アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

チベットの愛と慈悲の引き寄せの法則

2024-06-19 06:59:40 | 人と神の「実際のところ」

◎トンレンの行

 

世上に流布している引き寄せの法則のほとんどは、自分がうまい汁を吸おうというものであって、その後の反作用を考えるとおいそれとは取り組めない代物だ。

 

チベットのトンレンという引き寄せの技は、次のようなものである。

1.慈しみの心という泉の封印をとく

誰かにやさしくされた時や、誰かに愛された時に、そのことを思い出す。そこで心を開くと、してくれた人に向かって愛が流れ出す。

 

2.自己を他者とみなし、あわれみの心を持つ

他人を自分と同じ一人の人間だとありありと想像する。快いものは受け容れ、いやなもの苦しいものは受け容れたくない同じ人間だと想像する。

 

3.自分を他者に置き替えて憐みの心を持つ

苦しんでいる人がいたら、自分をその人に置き替えて憐みの心を持つ

 

4.最良の友や最愛の人を、その苦しんでいる立場の人に置き替えて想像する。

深い慈しみとあわれみを持てば、その恩沢は、苦しんでいる人、友人、愛人すべてに及ぶ。愛は天から下界に降り注ぐもの。

 

5.あわれみの心を冥想する

他人の苦しみや悲しみを見て、それえを和らげるよう、あわれみの心を冥想する。

 

6.あわれみの心を注ぐ

充分に深くあわれみの心を冥想すると、生きとし生けるものすべての苦しみを和らげたいという決意と責任感が湧き上がる。そこで、すべての覚者に、それを祈る。また、自分の善行と修行のすべてを生きとし生けるものに捧げる。

 

こうして他者の痛みと苦しみを受け、自分の幸福と健康と心の平安を与える、トンレンと言われる行にとりくむことができる。

 ただし、ソギャル・リンポチェは、他人にあわれみといつくしみを送る前に自分自身に対して、それを行いなさいという。つまり自分自身が救われていなければ、他人にあわれみといつくしみを送ることはできないということ。

 つまり、まず自分が悟らなければ、トンレンの行は始まらない。

(以上参照:チベット生と死の書/ソギャル・リンポチェ/講談社P325-342)

 

大悟覚醒し、自分が既に癒されていないと、トンレンの行は成らないのだ。

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