三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

尖閣の問題

2010年09月28日 07時28分53秒 | Weblog





まさに歴史は続いていると実感させられますね。
わたしは、東アジアの地図をひっくり返したような
通常の北が上で、南が下という地図を反対に見ることが多いのですが、
そうすると、日本の国土は狭い、ということが
どうもにわかに信じられなくなります。
海洋の広さを含めて占有的面積を比較すると
日本は世界で10番目の広さを確保しているということです。
で、そのうえ、アジアの朝鮮半島にせよ、中国中心部にせよ、
弧状になった列島が、太平洋への出口を封鎖している様子が見て取れる。
尖閣は、その最西端に位置していて、
沖縄と言うよりも台湾により近い。
こういう地政学的な位置関係を把握しておかなければならない。
歴史的には、日本側の主張には整合性はあるけれど、
ごく身近には、日本の右翼団体が私設の灯台を建設し、
それを日本政府が接収し、海上保安庁が周辺海域を巡視している。
そういうなかに、活発化した経済活動を表すように
中国漁船が周辺海域で活動するようになって、問題化するようになってきた。
中国側は、アメリカが沖縄の施政権返還時点で
この尖閣も日本に帰属したという経緯に対してはわかっているはずだけれど、
海洋での油田利権などのこともあって、
目的的に、領土問題を仕掛ける機会を常に狙ってきた。
こういった背景があって、事態は起こっている。
っていうのが、おおまかな流れなのだと思います。

仕掛けられれば、
対応せざるを得なくなってくる、
っていうのが日本側の対応になるでしょうね。
中国側の狙いがどの程度までの緊張激化を考えているものか、
そういった把握が内閣に充分持っているとは思われません。
日本側の対応としては、
アメリカに日米安保の敷延地域であるという言質を引き出した。
その後、身柄拘束した船長を釈放した。
菅直人政権としては、硬軟のメッセージを込めたつもりなのでしょうか。
アメリカのメディアの対応も、おおむね日本の立場を支持する方向のようだ。
初動においては
船長釈放という、切り札をうまく使えない対応で
まったくの敗北と言わざるを得ません。
中国の狙いを、きちんと把握できていないという失態は明確です。

中国と日本の歴史的関係は、
中国の膨張と収縮に連れて、変化してきた関係。
日本は、直接的に固有的領土が簒奪されたというケースはないけれど、
朝鮮半島では、高句麗など直接的に侵略されたケースも多い。
で、現在の中国は「強大国家」への志向をどうも強めてきている。
それは内政的な問題点の排外主義への転化、という側面もあり
同時に経済的利得の追求という側面もあるだろう。
こういう日中の歴史では、やっかいな時代に入ってきたということなのだろうか。
考えてみれば、明治以降、中国は一貫して
権力はそう強大に主張したりしない存在であった。
そういうことが「常識化」していたことに
隣国としては、慣れてきていたのかも知れません。
そうではなくなってきて、
さて、日本の世論がどのような方向を志向していくのか、
領土問題を抱えながら、どのように付き合っていくのか、
非常に微妙な情勢になってきたと思われます。
一番まずいのは、排外主義の蔓延であり、
ナショナリズムのぶつかり合いが燃えさかる、という事態でしょう。
以前のサッカー国際大会での日本への排外主義という
まことにやりきれないことに、どうやって向き合っていくのか、
難しい局面ですね。







北のくらしデザインセンター
NPO住宅クレーム110番|イザというときに役立つ 住まいのQ&A
北海道・東北の住宅雑誌[Replan(リプラン)]|家づくり・住まいの相談・会社選び
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする