Kimama Cinema

観た映画の気ままな覚え書き

ミックマック

2012年02月18日 | 2000年代 欧州
ミックマック(原題:Micmacs à tire-larigot)
2009年 フランス
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
ダニー・ブーン、ドミニク・ピノン、ヨランド・モロー、ジャン=ピエール・マリエール、ジェリー・フェリエ、ミッシェル・クレマド、アンドレ・デュソリエ、ニコラ・マリエ


皮肉たっぷりの作品で、始終にやにや、クスクス笑ってしまいました。
父親が爆死した地雷、自分が撃たれたピストル弾、それぞれの武器製造会社の社長に復讐するため、
テロ攻撃を仕掛けるという、ストーリーだけを抜き出すと、なんとも暗い話なのですが、やる方も
やられる方も一癖あり、スクラップ工場の仲間たちのアングラな感じとか、社長さん達のドタバタ
ぶりがおかしくて、いちいちツボにきました。
そして、いたずらっぽかったのが、最終的には意外と大事になり、痛快です!!

そのくせ、作戦の手作り感は満載で、ほほえましいのがなんとも言えません。
中でも、軟体女を演じるジュリー・フェリエの活躍ぶりがすごくて、身体を折りたたんで歩いたり、冷蔵庫の
野菜室からでてきたり、ほんとに?って思うけど、実写なんですよね。
この映画の不思議な感じにぴったり合ってます。

アーサーとミニモイの不思議な国(映画)

2011年10月12日 | 2000年代 欧州
アーサーとミニモイの不思議な国
2006年 フランス
監督・脚本・製作: リュック・ベッソン
声の出演:フレディ・ハイモア、ミア・ファロー、ペニー・バルフォー、マドンナ
、デヴィッド・ボウイ、スヌープ・ドッグ、ロバート・デ・ニーロ

10歳の少年アーサーが、家族の危機を救うため、体長2ミリのミニモイ族が暮らす
“ミニモイの国”で繰り広げる冒険物語。リュック・ベッソン監督が、実写と3Dアニ
メーションを融合させて創り上げたファンタジックワールドに、マドンナやデヴィ
ッド・ボウイら豪華キャストが吹き替えで出演。それぞれのキャラクターがとって
も生き生きとしていて、キュートです♪

アーサー役は『チャーリーとチョコレート工場』でチャーリーを演じたフレディ・
ハイモアくん。少年然としながらも、意志をもった瞳が印象的です。
このまままっすぐ大きくなっていって欲しい!!

ミニモイ族の王女セレニアの(一応の)設定は10歳なのですが、なんともキュート
&セクシー。
声だけの出演ながら、マドンナの魅力もたっぷり感じられます。

それから、このミニモイの国へと案内してくれるボゴ=マタサライ族が、まさに土人!
良い意味で(笑)。
子どもの頃にイメージした、まさにそのアフリカの大地を感じさせてくれる土人さん
達で、アーサーとわたし達をすっと不思議の王国へと導いてくれるのです。


チャーリーとパパの飛行機(映画)

2011年10月03日 | 2000年代 欧州
「チャーリーとパパの飛行機」

2005年 フランス
監督:セドリック・カーン
イザベル・カレ/ロメオ・ボツァリス/ニコラ・ブリアンソン/ヴァンサン・ランドン

ストーリー:パパから誕生日祝いに、手作りの飛行機をもらったチャーリー。しかし、パパは突然の事故で帰らぬ人になってしまう。するとパパの形見の飛行機は、不思議な力をチャーリーに見せ始めるのだった・・・。


食卓でチャーリーがママに尋ねるシーン。

「パパはどこにいったの?』

「パパに言いたいんだ、ヒコーキが飛ぶって!」

チャーリー・・・まさか、わかっていないの?

「パパは天国に行ったの?」

ああ、わかってはいるんだ。
ああ、でも・・! 
画面の向こうに手を伸ばして、チャーリーを抱きしめたくなりました。

受け入れがたく、そして良くわからない「死」に対して、チャーリーが心の中で
あっちにいったりこっちにいったり揺れ動く様子が、もどかしいほどに伝わってきます。

そして、チャーリーを見守るお母さん。
彼女もまた、愛する人を失って傷つき、幼い息子の変化にとまどいながらも、強く生きて
いこうとする姿が感動的でした。

そしてそして、お父さん。
彼は家族を愛し、楽しませ、力の限り守ってくれようとする、とても良いお父さんだった
んだろうなあ、とジワジワ存在が大きくなってきました。

幼いチャーリーのこころの中を見せてもらったような映画で、後から後からじんわり
染みてきます☆


ザ・ブルー(映画)

2011年09月29日 | 2000年代 欧州
ザ・ブルー(原題:DER TOD FEIERT MIT THE POOL/SWIMMING POOL)

2001年 ドイツ
監督:ボリス・フォン・シコウスキー
出演:クリスティン・ミラー/ジェラルド・ダモフスキー/エレナ・ウルリヒ
/ジェームズ・マカヴォイ

典型的ライトホラー。だらだら晩酌しながら、おうちテレビで見るにはオーソドックスで
いいのかもしれませんが、踏襲に踏襲を重ねるしつこさに、背中がかゆくなります。
サスペンスやドラマの要素も薄いです。

でも、でも、
クリスティン・ミラーはこの役での評価を買われてアメリカ映画「ルームメイト2」の
配役を得たのかなあ、と思ったり、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのジェームス・マカヴォイ
の味気なさ(ちょ、失礼・・・)といったら、愕然とします。
そういう意味では、実に興味深い映画だったりします☆

22歳当時のマカヴォイは、ひと作品通して、ずっと普通の青年にみえました。
よくもここから化けたものです(・・・上から目線で、すみませぬ)。
「ナルニア国物語」のタナトスさんしかり、「つぐない」のロビーしかり、あの神秘的な
瞳はどうやって培われたのでしょうか。
まったく謎がとけません。


モンテーニュ通りのカフェ(映画)

2011年09月21日 | 2000年代 欧州
モンテーニュ通りのカフェ(原題:FAUTEUILS D'ORCHESTRE/AVENUE MONTAIGNE)

2006年 フランス
監督:ダニエル・トンプソン
出演:セシル・ド・フランス、ヴァレリー・ルメルシエ、アルベール・デュポンテル、クロード・ブラッスール、クリストファー・トンプソン

パリ・モンテーニュ通りに面する実在のカフェ「バー・デ・テアトル」
を舞台に、パリの著名人達の悲喜こもごもを描く群像劇。

ギャルソン見習いとして働くことになったジェシカは、そのカフェで、
さまざまな人々の出会いや別れ、それにまつわる想いを、好奇心旺盛な
子猫のように、あちこちに首をつっこみ、気まぐれに、軽やかに、時に
は所在なさげに、時には寄り添って、見て回る。
(セシルの仕草、表情ひとつひとつがかわいい~!! so so cute!!)


テレビドラマで人気の女優カトリーヌは、重厚な作品に出れない、と
嘆き、美術収集家のグランベールは今まで必死になって集めて来たコレ
クションをすべて手放すオークションを開く。世界的な人気ピアニスト
のジャン=フランソワは、営利主義の演奏会にうんざりし、田舎にすん
で病人や子どもたちの心を癒す音楽を演奏したいと言う。

彼らは皆、恵まれた地位にあるにもかかわらず、手の届いていないもの
に想いをよせる。
そんな想いを知らず、無邪気によっていくジェシカの無邪気な笑顔が
実に愛らしい。舞うように軽やかなステップに見惚れ、次々にシーンが
入れ替わる見事なこと。

このカフェや周辺に登場する魅力的な人物たちが、単にキャラで魅せる
のではなく、人生そのもの!というような苦悩や決断や、希望をこの
短いフィルムの中に詰めこんでいるところが、何とも素晴らしい。
素朴でいて、贅沢な、山盛りの砂糖菓子のような作品です。