三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

解体工事

2007年04月04日 05時51分21秒 | Weblog

最近、事務所のある札幌市西区山の手地区周辺では
いろいろな建設計画が進んでいるようです。
で、けっこう集積が進んでいる地域なので、勢い、建て替えや
土地の再利用というケースが多く、そういう解体工事が多い。
おもしろいもので、建築って、一度解体されてしまえば、
「あれ、ここに何、あったんだっけ?」とあっという間に忘却されてしまう。
というか、印象の薄い建物は解体されても、ほとんど気づかない。
最近は、コンクリートの建物を解体して、まったく違う利用途で
土地を再利用するというような工事が増えている印象があります。
それだけ、投資先を求めるマネーの趨勢が高まっている、
不動産バブル的な状況が、山の手地区のような場所にも
押し寄せてきたのかも知れません。
つい先日まで、会員制のスポーツクラブだった5~6階建てくらいのビルが取り壊されて
今度は20階建ての高層MSが2棟、その跡地に建つのだとか。
取り壊されたビルだって、そんなに老朽化していたわけではなく、
まぁ、たぶん、投資不動産ファンドみたいなマネーによる
再開発型の「投資案件」になったのだろうなぁ、と推測されます。
ついこの間まで、札幌市中央区だけで起こっていた現象が
地下鉄からの距離もそう遠くないという立地環境から、
この地域もターゲットになってきているということなのでしょうね。

写真はどうも、以前賃貸マンションではなかったかな、と推測される建物。
どう考えても、解体してしまうのはもったいないと思える鉄骨造。
外壁にもタイルを使っていて、それなりに見栄えもしていたのですが、
まぁ、すさまじい状況で解体されておりました。
どうも、やはり、こういう解体工事は見ていると興奮してきますね。
無慈悲、というような形容がやはり適切。
お金の問題が最優先する、というようなあらがえないような迫力があります。
それ以外にも、どういうふうに建てられていたのか、
その素性が明確にわかるというような興味もわいてきますね。
ここでは、鉄骨構造だったわけですが、
こういうことも、建っている状態だけでは判然としない。
で、鉄骨の状態はどうだったのか、経年劣化の様子は・・・
などと、つい深読みしたくなるのは、こういう仕事の性でしょうか(笑)。

しかし、壊されて簡単に、何が建っていたか忘れられるような住宅や建築、
っていうのも、なんとも寂しいものですよね。
できれば再利用したいと、あとの時代のひとが思えるような建物を
いま、残し続けていきたいものですよね。
みなさん、いかがでしょうか?
コメント
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