アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

錬金術の世界樹

2024-05-21 04:23:41 | ジェイド・タブレット外典

◎ジェイド・タブレット-外典-11-6

◎世界樹-4

◎その根は高く、枝は下に広がる

 

世界樹は、哲学の樹(アルボル・フィロソフィカ)とも呼ばれる。錬金術文書では、転倒した樹(アルボル・インウェルサ)とされ、上から下に成長し、樹冠が下に、根が上にある。この転倒した世界樹は、古代秘教的世界観から来るもので、神である根から世界が発出しているという見方に、人間からの見え方を加えたものである。

 

『ある錬金術の文書では、「鉱物の根は空に、枝は大地の下にあり、これを引き抜くと、恐ろしい音がして、大いなる恐怖が続く」と記されている。『世界の栄光』では、哲学者たちの言葉として「その鉱物の根は空にあり、梢は大地の下にあり」と述べられている。

(中略)

 

転倒した世界樹の数多くの例の中で最も有名なものは、『ウパニシャッド(奥義書)』にあるものだろう。樹の宗教的意味がアルボル・フィロソフィカのそれと似ている。

 

この宇宙は永遠に存在する樹であり、その根は高く、枝は下に広がる。

樹の純粋な根が梵であり、その中に三界(欲界と色界と無色界)が存在し、これを超越する者はいない。』

(ヨハンネス・ファブリキウス/錬金術の世界/青土社p229から引用)

 

悟っていない人間には、世界樹は根が下に枝が上に広がって見える。世界樹の根を目撃した瞬間に、世界樹の見え方はひっくり返る。世界樹の根は神であり、仏であり、タオであり、ニルヴァーナである。

 

この逆転した世界観こそ覚者の証拠である。悟った人が周辺に理解されないのはここに最大のキーポイントがある。

 

また霊が見えようが、ハイアーセルフと話ができようが、世界が逆さまに見えない人は本物ではない。タロット・カードの木から吊るされた男こそ、覚者の姿である。

 

更に、逆転のニュアンスはないが、ユダヤ教に世界樹のビジョンがある。それは、旧約聖書の創世記の生命の木である。生命の木はエデンの園の中央にある。エデンの園の東に、天使ケルビムと、回る炎のつるぎとを置いて、生命の木の道を守らせられた。これは、人が生命の木に至る道を保証し、その道を保護していることになるだろう。聖書のこの部分で、人には永遠に生きる道がある可能性をも示唆している。天使ケルビムは猿田彦みたいなところか。さまよえる魂を善悪立て分けて、行くべき相応の道を指し示す。

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