マーガレットと素敵な何か(原題:L'age de raison)
2009年 フランス=ベルギー
監督・脚本:ヤン・サミュエル
出演:ソフィー・マルソー、マートン・コーカス、ミシェル・デュショソワ、ジョナサン・ザッカイ、
エマニュエル・グリュンヴォルド、ジュリエット・シャペイ
大企業で働くキャリアウーマンのマーガレットは、40歳の誕生日に公証人と名乗る老人から「マルグリット」宛の
手紙を受け取ります。
それは7歳の頃の自分からの手紙でした。
苦い子供時代を思い出したくない彼女は、戸惑います。「マルグリット」とは封印したはずの自分の名前なのです。
7歳のマルグリットが描くファンタジックな夢とメッセージ。
それ以来、何通もの手紙がマーガレットの元に届けられることになります。
まだ幼い子供が公証人を使って40歳になった自分に手紙を送る、なんて不思議にも思えるのですが、
それは父が出て行って無一文になり、大人にならざるを得なかった少女が、自分に託した未来だったのです。
捨てたはずの過去と向き合い、自分の人生を考え直すようになるマーガレット。
それですっかり過去を取り戻そうとするのではなく、それを踏まえて前に進んでいこうと、もがいている姿に
胸がつまりました。
オスカー・ワイルドの言葉が急に引用され
「夢は大きいほうがいい」「見失うことがないから」・・・と
いやいや、見失ってたじゃん!と突っ込みたくなりますが、それもマーガレットらしくって素敵です。
マーガレット役は40歳をこえて、なお愛嬌抜群のソフィ・マルソー。
マスカラをはげはげにして、大泣きしちゃうソフィーがいい。
いくつになっても、この人に夢中なんだって思います。