三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

国際都市・京都

2006年09月01日 05時52分20秒 | Weblog

京都って、なんかイメージとしては
「日本的」とかいう感じの方が強いのだけれど、
行けば行くほど、世界でも有数の洗練された国際都市だった、
という部分に目を奪われます。
写真は日本のいろいろな「伝統芸能」を、ほんのさわり的につないでいく
いわば、日本紹介的なオムニバス舞台。
ちょうど左手は一番最初に出てきた宮廷舞踊としての舞楽。
ほぼ日本の芸能の発生年代的に並べられていきます。
そういう意味では、わかりやすいし、興味も強まる。
終わり頃には、右側の写真の舞妓さんも登場。
いちばんの売れっ子の舞妓さんだそうで、
こういうひとを呼ぶところで呼ぶと、
すごい金額になるのでしょう、きっと。
たいへんあでやかな、日本女性の仕草の美しさを
結晶のように散りばめた、ひと差しの舞いでした。

この舞台はほぼ毎日開演しているようで
会場は、それこそインターナショナルな観客ばかり。
会話は日本語がほとんど聞かれません。
伝統芸能って、解説とかを聞きながら見た方が
始めて見るときにはわかりやすいのですが、
親切にそういう心遣いもあって、わたし間違えて、しばらく
英語の解説を聞いてばかりいまして、
でも、非常にわかりやすい単語を心がけている解説で
日本人でもかえって、新鮮にわかりやすかった記憶があります。
たしか入場料金も、映画程度の金額だったと思います。
外国から来たひとの方が、こういう伝統芸能についての知識が
豊かになるだろうなぁ、と感じ入りました。
京都は、ながく日本の首都だったので、
こういった、エトランゼへの配慮がたいへんきめ細かい文化を持っています。
外国人とはこうやっておつきあいをすべきだ、という
わかりやすい規範をしっかり、文化伝統として持っている。

というよりも、そもそも計画都市として作られたのが京都。
その前身の奈良などの古都の経験も踏まえて
広く世界に開かれた日本の姿を体現させた、
いわば、日本の伝統的な外交姿勢を明確にしている気がします。
広いアジア交流の結果が、こんにちの日本の根幹部分であると
京都散策すると、きわめて自然に理解できます。
先人たちの知恵を深く感じる部分ですね。
いろいろなところで目にする蓮池まで、
あれは自生的なものではなく、アジアからの輸入品を博覧会場的に
展示装置として、計画的に作ったものなのだそうですね。

いろいろ問題の多い最近のアジアとの付き合い方。
いっそ、外務省は京都に戻して
その精神で日本の外交姿勢を再構築した方がいいのではないでしょうかね。
コメント
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