アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

盤山宝積

2024-07-17 06:47:17 | 達磨の片方の草履

◎亡くなった人はどこに行く

 

唐の時代に中国禅で余りにも多くの悟った弟子を出したのは馬祖。その馬祖の孫弟子に当たる普化は、飛びぬけた聖者だった。その普化の師が盤山宝積。盤山宝積は馬祖にその悟りを認められている。

 

『ある時盤山が、托鉢して肉屋の前に立った。その時、一人の客が「精底(生きのいい肉) 一斤をくれ」と言うと、主人は庖丁を置いて「俺の店に腐った肉はないぞ」と怒鳴った。盤山は、かたわらにあってこの会話を聞いて、豁然として悟った。

 

また、一日門を出たら、葬式に出会った。坊さんが鈴を振って、「夕日(紅輪)は行く先を決めて西に沈んだが、まだ行く先が決まっていない、亡くなった人はどこに行く」と歌うと、遺族が声を揚げておいおいと哭泣した。盤山は、これを見ておのずから心身玲琅となり、欣喜雀躍して帰り、師の馬祖に話をすると、馬祖は莞爾として盤山の悟りを認めた。

 

これは、どちらも公案ではなく、悟りのきっかけのイベント。

最初のは、万物がすべて仏法ならざるはないことを見た。後のは、人の子に帰る場所はない

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 神聖なるものを抱きしめる | トップ | 牛の児を買う »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

達磨の片方の草履」カテゴリの最新記事