密化という現代建築技術のカナメの処理工程になります。
しかし、構造が一度あらわにされた状態になっていて
この手順ならば、現代のやりかたがきちんと出来るようになります。
お話を聞きながら、よく手順も考えられた再生工事だなぁ、と納得した次第です。
きょう、写真でご紹介するのは床面の断熱の様子。
古い構造材料や、新しく補強された床構造材のあいだにグラスウールが充填されています。
このグラスウールの下側には、防湿通風シートが敷き込まれています。
また、右側の写真のように、グラスウールの上側、室内の床側には
気密のためのビニールシートが張り込まれています。
壁への床面の立ち上がり部分など、このビニールシートの連続的な処理がなされます。
既存状態では柱と柱のあいだは開放的な作りになっていますが
再生工事としては、増築する部分などを中心に
なるべく大きく壁面を造作することを目標にします。
グラスウール充填断熱を、ためにするように批判する人がいますが
きちんと確立された現在の仕様でおこなえば、
構造材の結露などは発生していません。
一昨年、きちんと断熱気密化された建築後7年経過した住宅の
壁面を解体して、構造材の状態をチェックするという実験を行った家がありましたが
土台の含水率が、なんと13%程度と、まったくの乾燥状態でした。
間違いのない工事をきちんと行えば
構造材が腐れるというようなことは発生しないのです。
しっかりと断熱気密処理されると、そのあとの工事工程では
なにより職人さんたちの仕事も楽になり、スムーズに進行します。
はじめて高断熱高気密の住宅を施工する大工さんたちが
家の性能を実感するのは、こうした時期なんだそうです。
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