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教員免許

2022年01月16日 | 社会派らぼ
文科省が、教員免許更新制を今夏にも廃止する方針だという事です。免許の更新期限が7月1日以降の者は、更新手続きが不要ということになりそうです。現在の教員免許には10年の期限があり、期限が切れる前の2年間に30時間以上の更新講習を受けることが必須とされており、この講習の修了認定が無い場合、教員免許は失効するという制度なのだそうです。が、この手続きが不要になるということです。制度廃止後は代わって、教育委員会や校長が受講状況を把握して管理する仕組みを導入するのだそうです。

本来、教員として必要な資質能力を保つためということで実施されていますが、費用が本人の自己負担であることや休日を利用して受講する必要がある事など、不満の声が絶えなかったと言います。期限を忘れていてうっかり失効するケースもあったり、休職後の復帰のかせになっているという意見や、定年間近の場合には早期退職を選択するなど人手不足の原因を作っているとの見方が多くあったようです。

先生方が授業以外の雑務に多くの時間をとられていて思うように、授業の準備などに時間が割けないといった事は再三言われて来ています。この「更新講習」と言われているものの実態が実は問題なのではないでしょうか。参加しても大して意味のない内容で形式上のものであるとしたら、忙しい先生方には大きな負担になるだろうと想像します。

が逆に、学校の先生という仕事は、いわば密室の中で行われて(少し語弊があるでしょうか)います。教室内には、先生と生徒しかいません。例えば体罰だとか暴言だとかのレベルであれば、子どもたち経由で保護者にも伝わりますが、先生の資質や教え方の巧拙に関しては、子どもたちに判断できるレベルのことではありません。教員自身も、本人が考える以上の見地から、自分の授業を客観視する機会に恵まれません。客観視し、授業の進め方自体を根本的に反省したり、見直したりする機会はなければならないと思います。

「弁護士も医師も免許は終身制なのに、なぜ教員だけが更新制なのか」といった不公平感が現場にはあると聞きます。偽医者も悪徳弁護士も世の中にはいると思いますが、最低限法律の知識や医学の知識を持たなければ(少なくとも持っているように見えなければ)これらの職業は成り立ちません。翻って、教員という仕事は、教える内容はかつて自分が学習した範囲の事ですから、極端な物言いをすれば、学生アルバイトであっても、恰好だけはつくという事になります。

免許更新制が廃止されること自体は問題はありません。多分、これまでの更新講習というのは、多くの先生方が「出席してもしなくても変わらない」くらいにしか思えない内容であったのではないでしょうか。本当に必要なことは、「教員」という仕事のノウハウは一生磨き続けなければならない…という事を、それぞれの先生方に知っておくことかと思います。

奇しくも、日本のイヤ世界の体操男子をけん引してきた内村航平氏が現役引退を表明されました。会見で「体操だけうまくても駄目だ」という事をおっしゃっています。「体操選手である前に一人の人間としてちゃんとしてないと駄目だ」と。すべての世界で、その道だけの能力が高くてもそれをプロとは言わない…と私は思っています。本当に不必要な雑務はできるだけ省いて、先生方が授業に専念できる職場を整えていただきたいと思います。ですが、寸暇を惜しんで自分の力量を上げる努力は惜しまないでいただきたいと思います。

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