Kimama Cinema

観た映画の気ままな覚え書き

砂漠でサーモン・フィッシング

2012年12月08日 | 2010年代 欧州

砂漠でサーモン・フィッシング(原題:SALMON FISHING IN THE YEMEN)

2011年 イギリス
監督:ラッセ・ハルストレム
出演:ユアン・マクレガー、エミリー・ブラント、クリスティン・スコット・トーマス、
アムール・ワケド、トム・マイソン、レイチェル・スターリング


ポール・トーディの小説「イエメンで鮭釣りを」。
以前、この本のタイトルと装丁に惹かれて入手、とてもおもしろかったので
映画化の話を聞いて、楽しみにしていたのですが


映画で「砂漠でサーモン・フィッシング」
というタイトルは、どうにも触手を動かされない、ですね・・・。

なんだろう、この差って。
でも原作よかったし、ユアン・マクレガー主演だし、と思って、観に行きました。


物語は、熱帯の地、砂漠ひろがるイエメンに、鮭を泳がせて釣りをするプロジェクトが始まるところから。
水産学者のアルフレッド・ジョーンズ博士は、その無茶苦茶な計画に全く賛同していなかったが
イギリス首相広報のマクスウェルの思惑により、上司の圧力をかけられ、投資コンサルタント会社の担当者
ハリエットに会う事に。思いつきでジョーンズが言ったことにハリエットは乗り気をみせ、出資者の大富豪
シャイフにも別荘に招かれたのです。

すべてが説明的で、とんとん拍子に事象が流れていき、一番重要なはずのシャイフの言葉にも力がありません。
ああ、こんなものなのかと思いました。

しかし、ハリエットが恋人の戦地での消息不明にショックを受け、職場放棄をした後
ジョーンズ博士が思いあまって彼女の家を尋ねたシーン。
彼女が扉を開けたとき、ずっしりと感情が伝わってきました。
ジョーンズ博士の、彼女に対する思いやりと鮭の計画に対する野心も、やっと見えてきます。
そして、舞台はイエメンへ。鮭たちが躍動します!!

その後、原作とは袂を分つのですが
映画は映画としての落としどころがあるのだと、充分に見せつけてくれます。

初日に映画館で観ましたが、
いつもより、おじさん1人客が多かった気がします。
釣り人としては、釣られるタイトルだったのでしょうか。