アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

13段観想から念仏へ-5

2022-11-13 19:28:11 | マントラ禅(冥想法7)neo

◎メイドインチャイナと道教

 

観無量寿経の想定している修行カリキュラムは、現世で輪廻転生の中であらゆる悲惨をなめるよりは、南無阿弥陀仏の功徳により、仏国土に一旦入って、そこで12大劫もの長い間、蓮の花の蕾の中で孤独に修行したほうが本人のためであるという判断があって、敢えてそれを勧めるものであった。

 

つまり現世での肉体での修行ではなく、霊界におけるアストラル体での修行を前提にしたものであるが故に、クンダリーニ・ヨーガの修行法の一つなのであると考えられる。

 

どうしてこのような妙なことになっているかというと、観無量寿経は、自分の子供に殺されそうになった貴婦人韋提希が、釈迦にお願いして教えてもらったという由来なのだが、観無量寿経の導入部には、韋提希がその子によって殺されそうになり、牢獄に幽閉された経緯が説かれて、ここで現世とは、人間の欲望による悪が支配する絶望的な世界であることか強調されている。

 

このエピソードは、

もともと韋提希と夫である頻婆娑羅王の間には子がなかった。占い師に相談したら、ある仙人が三年後に死に、その仙人が二人の子として転生すると言う。焦った頻婆娑羅王は、三年待たずに、早速仙人を殺してしまった。仙人はいまわの際に、この恨みは必ず晴らしてやると言い残した。

 

まもなく韋提希が身ごもった。頻婆娑羅王は、占い者に相談すると、生れてくる子は必ず父王を殺すことになるという。そこで父王は、韋提希に高楼で出産させることにした。

 

出産した後、その子阿闍世は、直ちに高楼より地上に投げつけられたが、奇跡的に小指の骨を折っただけで助かった。

 

阿闍世は、長じて父が自分を殺そうとしたことを知り、クーデタを起こし、父王と母王を牢獄に幽閉し、二人とも亡きものにしようとする。

(参考:仏教の思想Ⅱ/梅原猛/集英社)

 

中国浄土教の元祖曇鸞(476-542年)は、道教の修行中に、洛陽で菩提流支に邂逅し、観無量寿経を授けられた。道教の師匠は、陶弘景という当代随一の道者であった。

 

密教と言えば具象を冥想対象とした観想も特徴であるが、中国に仏教由来の密教が入ってきたのは7世紀後半頃ではないかと思う。観無量寿経はこれより1世紀以上も早く観想のシリーズを出してきている。

そして、観無量寿経には、梵語原文も見つかっていないし、密教の本場チベット語訳文も見つかっていないし、メイドインチャイナであるという疑いがあるとされる

 

そこで、これはひょっとすると道教の修行法にも連続的な観想カリキュラムがあってそれをヒントにして出してきたような可能性もあるのではないだろうかと思った。道教もクンダリーニ・ヨーガ系だし。

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