■ イスラエルで45万人デモ ■
中東の春は、イスラエルにも飛び火したようです。
「イスラエルで史上最大デモ、45万人超が生活費引き下げなど要求」
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-23020020110905
イスラエルはインフレが進行している様で、
生活費の高騰から45万人規模のデモが発生しているようです。
デモの要因としては、周辺の中東諸国と同様で、
結局、「もっとパンを」という事が
古今東西を問わず民衆蜂起の最大のパワーとなる様です。
記事では他の中東諸国同様、
ネットの扇動によってデモが拡大したと報じています。
ここら辺はチョット怪しいと考えた方が良いでしょう。
原因はともかくとして、
これだけのデモを組織するのですから、
「影で動いている者」の存在を仮定しておいた方が懸命です。
では、何故この時期にイスラエルなのか?
■ 内政の不満を外交に転嫁するのか? ■
イスラエルに限らず、世界の多くの国々は
内政の不満が高まると、国民の目を内政から逸らす為
外交問題、特に近隣諸国との緊張の高まりを演出する傾向にあります。
イスラエルには多くの右派勢力がおり、
国民の中にも対アラブ強硬派が沢山居ます。
彼らは、ヒズボラやハマスのイスラエル攻撃に過敏に反応します。
穏健派政権の時でさえ、ヒズボラのロケット弾攻撃に対しては
断固とした姿勢を示さなければ、
イスラエルの政権は、国内右派の攻撃を受けます。
ですから「45万人デモ」などという事態が発生すると、
私などは、又紛争が勃発するのかな?などと考えてしまいます。
■ デモは「不満」では無く「不安」の表明 ■
私は今回のデモの直接の原因が、
物価高騰による生活苦にあったとしても、
45万人を動員する内なる力は、別の原因があると思います。
現在イスラエルは激変する中東の政治地図を前に
政府も国民も、かなり高い「不安」を感じています。
右派政権のネタニヤフですら、
ハマスのロケット砲攻撃に対する大規模な反撃を自粛しています。
先日はエジプト国境で、テロリスト掃討作戦の最中
国境を越えたイスラエルのヘリコプターが
エジプト人警官3人を巻き添えで殺害する事件が起きましたが、
イスラエル政府は、直ぐにエジプト政府に遺憾の意を表明しました。
これは、右派政権としては異例の低姿勢とも言えます。
「今度中東有事が発生すれば、イスラエルが地図から消えるかもしれない」
イスラエル国民をデモに駆り立てるのは、
こんな「不安」が原因なのかもしれません。
■ イスラエルはストレスに何処まで耐えられるのか ■
中東では3倍返しは当たり前。
ヤラレテ、ヤリ返さなければ、国民の理解は得られません。
それが、「文化」なのです。
ハマスやヒズボラのふりをした工作員がロケット砲攻撃をしても、
イスラエル領内で人名に被害が及べば、
イスラエル政府は反撃の姿勢を示さなければなりません。
現在、ハマス(似非ハマス?)がロケット砲でチョッカイを出していますが、
イスラエル政府が冷静を保っています。
しかし国民のストレスが高まっている現状を考えると、
イスラエルは10倍返しの反撃を始めるかもしれません。
・・・中東は昔も今も「熱い」のです。
本日からシンガポール出張です。
日曜日に帰国予定です。
次回はシンガポール観光案内など・・・。