国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

2020年の日本の温室効果ガス排出量を1990年比で25%削減する計画は何を意味するか?

2009年09月09日 | 常温核融合・重力遮蔽・生物兵器などの超先端科学技術
●「信じがたい」「荒唐無稽」=鳩山代表の「25%減」に産業界 2009/09/07 時事通信

 民主党の鳩山由紀夫代表が7日、2020年の日本の温室効果ガス排出量を1990年比で25%削減する同党の目標を堅持する考えを表明したことに、産業界から困惑や懸念の声が相次いだ。
 日中経済協会の訪中代表団に参加している新日本石油の渡文明会長は同日、北京市内のホテルで記者団に「にわかに信じがたい。真意を確かめたい」と述べ、鳩山代表が大幅な削減目標を国際公約しようとしていることに懸念を表明。別の大手企業トップも「せっかく景気が戻ってきているのに」と困惑の表情を浮かべた。
 また、訪中団団長の三村明夫新日本製鉄会長は「国民生活、経済界にとって大事な案件。しっかり議論して結論を出してもらいたい」と慎重な対応を求めた。
 神戸商工会議所の水越浩士会頭(神戸製鋼所相談役)は記者会見で、「荒唐無稽(むけい)もいいところだ」と批判。「国益に反するのは間違いなく、(国内では)生産活動ができなくなる」と述べ、この案を推進すれば生産拠点の海外移転が加速するとの見通しを示した。
 一方、日本鉄鋼連盟の宗岡正二会長は、鳩山代表の発言について「(米国や中国など)すべての主要国参加による意欲的な目標の合意を『前提』とした点は、鉄鋼業界と共通している」と指摘。その上で「国際交渉ではその姿勢を堅持し、公平かつ実効性ある枠組みづくりに全力を尽くしてほしい」と強調した。 
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009090700552





●「国民、経済に厳しい道」民主の温室ガス削減目標で経産次官 2009.9.7 産経新聞
 経済産業省の望月晴文事務次官は7日の記者会見で、民主党の鳩山由紀夫代表が温室効果ガス排出の削減目標をめぐり「1990年比25%削減を目指す」と明言したことについて、「日本国民、日本経済にとって非常に厳しい道を選ぶという覚悟が必要だ」と述べ、目標達成には困難が伴うとの見方を示した。

 インドで開かれた世界貿易機関(WTO)の非公式閣僚会合で、交渉促進に向けた次官級会合をジュネーブで開く運びになったことには「交渉を加速する観点から、大変重要で歓迎すべきことだ。日本も積極的に参加していきたい」と語った。
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/090907/env0909071704001-n1.htm





●温室ガス削減「産業界にもプラス」鳩山氏 2009.9.7

幹部会を終え、報道陣の質問に答える民主党の鳩山代表=7日午後6時28分、東京・永田町の党本部 民主党の鳩山由紀夫代表は7日夕、温室効果ガスを2020年までに1990年比で25%削減するとの目標を表明したことに関し「世界的な流れだ。リード役を務めることが日本にも産業界にもプラスになる」と理解を求めた。党本部で記者団の質問に答えた。

 同時に「日本だけが責めを負う話になってはいけない」と述べ、国際的枠組みへの米国や中国などの参加が前提との考えを重ねて強調した。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090907/stt0909072136016-n1.htm






●07年度の温室効果ガス排出量は1990年比9.0%増、環境省が確定値を取りまとめ 2009年5月1日 日経BP

 環境省は30日、2007年度の温室効果ガス排出量(確定値)を取りまとめた。
 その結果、総排出量は二酸化炭素に換算して約13億7400万t。2006年度(約13億4200万t)と比較して約2.4% (約3200万t) の増加で、京都議定書の規定による基準年(主に1990年)に比べると約9.0%上回る。
 あわせて、京都議定書に基づく吸収源活動の排出・吸収量を算定したところ、2007年度は約4070万t(うち森林4000万t、都市緑化等70万t)の吸収となった。これは、基準年総排出量の約3.2%に相当する(日経エコロジー編集)。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20090501/150421/





●三菱重工 先進技術研究センター|Pd多層膜の重水素透過による元素変換の観測

社会的にパラダイムチェンジを引き起こす潜在力

(1)学術的波及効果
物性物理と核物理という異分野が融合した、フロンティア領域の学問分野を創成


(2)工学的/社会的波及効果
A:日本で産出しない戦略的貴重元素の生成
産業に不可欠だが輸入依存度の高い貴重元素(白金等)の創成
B:有害元素の変換処理
医療用・発電用放射性廃棄物処理による社会負担軽減
C:新エネルギー源
化石燃料の百万倍(原子炉相当)のエネルギー獲得
http://www.mhi.co.jp/atrc/project/pdtamakuso/index.html






【私のコメント】
民主党の鳩山由紀夫代表が7日、2020年の日本の温室効果ガス排出量を1990年比で25%削減すると明言した。2007年時点で1990年より9%排出量が増加していることから、2007年と2009年が同レベルと仮定すると、2020年までの11年間に31.2%の削減が必要になる。常識的に考えればこのような大幅な削減は不可能である。鳩山新首相の意図は何だろうか?

この答えは、常温核融合(核変換)の実用化以外にはあり得ないだろう。核変換はエネルギー源としての利用法もあるが、現時点ではそれよりも核変換による放射性廃棄物処理が重要であると思われる。三菱重工の岩村博士がセシウム→プラセオジウム、ストロンチウム→モリブデンの核変換の反応システムを確立させており、これが実用化される事のメリットは非常に大きいからだ。エネルギー源としての核変換は、ウランが枯渇するまでは実用化を急ぐ必要もなく、先延ばしにされる計画なのかもしれない。

核変換を利用することで、放射性廃棄物の心配なしに原子力発電を行うことが出来るメリットは非常に大きい。今後暫くの間は全世界で原子力発電所の建設ブームが起こるだろう。三菱重工・日立・東芝は外資と組んで原発建設に参入しており、大きな利益を挙げることが期待される。日本でも、発電量の大部分が原子力になり、火力はピーク時の電力を支えるためのものに変わっていくだろう。また、プラグイン-ハイブリッド車や電気自動車が普及して、自動車からの二酸化炭素排出も激減すると思われる。このような変化により、30%を越える二酸化炭素削減は十分可能であり、かつ、日本企業の繁栄も生み出すことになるだろう。

核変換の他にもう一つ重要なのが、ロシアのサハリンからのパイプライン輸送による天然ガス供給である。天然ガスは石油や石炭よりも炭素の含有割合が低いので、二酸化炭素排出抑制に利用できるのだ。従来は日本の天然ガスはLNGだけだったが、よりコストの安いパイプライン輸送のガスを導入することで、供給源の多角化も行える。既に日本国内でも列島を縦断するパイプラインの計画が進んでいるが、このパイプラインをロシア産ガスが流れる日も近いと思われる。




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12 コメント

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常温核融合?夢の技術では無いと思います。 (メタルヘッド)
2009-10-03 20:59:14
CO2を排出はしないだろうけど、みなさん熱力学の第2法則はご存知ですよね。熱汚染はどんなテクノロジーでも解決できません。エネルギー源が何であろうが、結局世界70億人が先進国のように毎日シャワーを浴びて、清潔な環境で暮らし、テレビやPCを好き放題眺めて、毎日あちこち移動するような生活をしたら地球は熱地獄になります。
返信する
補足 (通りすがりの)
2009-09-21 02:53:40
しかも、わざわざ1990年比にしてるところが何とも姑息じゃありませんか?
返信する
どうですかね (通りすがりの)
2009-09-21 02:52:38
一方で、鳩山内閣は最先端技術の研究費2700
億円を凍結も含めて再検討することを表明していますが…
しかも常温核融合なんて、本当にできるかどうかもわからないことをあてにして、
国連で正式表明するなんて馬鹿としか言いようもありません。
しかも、日本の省エネ技術を無償で供与するとも言ってますし。
自国の技術進歩を停滞させて、他国の技術を引き上げる。
これに何の意味があるのでしょう?
返信する
組閣について (読書貧乏)
2009-09-17 00:39:04
王子様。民主党が分裂しなくても、
三党連立でアメリカ崩壊の大恐慌を
乗り切っていけるのではないでしょうか。
小沢-亀井連合が山だと思います。

副島隆彦氏が言うように日本の存亡は
小沢氏が、あと三年間生きるかどうかに
かかっていると思います。
返信する
Unknown (うろこ)
2009-09-13 15:48:04
http://www.youtube.com/watch?v=yNRjPWAJuMI&feature=related

H2B初号機打ち上げ成功。

この時期に打ち上げたのは、何か意味があるんでしょうか?・・・
返信する
Unknown (Unknown)
2009-09-12 11:33:14
原子力なんて要らない!!
常温固体核融合だ・・・・・

これをやられては困るんのがその彼等だ!?
返信する
もう一つの視点 (名無しの経営者)
2009-09-12 08:36:10
2006年09月30日、米連邦取引委員会FTCが前日の29日に、東芝による米原子力発電大手ウエスチングハウスの買収を承認したことを発表したと言う記事が書かれていました。
ーーーーー
東芝のウエスチングハウス買収、米連邦取引委員会が承認するhttp://jp.ibtimes.com/article/biznews/060930/1191.html
ーーーーー
06年当時、東芝や日立が、米国の原子力メーカーを買収しましたが、原子力産業を日本に売り渡すような行為は、米にとって戦略上、問題があるのではないかと考えていました。しかしそれを米連邦取引委員会が許可していたことになります。圧力容器が実質的に日本しか作れないことが、この買収に繋がったのであろうと当時小生は考えていました。ところが米はもっと別のことを考えていたようなのです。

それは小型原発の熱発生器であり、動きは早く、もう実用化が進んでいます。
ーーーーー
米社、物置サイズの小型原子力発電機の営業活動を開始2008/11/12 19:14 http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200811121914
ーーーーー
ハイペリオン・パワー・モジュールは高さが3メートル弱の円柱状の形をしたもの。米ロスアラモス国立研究所の技術民間移転計画の元で同研究所のピート・パターソン(Pete Peterson)博士が中心となって開発が進められてもので、その後、この技術は米国政府によってハイペリオン社にライセンス提供されて商用化が進められていた。

ハイペリオン・パワー・モジュールの場合、商用原子力発電施設では必須の炉心冷却のため循環冷却系や発電のためのタービン装置といった機構部分は組み込まれてはおらず、会社側ではまったくのメインテナンスフリーで2万世帯分の電力消費量に相当する25MWの電力を5年間に渡って供給することができると述べている。

ハイペリオン社では2013年から2023年までに3つの生産工場を使って約4000基のハイペリオン・パワー・モジュールの生産に着手することを予定しており、100基分に関しては既に工業用として国内外の顧客向けに販売契約を結んだ模様だ。

ハイペリオン・パワー・モジュールの価格は1基あたり2500万ドル(約25億円)。1万世帯を有する小規模な町が導入した場合、1世帯あたり5年で2500ドル(約25万円)、1年換算では500ドル(約5万円)を支払うだけで必要な電力の全てをまかなうことができる計算となり、ハイペリオン社では省エネで地球温暖化をもたらすCO2の排出しないエコなエネルギー手段としてこの小型原子力発電機の導入を積極的に売り込んでいる。
ーーーーー
日本は、世界一省エネ化が進み、エネルギー効率世界一です。それが90年比25%もの温暖化ガスを削減するためには、鉄鋼や化学等のエネルギー多消費産業を廃業する以外不可能であると言われています。

職を失う可能性が高い労働組合の幹部が、政権の中枢に居るのですから、この情報は入っているはずです。本来彼等は、大騒ぎして鳩山発言を無効にしなければいけないはずです。ところが、無関心を装っています。実に不可解です。
ーーーーー
小生は、米が、旧来の原子力産業を高値で日本企業に売り抜け、米は既に小型原発を開発し、もう商品化しており、後は売るだけという状態にしていたのではないかと考えています。

温暖化ガス削減と、ドル安は、米に小型原発販売の好機を提供するはずです。princeofwales1941さんの案は、まだ実用化の話は表面化しておらず、今のところ日本にとっては、切り札とはなり得ないのではないでしょうか。

むしろ日本マスコミと、米が組んで作り上げた政権交代作戦が上手く機能し、鳩山発言を引き出したというべきだと考えます。米はにしきりにインド洋上給油を続けるべきだなどと鳩山政権を揺さぶるような発言を繰り返していますが、これは米のアリバイ作りだと思います。
返信する
ほかの考え方 (面白い発想だが)
2009-09-10 23:50:22
面白い解釈ですが、ほかの考え方も。
ジャパンハンドラーズ氏がこの件を書いています。

「友愛その1=環境連帯税:新エネルギー秩序と安全保障のバーター」
http://amesei.exblog.jp/10200693/

>世界の支配層は、ブッシュ政権の石油と結びついた戦争政策(テロの脅威)から、「温暖化の脅威」をテコに、地球を統合しようという戦略に転換しており、その決定事項を実行するのが、次の民主党政権であるということだ。

>これに逆らうことはできるのだろうか。日本は、日米安保を締結して安全保障を「ただ乗り」したが、今度は温暖化対策では、「ただ乗り」ではなく、自己犠牲路線で行くらしい。

この新国際秩序は国際金融資本の陰がちらつきますが、核変換による放射性廃棄物の処理であればこの路線とはぶつからないメリットがあります。

また、管理人氏の路線にもあてはまりますが、連山などがいう水素文明を導入しようということで、燃料電池など既存技術を推進しようということも考えられます。この場合に水素の坦体としては天然ガスが考えられます。天然ガスの供給源としてはロシアが有力です。民主党政権で対ロシア政策が大きく変わる可能性もあります。

もう少し辛辣な言い方をすれば、今後予想される大恐慌での経済は現在より3割以上縮小することは折り込み済みということかもしれません。どうせ経済が縮小するならば今のうち言っておこうということでしょうか。中田氏のいう自己犠牲ではなく、既定路線ということになります。

様々な新国際秩序をにらみながら意外と選択肢は広いような気もします。
返信する
princeさまへ (うろこ)
2009-09-10 18:36:12
ご返事ありがとうございました。

>私のコメントは全て私の想像によるもので、確たる証拠はありません。真実かどうかは、貴方自身が確かめて下さい。

そうします。色々ニュースを調べるだけでも、みえてくるものがありますね。

返信する
Unknown (Unknown)
2009-09-10 07:06:26
「(米国や中国など)すべての主要国参加による意欲的な目標の合意を『前提』とした点は、鉄鋼業界と共通している」

要するに、絵に描いたもちですよ、これ。
米国や中国は乗ってきません。
鳩山さんは、あくまでも、これらの国が乗っての目標ですから、日本は頑張ろうとしているというポーズを示したのに過ぎません。
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うろこさんへ (princeofwales1941)
2009-09-09 22:14:27
>しかし鳩山氏は本当にこれを見越しての発言なんですか?

私のコメントは全て私の想像によるもので、確たる証拠はありません。真実かどうかは、貴方自身が確かめて下さい。

>princeさまは一体何者で、どこから情報を得てらっしゃるのでしょうか?

私は一庶民で、情報源は全て公開ソースです。
返信する
Unknown (うろこ)
2009-09-09 15:04:19
princeさま、更新いつも楽しみにしております。
日本国内では、この鳩山氏の25%削減発言に対して批難轟々です。今までの常識で考えれば、誰でもそう思います。三菱の岩村教授の件など、知らない人がほとんどですから。しかし鳩山氏は本当にこれを見越しての発言なんですか?princeさまは一体何者で、どこから情報を得てらっしゃるのでしょうか?他のブログ等では、日本壊滅だと大騒ぎしていますのに、ここのブログを見て少々頭が混乱しております。
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