ペンギンの憂鬱

日々のうだうだ~読書と映画と酒と料理~

ふがいない僕は空を見た/窪 美澄

2013-01-25 | 読書
これって性欲?でも、それだけじゃないはず。高校一年、斉藤卓巳。
ずっと好きだったクラスメートに告白されても、頭の中はコミケで
出会った主婦、あんずのことでいっぱい。
団地で暮らす同級生、助産院をいとなむお母さん…
16歳のやりきれない思いは周りの人たちに波紋を広げ、
彼らの生きかたまでも変えていく。
第8回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞受賞、
嫉妬、感傷、愛着、僕らをゆさぶる衝動をまばゆくさらけだすデビュー作。

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若くはないけど、最近出た作家さんですね?
デビュー作なんですね?
最近、映画でも話題ですよね??

内容は全く知らず読み始めたのですが、後で知りました、
「女による女のためのR-18文学賞」受賞作品なのですね
確かに、はじめ、わりと性描写が続きます。
うーーーん、こんなカンジなのか??と思い、読み進めて行くと・・・
いやいやいや!

その先にある人間の本質というものが、哀しく、温かく描かれ、
なるほど、こういう手法なのかと納得していきます。
主人公が入れ替わる、5つの連作短編集なのですが、
「セイタカアワダチソウの空」の章は、素晴らしい
最後、思わず涙しました
人間誰だって傷を負って生きている。
苦しくて、嫌な自分と戦い、それを補おうといい人になってみたり
正解なんてないんです。

読んでいて切ないけど、最後は救われて、少し微笑んでしまうような
ステキな小説でした。

☆!!


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