長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

明智小五郎にも帰ってきてほしいオレの事件簿  Vol. よるのゆめこそまこと

2012年08月08日 23時33分34秒 | ミステリーまわり
 ぽへぽへ~。どうもこんばんは、そうだいでございまする~。みなさま、今日も一日お疲れさまでした!

 ついに来た……明智小五郎の映像化の歴史が2012年現在までたどりついてまいりましたよ。

 前置きは抜きでい! ラストスパート、いっくぜぇ~。Steady Go!!


どうするそうなる新世紀・明智小五郎!? 明智小五郎メディア化作品の歴史 ~そして、21世紀~
 ※20世紀ポストアマチ期は、こちら

スペシャルドラマ『明智小五郎対怪人二十面相』(2002年8月放送 TBS )
 50代目・明智小五郎  …… 田村 正和(59歳)
 24代目・怪人二十面相 …… ビートたけし(55歳)
 24代目・小林芳雄   …… 中尾 明慶(14歳)
 6代目・中村警部   …… 伊東 四朗(65歳)
 6代目・明智文代   …… 宮沢 りえ(29歳)
 ※物語は『少年探偵団』シリーズをもとにした脚本家の山元清多によるオリジナルで、『少年探偵団』シリーズと解釈すれば19度目の映像化となる
 ※時代設定が戦後、怪人二十面相の正体の設定が違う、明智文代が死没しているなど、原作からの改変が多く見られる
 ※言うまでもなく、明智小五郎役の田村正和は、1994~2006年放送の TVドラマ『古畑任三郎』シリーズ(フジテレビ)での主人公・古畑任三郎警部補が当たり役となっていた
 ※中村警部役の伊東四朗は、実写版で「ルパン三世」シリーズの銭形幸一警部を演じた唯一の俳優(1974年の映画『ルパン三世 念力珍作戦』)

舞台公演『黒蜥蜴』(2003年3月~08年4月に東京ル・テアトル銀座など全国で上演)
 51代目・明智小五郎 …… 高嶋 政宏(37~42歳)
 3代目・女賊黒蜥蜴 …… 美輪 明宏(67~72歳 もう……やらない?)
 ※三島由紀夫の戯曲の舞台化

舞台公演『オバラ座の怪人二十面相』(2004年1~2月に東京・下北沢本多劇場で上演)
 52代目・明智小五郎  …… 斎藤 晴彦(63歳)
 25代目・怪人二十面相 …… 今 拓哉(こん たくや 35歳)
 11代目・女賊黒蜥蜴  …… ROLLY(40歳)
 25代目・小林芳雄   …… 小林 のり一(のりかず 52歳)
 花崎マユミ      …… 絵麻緒 ゆう(現・えまおゆう 36歳)
 7代目・中村警部   …… 三波 伸一(現・2代目三波伸介 39歳)
 ※演劇ユニット「ザッツ・ジャパニーズ・ミュージカル」と「平成アチャラカ座」の提携公演
 ※『怪人二十面相』と『黒蜥蜴』をもとにしたミュージカルコメディ(脚本&演出・高平哲郎)

TV ドラマ『乱歩R』(2004年1~3月放送 全10回 日本テレビ)
 三代目明智小五郎     …… 藤井 隆(31歳)
 明智探偵事務所所長・雷道 …… 岸部 一徳(56歳)
 26代目・小林芳雄     …… 大滝 秀治(78歳)
1、『人間椅子』(1月放送、『人間椅子』と『盲獣』をあわせた内容)
 ヒロイン・杉本美弥子 …… 乙葉(23歳)
2、『吸血鬼』(1月放送、『吸血鬼』7度目の映像化)
 ヒロイン・畑柳倭文子 …… 菅野 美穂(26歳)
3、『暗黒星』(1月放送、『暗黒星』3度目の映像化)
 ヒロイン・伊志田理恵 …… 仲間 由紀恵(24歳)
4、『黒蜥蜴』(2月放送、『黒蜥蜴』8度目の初映像化)
 8代目・女賊黒蜥蜴 …… 松坂 慶子(51歳)
 ※松坂慶子はかつて、1990年に舞台版『黒蜥蜴』でも黒蜥蜴役を演じていた
5、『白髪鬼』(2月放送、『白髪鬼』の6度目の映像化で、『D坂の殺人事件』もミックスされている)
 白髪鬼 …… 柳葉 敏郎(43歳)
6、『陰獣』(2月放送、『陰獣』の6度目の映像化)
 ヒロイン・小山田静子 …… 高橋 惠子(49歳)
 ※5度目の映像化となる2001年放送のスペシャルドラマ『闇の脅迫者 陰獣』(主演・佐野史郎 テレビ東京)に明智小五郎は登場していない
7、『地獄の道化師』(2月放送、『地獄の道化師』の4度目の映像化)
 ヒロイン・野上あい子 …… 石川 梨華(19歳 おお、こんなところでチャーミーさん!)
8、『化人幻戯』(3月放送、『化人幻戯』の5度目の映像化)
 ヒロイン・大河原由美子 …… 葉月 里緒奈(28歳)
9&最終話、『怪人二十面相 前編』『後編』(3月放送、『蜘蛛男』と『怪人二十面相』をあわせた完全オリジナル作品)
 26代目・怪人二十面相 …… 岸部 一徳(56歳 ネタバレ御免)

 ※毎週月曜日22:00~54に放送されていた、江戸川乱歩の原作をもとにしたドラマシリーズ(メイン脚本・長川千佳子)
 ※物語の舞台は現代で、明智小五郎の孫にあたる「三代目明智小五郎」(演・藤井隆)が事件を解決していく本格推理サスペンス
 ※全エピソードで江戸川乱歩の原作をイメージさせるか、原作をそのまま現代にアレンジした事件が発生しているが、過去の原作そのものとの因果関係は特に言及されない
 ※三代目明智小五郎は、正確には「明智小五郎の1人娘・伊織の1人息子」という設定になっており、父・正義はムコ養子(余談だが、この血縁関係は「金田一少年」にかなり似ている)
 ※初代明智小五郎と三代目明智小五郎の両親はすでに他界しており、初代の弟子で三代目の父・正義と同僚だった雷道(演・岸部一徳)という人物が、現在の「明智探偵事務所」の所長を務めている(最終回で三代目が所長に就任する)
 ※すっかり老人になった「初代小林芳雄」が登場するが、探偵業からは引退している
 ※仮に小林老人を演じた大滝秀治が本物の小林芳雄だった場合、明智小五郎の助手としてデビューした長編『吸血鬼』(1930年)のときに小林少年は「5歳」だったということになる。小林少年は天才だから、小学生になる前から探偵助手をやっていても無理はない……か?
 ※『乱歩R』のラストを飾る『怪人二十面相』のタイトルの意味は「人間の複雑な多面性」ということであり、昭和に活躍した怪人二十面相とは関係がいっさいない連続殺人事件が展開される。そして、そこに私そうだいは思いっっっっきり不満!!
 ※主演の藤井隆と第1回ヒロインの乙葉が結婚する(2005年7月)きっかけとなった作品だとされている。うらやましい

映画『盲獣 VS 一寸法師』(2004年3月 監督&脚本・石井輝男)
註・この映画はタイトルからもササッと予想のつく事情で、2001年6月には完成していたのにもかかわらず、公開までに2年以上の時間をついやすこととなりました。したがって、この作品の出演者の年齢は「2001年6月時点」のものとしています。
 53代目・明智小五郎  …… 塚本 晋也(41歳)
 主人公・小林紋三   …… リリー・フランキー(37歳)
 ヒロイン・山野百合枝 …… 橋本 麗香(20歳)
 ※本作は江戸川乱歩の長編『一寸法師』(1926年)と『盲獣』(1931年)、短編『踊る一寸法師』(1926年)をミックスしたものとなっているが、『盲獣』と『踊る一寸法師』に明智小五郎は登場していない
 ※『一寸法師』としては7度目の映像化
 ※本作はいうまでもなく、伝説的作品『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』(1969年)を手がけた石井輝男監督の2番目の乱歩作品だが、公開翌年の2005年に81歳で逝去した石井輝男の遺作にもなった
 ※明智小五郎役の塚本晋也は、1999年に映画監督として江戸川乱歩の短編『双生児』を手がけている(主演・本木雅弘 明智小五郎は登場しない)

単発ドラマ『明智小五郎 VS 金田一耕助 炎の不可能密室殺人』(2005年2月放送 テレビ朝日『土曜ワイド劇場』)
 54代目・明智小五郎 …… 松岡 昌宏(28歳)
 29代目・金田一耕助 …… 長瀬 智也(26歳)
 ※物語は脚本家の深沢正樹によるオリジナルであり、江戸川乱歩にも横溝正史にも原作となった作品は存在しない
 ※金田一耕助と明智小五郎以外のキャラクターはオリジナルであり、2人以外の小説レギュラーキャラクターは登場していない
 ※時代設定は「2000年代現在」になっており、明智小五郎は高名な犯罪学者、金田一耕助はまったく無名の私立探偵に描かれている

映画『乱歩地獄』より『鏡地獄』『芋虫』(2005年11月 監督・実相寺昭雄、佐藤寿保)
 55代目・明智小五郎      …… 浅野 忠信(32歳)
 27代目・小林芳雄(『鏡地獄』)…… 中村 倫也(ともや 18歳)
 28代目・小林芳雄(『芋虫』) …… 韓 英恵(かん はなえ 15歳)
 7代目・明智文代       …… 市川 実日子(みかこ 27歳)
 11代目・波越警部       …… 寺田 農(みのり 63歳)
 江戸川乱歩          …… 松田 龍平(22歳)
 『鏡地獄』の主人公      …… 成宮 寛貴(23歳)
 『芋虫』の主人公       …… 岡元 夕紀子(26歳)
 ※『乱歩地獄』は、江戸川乱歩の短編『火星の運河』(1926年4月)、『鏡地獄』(1926年10月)、『芋虫』(1929年1月)、『蟲』(1929年6~7月)を個別のクリエイターが監督したオムニバス映画
 ※4作品すべてに浅野忠信が重要な役柄で出演しており、『鏡地獄』と『芋虫』で明智小五郎を演じているが、どちらの原作小説にも明智小五郎は登場していない
 ※同じ明智小五郎の役ではあるが、4監督がそれぞれ完全に独立した演出をおこなっているため、『鏡地獄』と『芋虫』とのあいだに関連はなく、登場する小林少年も別の人物が演じている
 ※『鏡地獄』も『芋虫』も時代設定は明確には描写されていないが、少なくとも『鏡地獄』は、同じ実相寺昭雄監督の「嶋田小五郎シリーズ」とつながっているようには見えない
 ※『鏡地獄』の実相寺昭雄監督はこののち2006年に69歳で逝去しているため、実相寺昭雄が手がけた「明智小五郎シリーズ」としては最後の作品となる(ただし、遺作ではない)
 ※ただ、この『鏡地獄』って、江戸川乱歩の小説っていうより……『怪奇大作戦』じゃねぇかァ!!

舞台公演『明智小五郎の事件簿 黒蜥蜴』(2007年2~5月に兵庫県・宝塚大劇場と東京宝塚劇場で上演)
 56代目・明智小五郎 …… 春野 寿美礼(すみれ 34歳 同年いっぱいで退団)
 12代目・女賊黒蜥蜴 …… 桜乃 彩音(23歳 2010年退団)
 29代目・小林芳雄  …… 桜 一花(いちか 年齢非公開)
 12代目・波越警部  …… 壮 一帆(年齢非公開 2012年12月に雪組に異動して次期トップスターに就任予定)
 ※宝塚歌劇団花組本公演
 ※三島由紀夫の戯曲ではなく江戸川乱歩の小説を直接の原作としている

TV アニメ『二十面相の娘』(2008年4~9月 フジテレビ 全22回)
 57代目・明智小五郎  …… 浜田 賢二(36歳)
 27代目・怪人二十面相 …… 内田 夕夜(42歳)
 ※『月刊コミックフラッパー』(メディアファクトリー)で2003年4月~09年5月に連載されていた小原慎司のマンガ『二十面相の娘』シリーズ(『二十面相の娘』『うつしよの夜』『少女探偵団』)のアニメ化
 ※「怪人二十面相の盗賊術を受け継いだ少女チコ(演・平野綾)」を主人公とした完全オリジナルストーリー
 ※原作マンガでは「女賊黒蜥蜴」なども登場するが、第二次世界大戦や明智小五郎の設定が微妙にぼかされた描写になっており、江戸川乱歩の小説世界と直接つながるものとは明言されていない(パラレルワールドの可能性がある)

舞台公演『江戸宵闇妖鉤爪(えどのやみあやしのかぎづめ) 明智小五郎と人間豹』(2008年11月に東京・国立劇場大劇場で上演)
 58代目・明智小五郎 …… 九世 松本 幸四郎(66歳)
 人間豹       …… 七世 市川 染五郎(35歳 言うまでもなく幸四郎の長男)
 ※江戸川乱歩の『人間豹』を江戸時代末期の設定に脚色した現代歌舞伎
 ※本作の続編『京乱噂鉤爪(みやこをみだすうわさのかぎづめ) 人間豹の最期』も翌2009年10月に上演されているが、こちらは完全オリジナル作品

映画『K-20 怪人二十面相・伝』(2008年12月 監督&脚本・佐藤 嗣麻子)
 59代目・明智小五郎      …… 仲村 トオル(43歳)
(28代目)初代・怪人二十面相  …… 鹿賀 丈史(58歳)
(29代目)2代目・怪人二十面相 …… 金城 武(35歳)
 30代目・小林芳雄       …… 本郷 奏多(18歳)
 13代目・波越警部       …… 益岡 徹(52歳)
 ※「日本テレビ開局55年記念作品」
 ※監督の佐藤嗣麻子は、1994~99年の「陣内小五郎シリーズ」(フジテレビ)の監督も務めていた
 ※江戸川乱歩の小説ではなく、戯曲家・北村想の小説『怪人二十面相・伝』(1988年)が直接の原作
 ※江戸川乱歩の『少年探偵団』シリーズについて、「戦前に活躍した二十面相と、戦後に活躍した二十面相は師弟関係にある別人だった」という解釈がなされている
 ※物語の世界観が「第二次世界大戦が起こらなかった1949年の大日本帝国」になっているのは映画オリジナルの設定
 ※本作のヒロインを務めていたのは女優の松たか子(31歳)だったが、松の父親と兄貴はつい先月に舞台の『人間豹』で壮絶な父子ゲンカを展開していた……すげぇ親子!!
 ※怪人二十面相に変装される役として、実相寺昭雄監督のシリーズで明智小五郎を演じていた嶋田久作も出演している

ニンテンドーDS 専用推理アドベンチャーゲームソフト『江戸川乱歩の怪人二十面相 DS』(2008年12月発売 タカラトミー)
 60代目・明智小五郎  …… 西田 雅一(?歳 声優 2006年デビュー)
 31代目・小林芳雄   …… 五十嵐 由佳(?歳 声優 2006年デビュー)
 花崎マユミ      …… 野引 香里(?歳 声優 2007年デビュー)
 30代目・怪人二十面相 …… 遠近 孝一(37歳 声優)
 ※物語は原作の『怪人二十面相』(1936年)をもとにしたもので、小林少年が主人公となっている
 ※少年探偵団のヒロイン・花崎マユミは原作では『魔人ゴング』(1957年)から登場するため、本来は『怪人二十面相』には登場していない

ラジオドラマ『黒蜥蜴』(2009年5月 NHK-FM「青春アドベンチャー」全5回)
 61代目・明智小五郎 …… 篠井 英介(50歳)
 13代目・女賊黒蜥蜴 …… 清水 ミチコ(49歳)
 ※NHK-FM「青春アドベンチャー」は、毎週月~金曜日22:45~23:00に放送されている文芸ラジオドラマ枠

映画『失恋殺人』(2010年4月 監督&脚本・窪田 将治)
 62代目・明智小五郎 …… 草野 康太(25歳)
 8代目・明智文代  …… 星野 真里(28歳)
 ※江戸川乱歩の短編『妻に失恋した男』(1957年10月)を原作としているが、原作に明智夫妻は登場しない
 ※明智小五郎の妻・文代が実質的な探偵役になっている珍しい作品
 ※2012年7月時点で、映像化作品に明智小五郎が登場している最後のものということになるのだが……はなはだ不本意!!

ラジオドラマ『黄金仮面』(2010年4月 NHK-FM「青春アドベンチャー」全10回)
 61代目・明智小五郎 …… 篠井 英介(51歳)
 怪盗黄金仮面    …… 立川 三貴(たちかわ みつたか 60歳)
 14代目・波越警部  …… 佐藤 輝(さとう てる 65歳)
 ※黄金仮面役の立川三貴はかつて、1983~84年に TVドラマ『怪人二十面相と少年探偵団』で怪人二十面相の役を演じていた

TV ドラマ『三代目明智小五郎 今日も明智が殺される』(2010年4~6月放送 全10回 TBS )
 明智小五郎の孫・中五郎  …… 田辺 誠一(41歳)
 小林芳雄の孫・めぐみ   …… 小池 里奈(16歳)
 明智小五郎の息子・大五郎 …… 西岡 徳馬(63歳)
 三代目怪人二十面相    …… 片桐 仁(36歳 ラーメンズ)
 ※毎週火曜日深夜0:55~1:25に放送されていた、脚本家・福島充則によるオリジナルコメディ作品
 ※物語の舞台は現代で、明智小五郎の孫・中五郎が毎回殺人事件の被害者として殺され、犯人を見つけ出すことによって復活するという設定になっている
 ※幽霊となった中五郎が生きている小林めぐみと共に事件解決に乗り出すという流れで、すでに故人となっている中五郎の父・大五郎の霊が、事件を解決した中五郎を現世に戻す役割を担っている
 ※明智中五郎役の田辺誠一は、かつて2000年に野村證券の TVコマーシャルで金田一耕助の役柄を演じたことがあった
 ※2004年の TVドラマ『乱歩R』(日本テレビ)に登場した「三代目明智小五郎」(演・藤井隆)との関係はもちろん不明だが、いちおう調べておくと田辺誠一のほうが藤井隆よりも3歳年上

舞台公演『黄金仮面』(2011年2~3月に東京・全労災ホールスペースゼロなど3都市で上演)
 63代目・明智小五郎 …… 小西 遼生(29歳)
 怪盗黄金仮面    …… 井上 優(29歳 声優)
 32代目・小林芳雄  …… 佐藤 永典(ひさのり 21歳)
 15代目・波越警部  …… 鷲尾 昇(34歳) 
 ※演劇ユニット「*pnish*(パニッシュ)」のプロデュース公演

ラジオドラマ『魔術師』(2012年2月 NHK-FM「青春アドベンチャー」全10回)
 61代目・明智小五郎 …… 篠井 英介(53歳)
 魔術師       …… 橋爪 功(70歳)
 9代目・明智文代  …… 粟田 麗(あわた うらら 37歳)
 14代目・波越警部  …… 佐藤 輝(さとう てる 66歳)

舞台公演『黒蜥蜴』(2012年6月に東京・明治座で上演)
 64代目・明智小五郎 …… 加藤 雅也(48歳)
 14代目・女賊黒蜥蜴 …… 浅野 ゆう子(51歳)
 ※三島由紀夫の戯曲ではなく江戸川乱歩の小説を直接の原作としている


~特別おまけ こげなかんじだったのけぇ!? 江戸川乱歩の映像化作品回数ランキング~

第1位 …… ズルくない!! 『怪人二十面相』シリーズ(19回)
   ※やっぱり『少年探偵団』シリーズ中の作品をバラであつかうわけにはいかないので。ダントツのトップ!

第2位 …… なんてったってコレよね! 『黒蜥蜴』(8回)
   ※舞台化もあわせればもっと多いのだが、映像化作品でいうと意外とこのくらい。あなたの好みはどの黒蜥蜴!?

第3位 …… サイレント映画時代からの最古参『一寸法師』(7回 『盲獣 VS 一寸法師』もカウント)
   ※明智小五郎の長編メジャーデビュー作だが、これからの映像化はあるかナ~!?

第3位 …… 意外と健闘してるんです! 『吸血鬼』(7回)
   ※原作の中では決して目立つほうではないのだが、見せ場の多いシーン展開が映像化に向いているのか?

第5位 …… 乱歩といえばコレでしょう! 『陰獣』(7回 2009年のフランス映画版もあわせて ただし、明智小五郎が出ているのは4回)
   ※まぁ、もともと明智小五郎はいない原作なんでこんなもんでしょう

第6位 …… 地味ながらもいろんなところで映像化 『白髪鬼』(7回 2002年の香港映画もあわせて ただし、明智小五郎が出ているのは3回)
   ※これも、明智小五郎はお呼びでない名作だしな~

第7位 …… 大事なのはインパクトっしょ!! 『人間椅子』(6回 ただし、明智小五郎が出ているのは3回)
   ※これも、明智小五郎の出る幕はないはずなのになぜかしゃしゃりでてしまうお茶目な先生

第8位 …… けっこう映像にするとおもしろいんです! 『化人幻戯』(5回 『RAMPO 』もカウント)
   ※なかなか画になる要素の多い戦後の名作がけっこうな追いあげ!

第9位 …… 小粒でもピリリときいたこのうまさ! 『屋根裏の散歩者』(5回 ただし、明智小五郎が出ているのは2回)
   ※原作にはちゃんと出ているのになぜかつまはじきにされがちな明智先生。犯人の追いつめ方がドS過ぎるからか!?

第10位 …… ベテラン陣が伸び悩みじだんだを踏む 『蜘蛛男』『魔術師』『地獄の道化師』(4回)
   ※いやいや、回数じゃなくて中身の質でしょ! 「ピエロ姿の殺人鬼」を発明した乱歩はやっぱすげぇ

文字通りのランク外!! 1回も映像化されてません 『人間豹』
   ※舞台化とかはされてるけど、なんでこんなに嫌われてるの!? 今夜もどこかで恩田さんの哀しき遠吠えが聴こえる



 いやはや、ここまできてしまいました。
 ホントに始めた当初はもっと簡単かと思ってたんですが……とにかく長かった、多かった!

 あれですね、映像化の回数で言ったら「金田一耕助もの」には及ばないかもしれないのですが、ラジオドラマと演劇舞台の流れが、21世紀の現在にまで絶え間なく続いているのがいかにも明智小五郎らしい幅広さですよね。

 だから、たとえば金田一耕助は2005年いらいの映像化がないということで、その魅力を知らない人が増えていく危機感というか、不安のようなものを、私は多少持っていたりもするわけなんですが、明智小五郎はそれほどの心配を感じないんですね。それはやっぱり、映像化以外のかたちで明智探偵、もしくはその係累に当たる「アケチさん」を目にする機会がちょいちょいあるからなのではないでしょうか。

 でも、よくよく考えてみれば21世紀に入って「明智小五郎の登場する、江戸川乱歩の原作のまともな映像化作品」って、そんなに作られてませんよね……アレンジがききすぎたりしてて。そろそろ出てきてほしいなぁ~、明智小五郎をなが~く続けていく覚悟のある役者さん!!


 余談ですが、江戸川乱歩ご本人は明智小五郎の初登場作品『D坂の殺人事件』の中で、明智小五郎の容姿に関して、

「年はわたし(主人公)と同じくらいで、二十五歳を越してはいまい。(1924年時点)」
「歩くときに変に肩を振る癖がある。といっても、決して豪傑流のそれではなく、妙な男を引き合いに出すが、あの片腕の不自由な講釈師の神田伯龍を思い出させるような歩き方なのだ。伯龍といえば、明智は顔つきから声音まで、かれにそっくりだ。」
「伯龍を見たことのない読者は、諸君の知っているところの、いわゆる好男子ではないが、どことなくあいきょうのある、そして、もっとも天才的な顔を想像するがよい。」
「ただ、明智のほうは、髪の毛がもっと長く延びていて、モジャモジャともつれ合っている。」
「服装などはいっこうにかまわぬほうらしく、いつももめんの着物に、よれよれのヘコ帯を締めている。」

 と描写しています。
 その後、けっこう早い段階で明智小五郎は探偵業に本格的に乗り出して「洋装のオシャレ紳士」に変身していき、モジャモジャ頭をちょっと残すくらいで、全体的にだいぶ洗練された名探偵になっていくわけです。

 でもここで強調されているのは、明智小五郎が「それほどイケメンじゃない」ってことですよね。少なくとも、天知茂さんや郷ひろみさんのタイプではないと。
 で、乱歩がたとえた講釈師の「5世 神田伯龍(1890~1949年)」というお方は、残っているお写真を拝見してみると、タレ目と「八の字まゆげ」が印象的な愛嬌のある顔立ち。私そうだいの私見で言わせていただけると、韓国の俳優のリュ=シウォンさんに似ているように見受けられます。バシッときまった二枚目ではないんですが、いわゆる「あま~い顔」で女性にモテそうだなぁ、って感じですね。

 モジャモジャ頭に和服とくると、どうしても「約10歳年下の後輩」ということになる名探偵・金田一耕助の姿がダブってしまうのですが、アメリカ留学を経て「己の確固たるポリシー」として和装を貫いていた金田一先生にくらべて、明智先生は「あぁ~、オシャレしてぇ。」という願望がありつつも、経済的な事情でしかたなく和装をしていたのではないか、と思えるふしがありますね。だって、その数年後の『一寸法師』事件(1926年)では、チャイナ服きて捜査してるんですよ!? やっぱ変人だわ……


明智小五郎64名、小林少年32名、怪人二十面相30名。


 声のみの出演もあわせて、今までにメディア化された各キャラクターを演じた役者さんがたの総数です。実は資料が見つけられなくてカウントできなかった役者さんがいる可能性もあるので(特に1950年代以前の諸作品)、実際はもっと多いかもしれません!

 明智先生……怪人二十面相の倍以上の顔を持ってるじゃないっすか!! 小林少年にさえ数で負けて、二十面相涙目。

 さぁ~、またこれから、それぞれがどんな「新たな顔」をもって復活してくるのか。首を長~くして楽しみにすることにしようじゃありませんか。


だれが音頭をとるともなく、期せずしてみんなの両手が、高く空にあがりました。
そして一同、かわいらしい声をそろえて、くりかえしくりかえしさけぶのでした。

「明智先生、ばんざーい。」
「江戸川乱歩、ばんざーい。」


≪名探偵は死なず!! 明智小五郎2010年代メディア化作品の事件簿は、こちら!!
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