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健康診断

2006年10月20日 | 健康・病気
私の勤務する作業所では年に2回健康診断をする。
食品を扱っているからです。
私は、前回の春には人間ドックに行ったので、
作業所としては健康診断をしていない。
作業所は毎日仕事があるので2日にわけて交代で病院に行く。
水曜日に私は、6人を送迎車に乗せて近くの病院に引率した。

ラジオもつけない送迎車の中でひとり喋り続けているKくん。
他の通所者は黙っている。
20分ほどで病院に到着。
私は車イスのリフトを動作させYさんを降ろす。
彼は知的障害者ではない。
小児麻痺で車イスの生活をしている。

自閉症のKくんは、一番先に車を出て
常に喋り続けながらその辺をさまよっている。
最近は、お笑い芸人のことが中心になっている。

私は、全員の尿を持って先頭を歩く。
今回は検便はないようだった。
当然、最後尾は37歳のダウン症のSくんだ。
太っていてすべてのことの動きがスローなのです。

受付をすませ、私たちは内科の部屋の前で待機した。
静かな病院の中でもKくんは話し続けている。
私はほっといた。
「黙って!」といったって、彼は話すことをやめはしない。

最初に血圧を測るように女性の看護師
(看護婦と書けばいいのか)にいわれた。
みな神妙な顔をしてトンネルのようなところに腕を入れていた。
次は、身長と体重測定だ。
細い角柱に背中を合わせてプレートの上に乗っていると、
上から角柱についた板が降りてきて頭の上で止まる。
これで終わる。簡単になったものだ。
不思議そうな顔をしていたSくんが可笑しかった。
みな靴を履いていたのに、彼は靴と靴下を脱いでいた。
やはり太っていることを気にしているのか。
少しでも体重を減らそうと彼なりに“努力”している。

医者の診察が終わって、健康診断は終了した。
みなに帰るようにいうと、Sくんがいない。
探すと血圧計のトンネルに腕を突っ込んでいた。
「Sくん、もうそれはいいんだよ」
「ボクはこの紙が欲しいんです」
血圧計から出てきた記録紙を大切そうに持って、Sくんは病院を出た。
翌日Sくんは、その紙を嬉しそうに私に見せてくれた。
きっと家に帰って、お母さんにも見せたのだろう。


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