国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

北朝鮮が10月3日に核実験実行宣言を行った理由は何か?

2006年10月04日 | 韓国・北朝鮮
●北朝鮮外務省「核実験する」 2006.10.03 19:16:37 中央日報

 北朝鮮外務省は3日、声明を通じて「朝鮮民主主義人民共和国科学研究部門ではこれから安全性が徹底的に保証された核実験をする」と明らかにした。外務省は続いて「朝鮮民主主義人民共和国は絶対に核兵器を先に使わず、核兵器を通じた脅威と核移転を徹底的に許さない」とした。また「朝鮮民主主義人民共和国は朝鮮半島の非核化の実現と世界的な核軍縮、終局的な核兵器撤廃のため努力する」と明らかにした。外務省はこの日「米国の反共和国孤立圧殺策動が極限点を越え、最悪の状況となっている諸般の情勢下で、我々はこれ以上事態の進展を手を拱いていることはできなくなった」とし「朝鮮民主主義人民共和国外務省は委任によって自衛的戦争抑止力を強化する新たな措置を取ることについてこのように厳粛に明らかにする」とした。
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=80477&servcode=500§code=500



●潘基文長官、国連事務総長に事実上内定 2006.10.03 18:33:23 中央日報

 潘基文(パン・ギムン)外交通商部長官が2日に実施された国連事務総長選出第4回予備投票で拒否権を持った5常任理事国を含み、14の安保理理事国から支持を得て1位となったことで待望の事務総長が目前に迫った。潘長官はこの日の投票で6人の候補のうち唯一、常任理事国の反対票がない圧倒的支持を確保した上、ライバルであるインドのタルール候補が開票の後に候補を辞退、潘長官支持を表明することで9日に予定された安保理公式投票で異変がない限り、事務総長候補に選出されることが確実視されている。
3回予備選挙ですべて勝利した潘長官は次期事務総長選出の最大の節目とされたこの日の第4回投票で、15理事国のうち5常任理事国を含み14カ国から支持を得たが、1カ国棄権した。 国連外交官らは特別なことがない限り、潘長官が事実上国連安保理の事務総長単独候補として確定、国連総会に推奨される可能性が高くなり、韓国人初の国連事務総長の誕生が間近になったと分析した。ワシントンのある高位外交消息筋は「まだ完全に決定ではないが、もし潘長官が新しい事務総長に最終確定すれば韓国外交史に新たな扉を開く快挙になる」とし「韓国の国家信任度にも大きなプラス効果をもたらす」と歓迎した。
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=80473&servcode=200§code=200



●日中会談:「8日」日本が打診 中国受け入れ後、訪韓提案 2006年10月4日 3時00分 毎日新聞 

 韓国に対しては安倍首相が9月28日、韓国の盧武鉉(ノムヒョン)大統領に電話をかけ、首脳会談再開で一致した。日本側は8日訪中を前提に7日訪韓を打診。7日は韓国の秋夕(旧盆)で休日のため訪中後の9日に訪韓する日程が固まった。盧大統領も参拝自粛を求める姿勢をとっていたが、「訪中とセットなら韓国は断れない」との日本の読み通りとなった。
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20061004k0000m010144000c.html



●日本海南西部における放射能調査の日韓共同実施について  平成18年9月29日 海上保安庁
http://www.kaiho.mlit.go.jp/info/kouhou/h18/k20060929/n060929.pdf






【私のコメント】
 10月8日の日中首脳会談は、中国の反日政策放棄を伴う日中関係の劇的な改善を演出するものになるだろう。中国は自国の不動産バブルや大学生の就職難、米国バブル崩壊危惧などで危機的状況にあり、日本との関係改善は差し迫った問題となっている。そして、10月9日の日韓首脳会談もまた、韓国の反日政策放棄を伴う日韓関係の劇的な改善を演出することだろう。日中関係の変化という根拠は、韓国政府の国民に対する説得材料としては十分だ。逆に言うと、日韓首脳会談は日中首脳会談の後に行われる方が韓国としては望ましいと言うことだろう。
 更に、10月9日(日本時間では10月10日か)にはニューヨークの国連本部で事務総長選挙が行われ、韓国の潘基文外交通商部長官が事務総長に選出されることがほぼ確実視されている。日米中露という四つの超大国に囲まれた韓国という小国が生き延びる為には、国連事務総長のポストは非常に有用なものだ。10月8日からは竹島周辺海域での日韓共同での放射能調査も予定されており、竹島問題という韓国にとっての最大の難関を軟着陸させることが期待できる。将来の日露間での北方領土問題の解決を待って、韓国も自国民に竹島問題で日本に譲歩せねばならないことを説くつもりなのだろう。

 このように、10月8日以降の東アジアでは中国と韓国が生き残りをかけた劇的な政策転換のスケジュールが存在する。特に、小国でありながら日米中三カ国との関係が悪化し国家存亡の危機的状態にあった韓国政府はこの政策転換成功に総力を注いでいると考えられ、10月8日・9日が無事に訪れることを祈っていることだろう。この韓国の政策転換が北朝鮮・中国・日本にとってどのような意味合いを持つかについて考察してみたい。


1.北朝鮮:
 北朝鮮の視点から見ると、中国と韓国の反日政策放棄は北朝鮮の外交的孤立=滅亡を意味するものであり決して受け入れられない。また、韓国の国際的地位向上は近い将来北朝鮮が韓国の保護国化することを意味し、現在の北朝鮮政府の指導階層は大部分が失脚するだろう。全羅道や済州島の住民が強い差別を受けていることからもわかるように韓国は地域差別の非常に強い国家であり、韓国が北朝鮮を保護国化することは北朝鮮国民が韓国にとって全羅道や済州島の住民より更に地位の低い不可触選民的位置づけとなることを意味する。それは北朝鮮国民にとっては耐え難いことである。北朝鮮の指導階層の利益、国民全体の利益を考えるなら、朝鮮半島統一は北朝鮮政府が主導権を握る形で行われるべきであり、その為には韓国の弱体化が必須である。

2.中国:
 中国の視点から見ると、韓国が先進国としての国力を持ったまま高い国際的地位を手に入れ、北朝鮮を保護国化して半島を事実上統一するならば、それは中朝国境を越えた間島地域の朝鮮系少数民族の分離運動を即座に引き起こすことになる。また、満州地区では先進国である韓国への求心力が働き、日露戦争後の日中関係の様に満州が韓国の勢力下に置かれることになる。地政学的観点から見て、半島国家である韓国にとっては、半島の付け根である満州を支配することは自国の安全保障上絶対に必要であり、満州を支配下に置いて初めて韓国は中国と対等の国家として存続可能となるのだ。半万年の属国の歴史から脱却したいという韓民族の夢が実現されることは、中国が満州を韓国に奪われることに直結するのであり、決して容認できないものである。

3.日本:
 日本の視点から見ると、韓国はかつて日本の一部として中国侵略や大東亜戦争に参加したにも関わらず、戦後は一転して被害者であると叫び続け日本に謝罪と賠償を要求し続けた裏切り者であり、道義的に決して許せない国家である。また、韓国は日本の技術を盗んで自国内で特許として登録しており、その様な国家が今後も存続することは日本の知的財産権の面からも容認できない。韓国の産業は造船・鉄鋼・自動車・半導体・液晶などの分野で日本と激しく競合しており、近い将来の米国バブル消滅に伴う世界的な工業製品の過剰生産を日本が切り抜けるためには、韓国の製造業が何らかの理由で操業不能となり生産能力が低下することが必要であると思われる。もし韓国の製造業の生産能力が存続するならば、その代わりに日本の製造業が消滅することが必要になってくるだろう。それは、日中間の核戦争による日本の消滅という形式で起こるであろう。ユダヤ金融資本はそのシナリオを成功させて大儲けすることを昔から計画してきたと考えられる。



4.まとめ:

 以上をまとめると、北朝鮮・中国・日本のいずれにとっても韓国という国家の存続は決して有益でない。特に北朝鮮と中国にとっては死活問題であるし、日本にとっても韓国の製造業の過剰生産が解決されることが強く望まれる。そう考えると、一見相互に対立している様に見えるこの三カ国が国益の一致から韓国の国際的地位向上を阻害する為に協力することは当然とも言える。

 国際連合の事務総長は、戦争等の国際紛争の当事国からは選出できないという決まりがあるらしい。北朝鮮の地下核実験計画問題は国連の安保理に乗せられており、核実験がもし実行されると分断国家の片割れである韓国は事務総長選で苦しい立場となる。同民族の北朝鮮問題すら解決できなかった韓国の外務大臣には、国際紛争を解決する事務総長としての適性に大きな疑問符がつくことであろう。

 北朝鮮が取りうる核実験の他のシナリオとしては、日本の離島や無人地帯へのミサイル発射(弾頭は通常兵器)というものも考えられる。通常弾頭のミサイルが着弾した地域が無人地域ならば日本に実害はないし、日本が憲法第9条の縛りを破って国土防衛のための軍事行動を行う根拠になりうる。北朝鮮が主導権を持って朝鮮半島を統一する場合、日本が中国に対抗できる十分な軍事力を持つことは朝鮮半島国家の安全保障に非常に有益である。日本が軍事的に弱体ならば、朝鮮半島国家は日中間の緩衝国になれず、中国の属国になるしかなくなる。

 米英を中心とするユダヤ金融資本は短期的にはこの混乱で儲けることが出来るので、在韓米軍を巻き込まないという条件で北朝鮮の行動を容認する可能性もある。ただ、韓国の弱体化や北朝鮮主導の統一は将来的にはアヘン戦争以前の様な平和な東アジアをもたらす可能性が高く、儲けの機会を失うことからユダヤ金融資本は北朝鮮の行動を妨害する可能性もある。

 北朝鮮が陸上国境で接する韓国・中国・ロシアとの間で軍事紛争を起こすという選択枝は北朝鮮の破滅に直結するし、在韓米軍をもつ米国、中国、ロシアは戦争を歓迎しないと思われるので可能性は低いだろう。

5.結論:

 北朝鮮は韓国の対日政策転換や国連事務総長選の妨害の目的で地下核実験又は日本の無人地域への通常弾頭ミサイル発射を行う可能性がある。日本と中国は自国の国益の観点からこれを容認ないし支援する可能性もある。もし起きるならば、日本時間10月10日の国連事務総長選挙以前に起きるだろう。






【10月4日夜追記】
●ロシア艦艇、舞鶴初入港  4隻が6日に海自と救難訓練


舞鶴港に初入港したロシア海軍の大型対潜艦(午前8時50分ごろ、舞鶴市北吸・海自隊岸壁)
 ロシア太平洋艦隊任務部隊(司令部・ウラジオストク)の大型対潜艦やディーゼル潜水艦など4隻が2日朝、舞鶴港に入港した。6日に京都府京丹後市沖の若狭湾で行う海上自衛隊との日ロ捜索・救難共同訓練に伴う寄港で、ロシア海軍の艦艇の舞鶴入港は今回が初めて。

 4隻は午前9時ごろから大型対潜艦「アドミラルパンテレーエフ」(7300トン)を先頭に海自隊北吸岸壁(舞鶴市北吸)に着岸。計約520人の乗組員を海自隊関係者や市民ら約400人が出迎えた。

 岸壁での歓迎行事で泉徹・舞鶴地方総監は「今回の入港で、両国の友好関係がより強くなると確信している」とあいさつ。ロシア側指揮官のチルコフ・ヴィクトロヴィッチ中将は「今年は海自隊との交流が始まって10年の記念の年。海自隊の人と知り合い、日本の歴史や文化に親しみたい」と述べ、花束を贈られた。

 ロシア海軍と海自隊との共同訓練は通算8回目。4隻は6日朝まで同岸壁に停泊し、3、4両日の午後2時-4時には一般公開も行われる。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006100200081&genre=A1&area=K10


●ロシア連邦海軍艦艇の訪日に対するホストシップの派出及び、日露捜索・救難共同訓練の実施について

 海上自衛隊は、次により、ロシア連邦海軍の訪日に伴うホストシップの派出及び、ロシア連邦海軍との捜索・救難共同訓練を実施します。

1 ロシア連邦海軍艦艇の訪日に対するホストシップの派出


(1) 期 間
   平成18年10月2日(月)~10月6日(金)
(2) 寄港地
   舞 鶴
(3) 訪日海軍艦艇等
   指揮官:海軍少将 チルコフ ヴィクトル ヴィクトロヴィッチ
   艦 艇:大型対潜艦(BPK)「アドミラル パンテレーエフ」
       ディーゼル潜水艦(DPL)「B-345」
       小型対潜艦(MPK)「ソビエツカヤ ガヴァニ」
       救助用タグボート(SB)「SB-522」
(4) ホストシップ等
   指揮官:第3護衛隊群司令 海将補 宮崎 行隆(みやざき ゆきたか)
   艦 艇:護衛艦「はるな」、「しまかぜ」 人員約400名

2 日露捜索・救難共同訓練

(1) 期 日
   平成18年10月6日(金)
(2) 訓練海域
   若狭湾北方海域
(3) 訓練統制官
   ア 海上自衛隊:第3護衛隊群司令 海将補 宮崎 行隆(みやざき ゆきたか)
   イ ロシア海軍:海軍少将 チルコフ ヴィクトル ヴィクトロヴィッチ
(4)参加部隊
   ア 海上自衛隊:護衛艦「はるな」、「しまかぜ」
             掃海艇「とびしま」
             P-3C×1機
   イ ロシア海軍:大型対潜艦(BPK)「アドミラル パンテレーエフ」
             小型対潜艦(MPK)「ソビエツカヤ ガヴァニ」
(5) 主要訓練項目
    捜索・救難訓練等

3 その他

 ロシア連邦海軍との捜索・救難共同訓練は、今回で8回目となります。
http://www.jda.go.jp/JMSDF/info/news/18news/18092601.html


●日露防衛交流として軍艦の相互訪問がここ10年程毎年欠かさずに行われています。

日本→ロシア  地名は入港地
96、98、03、05  ウラジオストク
00        ペトロパブロフスク・カムチャツキー
05        サンクト・ペテルブルク(クロンシュタット)

ロシア→日本
97   東京
99、02 横須賀 
01   佐世保
04   呉
http://www.rosianotomo.com/bbsvce/vceboard.cgi?mode=res&no=25603



【私のコメント】
10月6日の露海軍・海上自衛隊による捜索・救難共同訓練は若狭湾沖で行われるとのことです。北朝鮮核実験問題と時期が重なったのは偶然でしょうか?
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3 コメント

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Unknown (「心に青雲」主宰者)
2006-10-04 17:21:31
 貴ブログで、小生のブログ「心に青雲」をご紹介いただき、ありがとうございました。

 この北朝鮮問題を扱った項、初めて拝読させていただきました。すばらしい読みですね。感嘆しました。

 また別項も読ませていただきます。
返信する
Unknown (Unknown)
2006-10-05 01:37:20
問題国家の韓国を

密かに処分するシナリオに

中国・ロシアも乗って来ている?







返信する
Unknown (Unknown)
2006-10-05 02:25:28
59 暮れなずむ株屋の知人 ◆uc.NPGBgJ. 2006/09/30 02:01:43 ID:qs6yimPs

>>54,56,58

あくまでウリが把握している範囲の話ニダが、

飴は「わかりやすいアホ」か「改革を進めるリーダー」のどちらかにしたいと考えているニダね



で、後者の適任者がなかなかいないニダ



そこで前者にして、国連の権威低下を狙う案がかなーり本気で論じられてるらしいニダ

特に中間選挙後、来期の大統領選を見据えて、

いろいろな思惑があるみたいニダね



漆器としては「ちょwwwおまwwww」って感じニダが、

曇る日もある、ということで覚悟しておくべきかもしれないニダよ ('A`)

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