レ・ミゼラブル(Les Miserables)
2012年 イギリス
監督:トム・フーパー
出演:ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライド、アーロン・トベイト、サマンサ・バークス、ヘレナ・ボナム・カーター、サシャ・バロン・コーエン、エディ・レッドメイン
ヴィクトル・ユーゴー原作の名作ミュージカルの映画化。
上映時間は2時間半以上の大作だし、話も重ためだし、全編ミュージカル仕立てとのことで
このお正月でお目出度くなった頭でついていけるかしらんと観る前はちょっと不安だったのですが
なんの、なんの!! 夢中になって見入っちゃいました。
物語の舞台は、19世紀前半のフランス。
ジャン・バルジャンは、パンを盗んだ罪で19年もの間、投獄されていました。
彼を呼んで、仮釈放の書類を渡す警官ジャベール。
この2人の出会いからして、因縁を感じさせます。
改心に心を悩ませ、名を変え市長となるも再び逃亡を続け、幼子コゼットの養父となり・・・という
波瀾万丈な人生を送るジャン・バルジャンに、変化自在のヒュー・ジャックマン。
誠実且つ厳しく、ジャン・バルジャンを追い続ける法の番人ジャベールに、分厚い男ラッセル・クロウ。
劇中、何度もみせる2人の対決は、息詰まる展開。
そして今作では演技以上に圧倒されたのが、臨場感に溢れた歌の数々。
仮出所後のバルジャンが司教の慈悲に触れ、改心を誓う「バルジャンの独白」
工場を追い出された、極貧のファンティーヌが唄う「夢やぶれて」
マリウスに恋心を抱くエポニーヌの切ない「オン・マイ・オウン」
ラストに響き渡る「民衆の歌」も!!
どの歌も情感たっぷりで、臨場感にあふれ、何度も涙させられました。
コゼットとマリウスが唄う愛の言葉に、エポニーヌの悲しみが加わった 三重奏も素晴らしかったです。
この切なすぎるエポニーヌは、舞台でも同役を演じていたというサマンサ・バーク。さすがです!
さらに、下町のやんちゃな少年ガブローシュ役のダニエル・ハトルストーンも舞台っ子。
うーん、確かに「児劇あがり」っぽい感じある。存在感あるな~。
メインキャストだけでなく、端役ひとりひとりにも想いを馳せたくなる、
彼らがそれぞれに生きたであろう物語を考えさせられる、いろんな意味で力強い作品でした。