くらげのごとく…

好きなことを考えてふわふわ漂ってるような
時間が心地良かったりする。
たとえ時間の無駄遣いだったとしても…。

おくりびと

2009年08月09日 | 映画
雨が多い夏だ。日が照ると、蝉たちがここぞとばかりに鳴き始める。「俺たちの出番がないじゃないか」と。その傍らでは、すでにトンボやバッタが飛び交っている。自然界も混乱しているみたいだ。

連日、湿度が70%から80%もある。この蒸し暑さに、体力、知力の低下を感じてバテている。突然、大汗が出たり、肩が凝ったり、ぼうっとしてしまったり、ブルーになったり…。これが更年期というものなんだ。老いるということに、ときどき危機感を感じて怖くなる。これからの10年間、いろいろなことが起こるだろう。自分としっかり向き合っていかなきゃならないって。

ちょっと、情緒不安定?な夜、「おくりびと」を見た。わかりやすい、清々しい、心打たれる。さすが海外でも評価されただける作品だった。死は旅立ちであると。火葬場で遺体が燃やされる紅蓮の炎と、飛び上がる真っ白な鳥の群れが重なりあう場面が出色で、本当に魂が旅立っていくようだった。

燃やされてしまえば、同じ灰になってしまう棺にもいろいろランクがある。どの棺に入りたいか死んだ本人は決められない。「人間、最後の買い物は他人が決めるのよねえ…」というのが言い得て妙だった。

幼いころに、家族を捨て愛人と疾走した父に、遺体として30年ぶりに再開した主人公。手には、昔、自分が父に送った石文の“石”がしっかり握られていた。親が子を思う気持ちは子が思うより深い。いろいろあったわだかまりがこの一瞬に消えて、おぼろげだった父の顔が蘇る。そして“息子”として父を納棺する。言葉のない和解を得てこの親子関係は終結する。私もこういう別れがしたい…。

もうすぐ、お盆だ。人は死してもなお旅を続けるのだろうか…。それとも、本当に土に帰って無になるのだろうか。生きている私にはわからない。だけど、日本古来の死者に対する想いを、こうやって改めて知ると、迎え火や送り火も大切な行事なんだなあと思えてくる。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ご先祖さま (ハッシー)
2009-08-11 22:47:50
私も今年になってDVDで観ました。ほんわかしてわかりやすく、切なく、大事なことがはっきりしている。
もうすぐお盆です。ご先祖さまに挨拶しなければね
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そうだね (れみこ)
2009-08-11 23:35:23
もうすぐ、お里帰りしでしょ。
ご先祖様にご挨拶してきてねっ。
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