九想の木

2001年06月01日 | 友人

久しぶりに楽家に行った。
表からガラス戸越しに中を見ると、
カウンターの中にママがいた。
マスターの姿が見あたらない。
バイトのN子さんがいたので、
マスターは休みだと分かった。
マスターは、マンガを描くためにお店を休む。
マスターはある雑誌に4コママンガを連載している。
そのときにN子さんが来る。
私は、マスターがいるときは
ほとんど彼と話している。
お客とはあまり馴染みがないので話さない。
(お金がないので、
 頻繁に行けないからしょうがない)
九想は、初対面とかそれに近い人とは、話せないんです。
今はしないが、昨年ぐらいまでは、
必ず本を持って行った。
話す人がいないので、
本でも読んでるしかなかったのだ。

今日もカウンターの隅っこで
さびしく飲んでいた。
すると、カウンターの遠くのほうから、
「Oさ~ん、九想庵見ましたよ」
と声がした。
見るとSさんだった。
彼は、九想話「らくやの花見」に
登場したSさんです。
それからときどき、
遠くからSさんが話しかけてくれた。
さびしがりやの私はうれしかった。

Sさんは仕事関係の人と来ていた。
席が空いたので近くに移った。
そのうち、Sさんの相手が帰った。
私は、Sさんの隣に坐った。
いろいろ話しているうちに、
くすの木の話になった。
「私はくすの木が大好きなんです。
 いせおいがよくていいんです」
「おれ、くすの木ってどんな木が分からないなァ」
「この近くにもありますよ」
話聞きながら私は頭の中で、
「くすの木」と「くそうの木」は語感がにているな、
なんて思った。
「くすの木」はいきおいがいいのだろうが、
「くそうの木」は、いつも落ち込んでいる。
いや、そのうち威勢のいい「九想の木」に
なってやろうじゃないか。
なんてこと、アルコールが回ってきた頭で考えた。

 

コメント
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