三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

手塚貴晴設計・十日町産業文化発信館 いこて

2015年09月03日 06時43分53秒 | 住宅取材&ウラ話


ここのところ、情報がどんどん入力されている一方で
なかなか情報をまとめたり、発信したりすることができておりません。
いろいろな案件があって、忙しいこともあるのですが、
徐々に、整理整頓して情報発信していきたいと思います。
先般、お盆明け時期に訪問した新潟視察出張などはその最たるもので、
いろいろと面白い建築は見てきたのですが、
まったく整理整頓ができていません(泣)。
十日町のフラワーホームさんには、大変お世話になっていたのに、
その面白い建築である、表題の建物について書いておりませんでした。
申し訳ない思いを込めて、とりあえず、写真を掲載しておきたいと思います。

設計は、手塚貴晴さん。
お名前だけは存じ上げてはいましたが、
さてどんな建物を作られているのか、不勉強で予備知識はありませんでした。
この建物は、フラワーホーム創業者の藤田さんが地域への文化貢献を兼ねて
企画し、建設されたものだそうであります。以下HPから、コンセプト。

十日町産業文化発信館 いこて は、
私たちのふるさと、とおかまちで、
継承 と 革新 をコンセプトに歩み始めました。
十日町の伝統を絶やさぬよう、
変化や進化をさせ、チャレンジし続けます。
変わり続けることが伝統になると信じて。

建築としては、雪の多い越後・十日町の風土を表現するような
まるで「かまくら」を彷彿とさせる外観デザインが特徴的。
2枚目の写真のような架構になっていて、木造のドーム構造。
内部には、構造を支えるような柱はありません。
おおらかな空間が広がっていて、つつみこんでくるようなここちよさがあります。
こうした構造なので、明瞭な「外壁」というものは存在せず、
骨組みである木骨アーチ型フレームの立ち上がり部分以外は、
すべて開口できることになる。
で、実際に以下の写真のように、適時、オープンさせています。




まぁ、一種の「滑り出し窓」と言った方がいいのでしょう。
1枚の開閉できる「建具」というか、壁というかは、
かなりの重量、たしか200kgくらいと言われたと記憶していますが、
金物で開閉可能にはなっている。
実際にひとりの力でも開閉はできると言われていましたが、
お料理も食べ、お酒も入ったので(笑)、実験はしてみませんでした。
で、興味を持ったのは、その「屋根」なのか「壁」なのかの防水。
これを板金で処理しようとしたら、開閉の度にいろいろ問題も出る。
ということで、シート防水で処理されていて、それがまた
面白いデザイン要素として、表現構成されていました。
ちょうどわが家のお隣さんでも、既存板金屋根にかぶせるように
シート防水処理の工事をされていたのを見ていたので、
そうか、これで仕上げ、いいんだ、と眺めていただけで、
きちんとそのあたりを調査・確認しておりませんでした。
そんなときにこういった建物を見学できて、興味を深めた次第です。

内部空間は木造の架構が美しく、
かまぼこ形の断面が大きな開口部になっていて、
まことに開放的で魅力的な建物になっています。
なんですが、いっぺんにたくさんの建築を見たので、
個別の建物について、総合的な情報になっておりません(笑)。
昼間も、夜間も両方の時間を体験させてもらいましたが、
それぞれに魅力的な空間体験をさせていただけました。
フラワーホームさんにも、手塚貴晴さんにも深く興味を持った次第です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする