キンッキンの寒さでございますねェ~! どうもこんにちは、そうだいです、ハイ。
昨日も千葉は日中は多少晴れていたんですが、日が暮れる直前からにわかに雲がかきくもり、最終的に夜には雨ときどき雪という酷寒ぶりになってしまいました。今日もどこまでいっちゃうんでしょうか……たまんないなぁ。
「雲行きがあやしい」というポイントで思いっきり強引にくっつけちゃうのが、前回に引き続いてのこの話題です。
えっ? くっついてない? 強引すぎ? なにを今さら……これが『長岡京エイリアン』なのですよ。
NHK大河ドラマ『平清盛』歴代ワースト3位で発進 平均世帯視聴率17.3%
(msn 産経ニュース 2012年1月10日の記事より)
8日から放送が始まったNHK大河ドラマ『平清盛』の初回の番組平均世帯視聴率が17.3% だったことが10日、ビデオリサーチの調べでわかった。
前作の『江 姫たちの戦国』の初回21.7% を下回り、2006年の『功名が辻』(初回19.8% 、最終的な平均視聴率は20.9% )以来、6年ぶりの20%割れ。1963年の大河ドラマ開始以来、歴代ワースト3位の発進となった。
こんなニュースがきちゃったんで、この際だからとことん調べてみましょう。
『平清盛』をふくめて51作ある大河ドラマのうち、初回視聴率が20% をわりこんでしまった作品は全部で8作ありまして、上にタイトルの出た2作品の他には、
『春の坂道』(1971年 主人公は柳生宗矩)・『花の乱』(1994年 主人公は日野富子)・『北条時宗』(2001年)
といった面々が名を連ねております。う~ん、みなさん当然ながら日本史にその名を残す超有名人であらせられるわけなのですが、ドラマの主人公としては確かに……アレかな!!
そして、気になる歴代初回視聴率ワーストランキングで、今年の『平清盛』をこえているという不名誉な記録を保持しているのはこちらの2作品!
ワースト2位 …… 『花神』(かしん 1977年 主人公は大村益次郎) 初回視聴率16.5%・平均視聴率19.0%
ワースト1位 …… 『春日局』(かすがのつぼね 1989年) 初回視聴率14.3%・平均視聴率32.4%
意外ですかね? そうなんですよ。「初回」に限っては『春日局』がワーストを記録しているのです。
でも、よくご覧ください。『春日局』は最終的には平均30% を超える大ヒットを果たしていたのです。
じゃあ、なんで初回だけ記録的に低いのか? まるで「なにかの事情」があったとしか思えない悲劇的なスタートですよねぇ。
……あ、わかりました? ご名答! 実は『春日局』の始まった1989年1月といえば、激動の時代に幕を閉じる「昭和天皇の崩御」が日本全体の空気を重く包み込んでいた時期だったのです。
崩御そのものは1989年1月7日のことでしたが、昭和天皇は前年の1988年9月から入院して危篤状態になられていたようです。
『春日局』の初回は、歴代大河ドラマの中でもかなり珍しい「元旦」1月1日のバタバタのさなかでの放送となりご覧の結果となったわけです。なぜそんなに大急ぎのスタートとなったのか……その「1週後」あたりがXデーになるとNHK も察知していたのでしょうか。
まさに、「本物の歴史的事象」が「つくりものの歴史劇」を軽く押しのけてしまった、その証拠こそがこの『春日局』の「初回視聴率14.3%」だったというわけなのです。重いですね~!
さてみなさん。ここまでのところでは、初回視聴率20% 割れを記録した作品のタイトルは「7つ」しかあがっていませんね。
8つあるうちの「残る1つ」はなんなのかと言いますと、ハイこれなんです!
『新 平家物語』 初回視聴率17.3% (平均視聴率は21.4% )
ええ~っ!? 『平清盛』とおんなじ!!
うむむ、恐るべし平家一門。滅亡から800年以上をへた今でも、こんな形でミラクルを起こすパワーを残しているというのか……地味すぎだけど。
ということは、『平清盛』も回をおうごとにズンズン視聴率を上げていって、最終的には平均視聴率21.4% を記録してくれるのでありましょうか。
天下の大河ドラマも、ここ2年間は「平均20% 台」をのがしていますからねぇ(最後は2009年の『天地人』)。がんばってもらいたいっすね!
ちなみに、源平合戦をあつかった最近の作品『義経』(2005年)はというと、初回視聴率が24.2% で最終的な平均視聴率は19.4% でした。まずは、ここ超えていこ~。
始まったばかりの『平清盛』をのぞく「初回20% 割れ」7作品のうち、それを挽回して「平均視聴率」が20% を超えたのは4作品。けっこうまき返してるじゃないですか。
だが、しかし。
平均視聴率が20% 台に乗らなかった3作品の内には、51作品のうちの最低平均視聴率「14.1% 」を記録してしまった『花の乱』があることも非常に気になります……
『平清盛』に「応仁大乱」レベルの大カタストロフィが起きないことをせつに願うばかりです。
でも、私個人は『花の乱』大好きでしたよ、マジで!?
だってよォ、なんてったっておめぇ、『花の乱』は原作小説のないオリジナル脚本作品で、それを手がけたのはなにを隠そう、去年ついに M78星雲にもひとしい天界の住人となられた市川森一さんだったんだぜ!? 市川先生が既存の原作小説を脚本化した大河ドラマは他にもいくつかありますが、100% 市川ブランドの大河はこの『花の乱』だけ!
しかも『花の乱』は、1993~94年の「2年間に3本の大河ドラマを制作する」という NHKの不思議な実験の最終作となってしまったために、前代未聞の「4月放送スタート」という初体験をしてしまうこととなり、ここが人間の習慣の恐ろしいところで、
「ええ~? 春から新しい大河ぁ?」
という少なからぬ違和感を与えるものとなってしまったようなのです。『花の乱』はのっけから周囲の空気がアウェーだったんです!
と、まぁ、ここまでさんっざん「視聴率がどうこう」いうお話に花が咲いてしまったのですが、ちょっと一言。
大河ドラマの質の善し悪しと視聴率はあんまり関係ない!!
自分で自分のちゃぶ台をひっくり返してしまいましたが、私は本当にそう思うんですよ。
たしかに「視聴率がいいものは大衆に迎合していてウソばっかり!」とか「悪いものは批判をあびるくらいの有意義なチャレンジをしたからだ!」という見方もあるとは思うのですが、私個人は、視聴率の善し悪しには作品の内容以上にもっと大きな要因があると思うんだなぁ。
それは、
知ってる人がいっぱい出てるかあんまり出てないか。
やっぱり単純にこっちのほうが大きくないですか?
まぁ、今年の『平清盛』に関しては初回から「画面がきたない」「いや、それは作品の味わいだろう」という議論がなされているようなのですが、そういったことよりも、それ以前にキャスティング表を眺めたときに、
「え、平忠盛とか鳥羽上皇とか藤原忠実とか……だれ?」
というとっつきにくさがまず最初に目立っちゃうんじゃないかと。ましてや、「平時子」とか「祇園女御」といった女優さんの演じる歴史上の人物のことを「あぁ~、ハイハイ。」とすぐにイメージできる人なんか、そう多くはないでしょう。
ここが『平清盛』のきびしいところなんですよね……ほぼ同じ時代をあつかっていても、『義経』とか『草燃える』みたいに「ほんの1~2世代」くだるだけで、超有名人物や超有名バトルシーンのオンパレードになるのにねぇ。
でも無論、そんなことは知った上での制作であるわけで、そこを役者さんの力で乗り越えてこその『平清盛』なんだ! 初回の視聴率なんか気にするない!!
ということでくわだてたのが、前回の「ドキ☆ドキ☆ 新旧役者さん合戦」だったというわけなのです。
上のようなアウェー事情のために、そうとう気合いの入った実力派の顔ぶれが集結した感のある今年の『平清盛』。
少なくとも序盤のキャスティングを見るかぎりは、「格闘家が見た目だけで武将にキャスティングされている。」「超有名ダンスポップグループの人気メンバーが見た目だけで主人公の2番目の夫にキャスティングされている。」といったチャラッチャラしたお遊びの雰囲気はみじんも感じられません。お笑い系出身の人は確かにいますけど、総じて超硬派!
そして、その事情は対する『新 平家物語』にもけっこう似たものがあり、「大河ドラマ通算10作目!」という節目の作品となった『新 平家物語』は、当時の日本映画界や演劇界を代表する実力派スターたちが大集合する、その時点での「総決算」的な豪華キャスティングが話題となっていたのです。
あと、もうひとつ忘れてはならない2作の共通点がありまして、それは、
「主人公・平清盛の死後も、物語が平家滅亡まで続く。」
ということです。作品全体の完成度に関わる大きな問題ですね~!
『新 平家物語』はタイトルの通り「平家一門の物語」ということで、主人公の仲代清盛はドラマの後半で無念の死去。全52回のうち、最後の「5回ぶん」は清盛不在の源平合戦が繰り広げられていき、原典の『平家物語』と同じく涙、涙の「大原御幸(おおはらみゆき 人の名前じゃないヨ)」シーンで堂々完結となっていました。
そして、初回をご覧になった方ならご存じのように、『平清盛』もまた、「源平合戦をへて滅亡した平家一門の物語を、歴史の勝者である源頼朝が回想する」という形式で展開されていくようなのです。
ここでかなり大事なのは頼朝役の語りと演技力であるわけなのですが…… TVが観られない、ゆえに NHKの受信料も払っていない私に発言権がないことは承知の上で言いますけど、そこを20代前半の青年がやるのはそ~と~な冒険よ!?
これも、おそらくは「平清盛の最期でドラマを締めくくるのはドラマ的にあまりにももったいない」という考慮の末のことなのでしょう。まぁ、やっぱり壇ノ浦までは観たいですよね。
いや~、どうですか、みなさん。前回にあげた2作品の俳優対決を観て。
なかなか、「それ以外のキャリアの印象も強く付随している」昭和のみなさんと「これからもキャリアを積み重ねていく」平成のみなさんとをフラットに見るのは難しいことなのですが、主人公の「英雄っぽいのはどっち対決」ももちろんのことながら、
「昭和 VS 平成のかわいい対決」 玉緒 VS フカキョン
「昭和 VS 平成の個性派対決」 小沢栄太郎 VS マルモおじさん
「昭和 VS 平成の薄幸顔対決」 タムラです VS ARATAあらため井浦新
なんかは見逃せませんね。
でも、私としてはやっぱり、
「昭和 VS 平成のダーティな腹心対決」 山崎努 VS 森田剛
が気になるんだよなぁ~!
そりゃもう、キャリアやインパクトで言ったら山崎さんが圧倒的であるわけなのですが、30の坂を越えて、もはや「アイドルが出てま~す」的な雰囲気はきれいさっぱり消え去ってしまった演技派の GO!森田さんが、これからどういった「平家の栄華の暗部」ともいえる汚れ仕事を一手に引き受けていくのかに注目……したいけど TVが観られない。
しっかしねぇ~、あんまり歴史的にはパッとしてないかも知れませんが、
「昭和 VS 平成のダメダメ父子対決」
森雅之・原保美・成田三樹夫 VS 國村隼・堀部圭亮・山本耕史
はいいねぇ~!! おとこの肉汁がぼたぼたこぼれる味わいがあります。キャー! ミッキー!!
このへんの、映画『源氏物語 千年の謎』におけるヒガシの子孫とはとても信じられない藤原一族の凋落ぶりはとってもおもしろいのですが、平清盛の一生の中ではほんの前半部分でさっさと退場してしまうのがいかにも惜しいです。
実は私、「日本のヘンリー8世」とも言える「平安最大の帝王・白河法皇」の呪われた家族たちと藤原一族、そして新興勢力の平氏や源氏といった武士たちとの「下克上」の発端とも言える、
「保元の乱」(ほうげんのらん 1156年7月11日勃発)
をメインにした時代劇が観たいんだよなぁ~。『平清盛』でもこれからやるわけなんですが、おざなりじゃなくてこ・こ・を!!クライマックスにしたスペクタクルが観たいの。
だって、親と子が、兄と弟が、主人と家来がバカッと二手に分かれて、いちおう350年以上戦争のなかった京の都を舞台に血みどろの殺しあいを展開してしまうんですよ!? こわいねぇ~。
保元の乱は、それ自体の戦闘時間は未明から朝方の4時間ほどだったし、規模も「数百人 VS 数百人」という、のちの源平合戦と比べるとささやかなものではあるのですが、平家の栄華、つまりは「武者の世」の直接のきっかけとなったこの戦争の意義は甚大なものがあります。
できれば、これを中心にした大河ドラマ(主人公は崇徳上皇か藤原頼長)が観たいんですが……平均視聴率は8.2% ぐらいかな。
んんン~っていうか、『平清盛』、みたいみたいみたいぃイ~!!
こうして、自分の首を絞めるばかりの企画はおしまいとなるのでありましたァア~ん。
昨日も千葉は日中は多少晴れていたんですが、日が暮れる直前からにわかに雲がかきくもり、最終的に夜には雨ときどき雪という酷寒ぶりになってしまいました。今日もどこまでいっちゃうんでしょうか……たまんないなぁ。
「雲行きがあやしい」というポイントで思いっきり強引にくっつけちゃうのが、前回に引き続いてのこの話題です。
えっ? くっついてない? 強引すぎ? なにを今さら……これが『長岡京エイリアン』なのですよ。
NHK大河ドラマ『平清盛』歴代ワースト3位で発進 平均世帯視聴率17.3%
(msn 産経ニュース 2012年1月10日の記事より)
8日から放送が始まったNHK大河ドラマ『平清盛』の初回の番組平均世帯視聴率が17.3% だったことが10日、ビデオリサーチの調べでわかった。
前作の『江 姫たちの戦国』の初回21.7% を下回り、2006年の『功名が辻』(初回19.8% 、最終的な平均視聴率は20.9% )以来、6年ぶりの20%割れ。1963年の大河ドラマ開始以来、歴代ワースト3位の発進となった。
こんなニュースがきちゃったんで、この際だからとことん調べてみましょう。
『平清盛』をふくめて51作ある大河ドラマのうち、初回視聴率が20% をわりこんでしまった作品は全部で8作ありまして、上にタイトルの出た2作品の他には、
『春の坂道』(1971年 主人公は柳生宗矩)・『花の乱』(1994年 主人公は日野富子)・『北条時宗』(2001年)
といった面々が名を連ねております。う~ん、みなさん当然ながら日本史にその名を残す超有名人であらせられるわけなのですが、ドラマの主人公としては確かに……アレかな!!
そして、気になる歴代初回視聴率ワーストランキングで、今年の『平清盛』をこえているという不名誉な記録を保持しているのはこちらの2作品!
ワースト2位 …… 『花神』(かしん 1977年 主人公は大村益次郎) 初回視聴率16.5%・平均視聴率19.0%
ワースト1位 …… 『春日局』(かすがのつぼね 1989年) 初回視聴率14.3%・平均視聴率32.4%
意外ですかね? そうなんですよ。「初回」に限っては『春日局』がワーストを記録しているのです。
でも、よくご覧ください。『春日局』は最終的には平均30% を超える大ヒットを果たしていたのです。
じゃあ、なんで初回だけ記録的に低いのか? まるで「なにかの事情」があったとしか思えない悲劇的なスタートですよねぇ。
……あ、わかりました? ご名答! 実は『春日局』の始まった1989年1月といえば、激動の時代に幕を閉じる「昭和天皇の崩御」が日本全体の空気を重く包み込んでいた時期だったのです。
崩御そのものは1989年1月7日のことでしたが、昭和天皇は前年の1988年9月から入院して危篤状態になられていたようです。
『春日局』の初回は、歴代大河ドラマの中でもかなり珍しい「元旦」1月1日のバタバタのさなかでの放送となりご覧の結果となったわけです。なぜそんなに大急ぎのスタートとなったのか……その「1週後」あたりがXデーになるとNHK も察知していたのでしょうか。
まさに、「本物の歴史的事象」が「つくりものの歴史劇」を軽く押しのけてしまった、その証拠こそがこの『春日局』の「初回視聴率14.3%」だったというわけなのです。重いですね~!
さてみなさん。ここまでのところでは、初回視聴率20% 割れを記録した作品のタイトルは「7つ」しかあがっていませんね。
8つあるうちの「残る1つ」はなんなのかと言いますと、ハイこれなんです!
『新 平家物語』 初回視聴率17.3% (平均視聴率は21.4% )
ええ~っ!? 『平清盛』とおんなじ!!
うむむ、恐るべし平家一門。滅亡から800年以上をへた今でも、こんな形でミラクルを起こすパワーを残しているというのか……地味すぎだけど。
ということは、『平清盛』も回をおうごとにズンズン視聴率を上げていって、最終的には平均視聴率21.4% を記録してくれるのでありましょうか。
天下の大河ドラマも、ここ2年間は「平均20% 台」をのがしていますからねぇ(最後は2009年の『天地人』)。がんばってもらいたいっすね!
ちなみに、源平合戦をあつかった最近の作品『義経』(2005年)はというと、初回視聴率が24.2% で最終的な平均視聴率は19.4% でした。まずは、ここ超えていこ~。
始まったばかりの『平清盛』をのぞく「初回20% 割れ」7作品のうち、それを挽回して「平均視聴率」が20% を超えたのは4作品。けっこうまき返してるじゃないですか。
だが、しかし。
平均視聴率が20% 台に乗らなかった3作品の内には、51作品のうちの最低平均視聴率「14.1% 」を記録してしまった『花の乱』があることも非常に気になります……
『平清盛』に「応仁大乱」レベルの大カタストロフィが起きないことをせつに願うばかりです。
でも、私個人は『花の乱』大好きでしたよ、マジで!?
だってよォ、なんてったっておめぇ、『花の乱』は原作小説のないオリジナル脚本作品で、それを手がけたのはなにを隠そう、去年ついに M78星雲にもひとしい天界の住人となられた市川森一さんだったんだぜ!? 市川先生が既存の原作小説を脚本化した大河ドラマは他にもいくつかありますが、100% 市川ブランドの大河はこの『花の乱』だけ!
しかも『花の乱』は、1993~94年の「2年間に3本の大河ドラマを制作する」という NHKの不思議な実験の最終作となってしまったために、前代未聞の「4月放送スタート」という初体験をしてしまうこととなり、ここが人間の習慣の恐ろしいところで、
「ええ~? 春から新しい大河ぁ?」
という少なからぬ違和感を与えるものとなってしまったようなのです。『花の乱』はのっけから周囲の空気がアウェーだったんです!
と、まぁ、ここまでさんっざん「視聴率がどうこう」いうお話に花が咲いてしまったのですが、ちょっと一言。
大河ドラマの質の善し悪しと視聴率はあんまり関係ない!!
自分で自分のちゃぶ台をひっくり返してしまいましたが、私は本当にそう思うんですよ。
たしかに「視聴率がいいものは大衆に迎合していてウソばっかり!」とか「悪いものは批判をあびるくらいの有意義なチャレンジをしたからだ!」という見方もあるとは思うのですが、私個人は、視聴率の善し悪しには作品の内容以上にもっと大きな要因があると思うんだなぁ。
それは、
知ってる人がいっぱい出てるかあんまり出てないか。
やっぱり単純にこっちのほうが大きくないですか?
まぁ、今年の『平清盛』に関しては初回から「画面がきたない」「いや、それは作品の味わいだろう」という議論がなされているようなのですが、そういったことよりも、それ以前にキャスティング表を眺めたときに、
「え、平忠盛とか鳥羽上皇とか藤原忠実とか……だれ?」
というとっつきにくさがまず最初に目立っちゃうんじゃないかと。ましてや、「平時子」とか「祇園女御」といった女優さんの演じる歴史上の人物のことを「あぁ~、ハイハイ。」とすぐにイメージできる人なんか、そう多くはないでしょう。
ここが『平清盛』のきびしいところなんですよね……ほぼ同じ時代をあつかっていても、『義経』とか『草燃える』みたいに「ほんの1~2世代」くだるだけで、超有名人物や超有名バトルシーンのオンパレードになるのにねぇ。
でも無論、そんなことは知った上での制作であるわけで、そこを役者さんの力で乗り越えてこその『平清盛』なんだ! 初回の視聴率なんか気にするない!!
ということでくわだてたのが、前回の「ドキ☆ドキ☆ 新旧役者さん合戦」だったというわけなのです。
上のようなアウェー事情のために、そうとう気合いの入った実力派の顔ぶれが集結した感のある今年の『平清盛』。
少なくとも序盤のキャスティングを見るかぎりは、「格闘家が見た目だけで武将にキャスティングされている。」「超有名ダンスポップグループの人気メンバーが見た目だけで主人公の2番目の夫にキャスティングされている。」といったチャラッチャラしたお遊びの雰囲気はみじんも感じられません。お笑い系出身の人は確かにいますけど、総じて超硬派!
そして、その事情は対する『新 平家物語』にもけっこう似たものがあり、「大河ドラマ通算10作目!」という節目の作品となった『新 平家物語』は、当時の日本映画界や演劇界を代表する実力派スターたちが大集合する、その時点での「総決算」的な豪華キャスティングが話題となっていたのです。
あと、もうひとつ忘れてはならない2作の共通点がありまして、それは、
「主人公・平清盛の死後も、物語が平家滅亡まで続く。」
ということです。作品全体の完成度に関わる大きな問題ですね~!
『新 平家物語』はタイトルの通り「平家一門の物語」ということで、主人公の仲代清盛はドラマの後半で無念の死去。全52回のうち、最後の「5回ぶん」は清盛不在の源平合戦が繰り広げられていき、原典の『平家物語』と同じく涙、涙の「大原御幸(おおはらみゆき 人の名前じゃないヨ)」シーンで堂々完結となっていました。
そして、初回をご覧になった方ならご存じのように、『平清盛』もまた、「源平合戦をへて滅亡した平家一門の物語を、歴史の勝者である源頼朝が回想する」という形式で展開されていくようなのです。
ここでかなり大事なのは頼朝役の語りと演技力であるわけなのですが…… TVが観られない、ゆえに NHKの受信料も払っていない私に発言権がないことは承知の上で言いますけど、そこを20代前半の青年がやるのはそ~と~な冒険よ!?
これも、おそらくは「平清盛の最期でドラマを締めくくるのはドラマ的にあまりにももったいない」という考慮の末のことなのでしょう。まぁ、やっぱり壇ノ浦までは観たいですよね。
いや~、どうですか、みなさん。前回にあげた2作品の俳優対決を観て。
なかなか、「それ以外のキャリアの印象も強く付随している」昭和のみなさんと「これからもキャリアを積み重ねていく」平成のみなさんとをフラットに見るのは難しいことなのですが、主人公の「英雄っぽいのはどっち対決」ももちろんのことながら、
「昭和 VS 平成のかわいい対決」 玉緒 VS フカキョン
「昭和 VS 平成の個性派対決」 小沢栄太郎 VS マルモおじさん
「昭和 VS 平成の薄幸顔対決」 タムラです VS ARATAあらため井浦新
なんかは見逃せませんね。
でも、私としてはやっぱり、
「昭和 VS 平成のダーティな腹心対決」 山崎努 VS 森田剛
が気になるんだよなぁ~!
そりゃもう、キャリアやインパクトで言ったら山崎さんが圧倒的であるわけなのですが、30の坂を越えて、もはや「アイドルが出てま~す」的な雰囲気はきれいさっぱり消え去ってしまった演技派の GO!森田さんが、これからどういった「平家の栄華の暗部」ともいえる汚れ仕事を一手に引き受けていくのかに注目……したいけど TVが観られない。
しっかしねぇ~、あんまり歴史的にはパッとしてないかも知れませんが、
「昭和 VS 平成のダメダメ父子対決」
森雅之・原保美・成田三樹夫 VS 國村隼・堀部圭亮・山本耕史
はいいねぇ~!! おとこの肉汁がぼたぼたこぼれる味わいがあります。キャー! ミッキー!!
このへんの、映画『源氏物語 千年の謎』におけるヒガシの子孫とはとても信じられない藤原一族の凋落ぶりはとってもおもしろいのですが、平清盛の一生の中ではほんの前半部分でさっさと退場してしまうのがいかにも惜しいです。
実は私、「日本のヘンリー8世」とも言える「平安最大の帝王・白河法皇」の呪われた家族たちと藤原一族、そして新興勢力の平氏や源氏といった武士たちとの「下克上」の発端とも言える、
「保元の乱」(ほうげんのらん 1156年7月11日勃発)
をメインにした時代劇が観たいんだよなぁ~。『平清盛』でもこれからやるわけなんですが、おざなりじゃなくてこ・こ・を!!クライマックスにしたスペクタクルが観たいの。
だって、親と子が、兄と弟が、主人と家来がバカッと二手に分かれて、いちおう350年以上戦争のなかった京の都を舞台に血みどろの殺しあいを展開してしまうんですよ!? こわいねぇ~。
保元の乱は、それ自体の戦闘時間は未明から朝方の4時間ほどだったし、規模も「数百人 VS 数百人」という、のちの源平合戦と比べるとささやかなものではあるのですが、平家の栄華、つまりは「武者の世」の直接のきっかけとなったこの戦争の意義は甚大なものがあります。
できれば、これを中心にした大河ドラマ(主人公は崇徳上皇か藤原頼長)が観たいんですが……平均視聴率は8.2% ぐらいかな。
んんン~っていうか、『平清盛』、みたいみたいみたいぃイ~!!
こうして、自分の首を絞めるばかりの企画はおしまいとなるのでありましたァア~ん。