アンバランスの法則

一番、負荷のかからない状態と言えば、全てのものが等価に並ぶかのように思うのですが、どうも実際はそうはいかないようです。ものごとは、必ずと言ってよいほど、アンバランスなところで均衡を保つような気がします。

１つの職場に複数名のスタッフがいても、往々にしてその責務を等分して協力し合える環境には至りません。勿論、立場上の軽重があるのは当然なのですが、それぞれの持ち分の中での比重のかけ方に差が生じてきます。大抵が一人に重みがのしかかり、その分他はその一人を頼ってしまう図式です。それでも、全容はうまく回っていくとなると、更に他者を頼る比率は高くなります。仕方なく、更に多くの責任を背負い込んで、重みは増すばかりとなりますが、それでもその役回りの人は大抵がその器を持った人間で、重みをこなしてしまいます。そして更に…。

こうした図式をあちこちで見かけます。そして、多くの場合、一人に大きな責を負わせていることを、周りは自覚してはいません。それなりに、自分は自分の責を果たしているとの安易な自信をなぜか持ってしまうのは、偏に仕事全体がうまく回っていくからなのでしょう。アンバランスを一人で背負い込むタイプはどうも共通して、愚痴をこぼさない辛抱強さを持ち合わせているようで、周りに声をかけそびれてしまう、もしくはかけても仕方がないと諦めてしまい、知らぬうちに限界を超すことになりがちです。

自分のしていることを客観的に見ること…というのは、実に難しいことのようです。



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