Kimama Cinema

観た映画の気ままな覚え書き

ブランカニエベス

2013年12月21日 | 2010年代 欧州

ブランカニエベス(原題:Blancanieves)

2012年 スペイン=フランス
監督・製作・脚本:パブロ・ベルヘル
出演:マカレナ・ガルシア、マリベル・ベルドゥ、ダニエル・ヒメネス・カチョ、アンヘラ・モリーナ
ソフィア・オリア、ホセ・マリア・ポウ、インマ・クエスタ


高画質高音声の時代にあえてのモノクロ無声映画。
彩るは、フラメンコの情熱的なリズム。
物語は誰もが知る「白雪姫」だけれども、その行き着く先は誰もわからない。

意地悪な継母に育てられた娘は、命からがらに逃げついた先で
小人に囲まれ「白雪姫」として闘牛士になることに。

この小人たちがグリム童話の絵本でみるような、ほがらかなおじさん達では決してないとこがミソ。
陰鬱だったり、意味ありげだったり・・・邪悪な表情の小人たちに誘われ、どんどん深みにはまっていく。
後に残るは、闘牛の興奮と毒りんごに侵された白雪姫の深い悲しみ。

よくぞまあ、ここまで!と思わせるダークファンタジー。
本当は怖い白雪姫というか、大人のためのグリム童話というか、
子供向きじゃないのは確か。

継母役のマリベル・ベルドゥが美しすぎて、そのプライドの高さにも納得!
童話の白雪姫の中では大事なエッセンスだけど「鏡よ、鏡」ってシーンをわざわざ入れなくてホントによかったな、と思う。
継母が怒り狂うのは、白雪姫の評判が自分よりも上で、インタビューされた雑誌の表紙を奪われたから。
鏡=世間、という摺り替えも見事です。