Kimama Cinema

観た映画の気ままな覚え書き

ブルー・バレンタイン

2011年05月13日 | 2010年代 米

ブルーバレンタイン(BLUE VALENTINE)

2010年 アメリカ
監督:デレク・シアンフランス
出演:ライアン・ゴズリング、ミシェル・ウィリアムズ、フェイス・ウラディカリアル

もともとタイトルできちんと「ブルーだ」と、ブルーな恋愛の告白だと断っているのですが
でもやっぱり見た後は憂鬱になりますね。

あまりにリアル、やや、そういうと語弊があるな。
リアリティーに溢れています。
世界中、どこにも転がっている愛のはじまりと終わり。
1組のカップルに焦点をあて、過去と現在とを交差させながら、それをじっくりと描きだしています。

病院で看護師として忙しく働く妻シンディと、朝からビールを飲みながらペンキ塗りの仕事をしている夫ディーン。
数年前は愛情と情熱をもって結婚したカップルだったが、いつしか感情のすれ違いに悩まされるようになる。
生活していく中で否応なく起きていく軋轢や些細な事件を、いつの間にかふたりで解決していくことができなく
なってしまっているのですね。

わたしはシンディは自分のことしか考えてない身勝手な存在で、
ディーンは優しく愛情深いゆえにデリケートだと感じたのですが
一緒にみた友人はシンディは現実的で向学心の強い女性であり、
ディーンは考えなしの、のーたりんに見える、のだとか。

例えば、スーパーで偶然に元カレとシンディが出会い、それをディーンに車の中で話したときに一方的に
なじられるシーン。シンディからしてみれば、偶然のことを責められるなんて心外!!なのでしょうが、
明らかにそれまでと雰囲気が違うもの。
表情と言葉にさえ気をつけていれば心の中は相手に伝わらないなんて、高をくくっているところが愚かだと
わたしには思えるのですが、友人によればディーンが盲目的にすべてをぶち壊している、との事。
視点が違えば、受ける人柄の印象もまったく違いますね。

夫、妻それぞれに勝手な一面があり、また優しさもある普通の人たちの普通の物語だからこそ
愛情が遠ざかっていくことが、こんなにも辛い。