お待たせしました。
たった今決まった企画ですが、月一恒例の菅野直伝説の時間です。
菅野大尉のデストロイヤーぶりは、飛行学生の時から始まっており、大分航空隊のころはすでに宇佐空(艦爆、艦攻専攻者がいる)にもその名が轟いていました。
「相当九六戦を壊したのではないか」(宇佐空、飛行学生同期の岩井晃三氏談)
「学生時代だけで四、五機、九六戦以外にも零戦も壊している」(大分空の同期香取頴男氏)
アウチな証言には事欠かないのですが、本日画像の事故は、菅野少尉が禁止されていたコンクリートの滑走路に九六戦で降りたため起こりました。
九六戦は車輪の幅が狭いので、学生は特に草の上に降りることを決められていました。
しかし、コンクリート滑走路の方がでこぼこの土の上より、何と言っても気持ちがいい!
そこで、菅野少尉、無理やりコンクリート滑走路への着陸を決行。
「ややっ、誰じゃ、着陸禁止のところに降りよって」
「馬鹿めが。あんなところに降りたら回されるぞ」
案の定、降りた途端車輪が片側にくるりと回されたかと思うと、さかさまにひっくり返ったまま火花を散らし30メートル滑ってやっと停止しました。
着陸の時、九六戦は本来頭を守るべきヘッドレストを下げて視界を確保していました。
それで、事故でひっくり返ると頭を潰され、死亡事故になりやすかったのです。
それを知っている練習生たちは
「あー、今日は海軍葬だ。午後の外出はふいになった」
忌々しく思いながら近寄って見ると、飛行機に誰も乗っていません。
一同騒然としていると、頭にコブを作った菅野少尉がいつの間にか座席から脱出して後ろに立っていました。
菅野少尉によると、
「ひっくり返ると思った瞬間座席を下げて頭を引っ込め、停止したらすぐに脱出した。
ガソリンに引火でもしたら丸焼きだからな」
とのこと。
小柄で敏捷な菅野少尉ならではの話です。
しかし、こうも何回も飛行機を壊し、かくも余裕の脱出をしているというのは、最初から「壊すような事故をわざと起こしてサバイバルする練習」をしていたのではないか?
という疑いが・・・・。
それにしても、みんな、もう少し心配してやれよ(T_T)