アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

下実上平

2023-09-04 07:52:09 | 浅い霊感から神人合一まで

◎中間段階におけるとある状態

 

クンダリーニ・ヨーギ本山博は、行をしたいという人に限って全然信仰を持っていない人が多いようであって、行法だけ習って神様の方に心の向いていない、信仰心のない人は、いけないと言う。(神秘体験の種々相/本山博P174)

 

神秘生理学的な人間の状態について「下実上平」はよいが、「上実下虚」はいけないとされる。本山博の説明はこんなかんじ。

『では、「下実上平」とはどういう状態かと言うと、まず、

「ムーラダーラのクンダリニーが十分に気、アストラル、カラーナの次元で活性化され、ムーラダーラ、ス ワディスターナに生命力が充実し、胸部、頭部は無いように羽毛のように軽く、明るく感じられ、呼吸が無 いように」なります。

ムーラダーラ、スワディスターナに生命力が充実するのには、結跏趺坐もいいが、やはりシッダアーサナがいいように思います。 会陰のところに踵を付けて刺激をするのがいいように思います。

それからよく尋ねられることですが(アメリカの学生とか弟子達というのは、そういう点は本当に恥ずかしげ もなく質問するのですが)、「自分は精力が強いので、それをコントロールしたいと思ってクンダリニーヨーガを始めたのに、坐るようになったらもっと強くなって困った。どうしたらいいだろうか」と尋ねられるのです。しかし、坐ったら、まず初めにそういうふうにならないとだめなのです。いつもよく皆さんに言うことですが、アジナの下垂体のところに意識を集めると、性的エネルギーを十分にコントロールできるようになる。しかし、まずムーラダーラとかスワディスターナの性的なエネルギーが十分動くようにならないと、モノにはならない。

ただ、それを低い、物理的な次元で出してしまったら性的エネルギーの浪費になってしまうが、そうしないで、それを周天法その他によって高い次元のエネルギーに変えることが大事なのです。そうしたら、十分にコントロー ルできるようになるわけです。「ムーラダーラのクンダリニーが十分に活性化される」というのはそういうこと なのです。

クンダリニーヨーガをしてクンダリニーを目覚ますのだから、初めはどうしても、クンダリニーの力が気の次元とか物理的な次元で性的なエネルギーとして動くわけです。それを今度は、周天法その他によって、スシュム ナを通して高い次元のものに上げなければなんにもならないのです、出してしまったのではね。高い次元のものに上げれば、アストラルとかカラーナの次元でクンダリニーが活性化され、そしてムーラダーラもスワディスターナも十分に、物理的な次元ではなくて、アストラルとかカラーナの次元で動くようになって充実してくるわけです。

物理的な次元だけで活性化されると、落ち着かなくなってしまう。これは自然に起きる現象だから仕方がないのです。そういうふうなことで落ち着かないようではどうにもならない。ですから、それをスシュムナの浄化法や周天法などによって、アストラルのものあるいはカラーナのものに変えていかないといけない。変えることができ、スワディスターナやムーラダーラがカラーナの次元で十分に動くようになると、今度は下腹に気力が充実して、光が出てきたり、非常に熱くなったり、そうしているうちにだんだん下腹部の方から外に自分の存在が滲み出ていくというか広がっていく。』

(神秘体験の種々相/本山博/宗教心理出版P176-178から引用)

※シッダアーサナは男性だけがやる。(密教ヨーガ/本山博P68)

※クンダリーニ・ヨーガは男性の行法

 

若い時分には、このアメリカ人の男性のような人は多いのだろうと思うが、神様のことが全く念頭になく行でこれをなんとかしようと思い立つのは不純な発想なのだろうと思う。

引用文は長いが、「出さないで」、スシュムナの浄化法や周天法によってそれをコントロールするというのが、広義のクンダリーニ・ヨーガであるクリヤ・ヨーガ、道教周天、古神道、チベット密教などに共通する原則なのだろうと思う。

「下実上平」とは、本山博の造語のようだが、究極を指し示す言葉ではない。クンダリーニ・ヨーガに取り組むには、神様への関心とか信仰心という一見簡単な条件が必要条件として説明されているが、実は人生すべてを賭ける覚悟がないとできるものではなく、またそれを成就させるためには正師に出会わなければならない。

また正師に出会っていたとしても、自分の側に覚悟と準備が無ければ、魏伯陽の弟子達のように修行をあきらめさせられることがある。

コメント
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