Kimama Cinema

観た映画の気ままな覚え書き

ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男

2012年11月21日 | ロック映画、映像
「クロスファイヤー・ハリケーン」を観たら
やたらにブライアンに会いたくなって、以前観た映画だけど、もう1度みちゃいました。
虚像ではあるのだけど、レオ・グレゴリー演じるブライアンがやたら生々しく感じられるのです。


ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男(原題: Stoned)

2005年 イギリス
監督:スティーヴン・ウーリー
出演:レオ・グレゴリー、パディ・コンシダイン、デイヴィッド・モリッセー、ツヴァ・ノヴォトニー、アメリア・ワーナー、モネット・メイザー


ブライアンは20歳の頃、ミック・ジャガーやキース・リチャーズらとザ・ローリング・ストーンズを結成。
リーダーとしてバンドを軌道にのせるが、成功とともに酒とドラックに溺れはじめ、主導権は次第にミックとキースに移ることになる。
世界を変貌させたロックスターは、快楽の追求にひた走り、身も心も削られていく。

かたや建築家フランク。ブライアンの購入した邸宅の改装工事を引き受けた男。
彼は、本業以外にも細々とした用事を頼まれるようになり、いつのまにかブライアンの生活へと入り込んでいく。

このストーリーは、ブライアンの視点からでもあり、フランクの視点でも紡がれている。
退廃につきすすんでいく彼と、見守るしかない私たち。
フランクは、私たちとブライアンを繋ぐ媒介だ。もてあそばれ、腹をたてても、その実、取り込まれている。
ブライアンがけだるさの中で浮かべる不敵な笑みは、忘れられない。

ストーンズからの脱退からほぼ1ヶ月後、ブライアン・ジョーンズは自宅のプールで水死体となって発見された。
27歳だった。
検死官は、アルコールとドラッグの影響で溺死した、と報告した。

しかしこの約24年後、フランクは死の床でブライアンを殺害したと告白している。
おそらくフランクは、ブライアンに囚われ続けたのではないか。
フランクの半生涯にわたって、何度も何度も脳内で繰り返された映像をみているかのように感じた。