蒼ざめた馬の “一人ブラブラ、儚く、はてしなく”

山とスキー、車と旅、そして一人の生活

盛夏ひとり、少しばかりの苦行、思い出の苦行

2011-08-11 21:15:35 | 自転車でブラブラ

昨日はメッチャ、ムッチャ暑かった。 腕の汗が塩の結晶になっていた。

こんな日に無理して、自転車、乗らンでもエエやン、ともう一人の自分が言っている。
一昨日はソイツの言う事を聞いてヤメた。 で、その日は洗濯だけ、終日引きこもり。 
何もしないのに汗をかいている。 腐っていきそうなのが判る。

海路の日和が来る前に腐る訳にはいかない。

そして昨日、13時前、出発。
学園都市から農業公園の前を通り、R175を横切って北西方向へ。厄除八幡から加古川へ出て上荘橋を渡る、14:50。

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そこから加古川右岸の河川敷を河口まで。
相生橋を渡り、デカイ製鉄所を右に眺めながら、徐々に住宅地に変わりつつある畑の中を走り別府へ。

別府には有名な肥料工場があって、昔、かなり大型の機械を納めた事がある。 一部分を非常に大きくした特殊仕様だった。
その機械を動かすために、客先が準備する諸々の設備の検討。
電気設備の容量等の詳細は直ぐ判るが、とても重要なある設備のスペックは、その工場独自の扱い物によって、簡単には判らない。
それを知るにはまずテストが必要。 1年以上に渡って数回テストをして、そのデータをもとにスペックを計算し提示した。 そこまでするのが以前勤めていたメーカーのサービスだった。
担当者は製造部の次長さん、有名国立大学に通う息子さんの話題を出すと、とても嬉しそうに色々お話しされる温かい人だった。
しかし、総額数千万の事業、失敗する訳にはいかない。 次長さんは中々慎重で、やっと具体化したのは、初めて打ち合せをしてから2年近く経っていた。
後は売上を報告するだけ。 しかし、思わぬ伏兵が出て来た。 それはその頃、よく競合していた海外メーカーだった。

当時勤めていたメーカーの国内シェアは90%程、 年商は100億近かった。
国内の競合メーカーはあったが、その機械の専業ではない。 我々は専業、負ける訳にはいかない、競合が出てきたらトコトンやる。
「アンタらが通った後は、ペンペン草も生えへんワぁ、と(某競合メーカーは)言うてたでェ」、ネゴがえげつない製紙会社の購買担当者は、そう笑っていた。

しかし、その頃、某海外メーカーを担ぐ商社が出て来て、それが為替の影響でびっくりする程安い。 ギブアップしたことも何度かあった。

大体、機械メーカーは本体を安く納めても、後の消耗部品で儲けを取り返す、と言うケッタイな慣わしがある。 機械本体を納める時点では、部品の価格についての話はしない。
しかし、その海外メーカーは主要部品の価格についても揺さぶりを掛けて来た。 今後この価格で主要部品をお納めするので、その要素も含めて決めてくれ、と言うモノだ。これは非常識だ。
非常識であることは、購買担当者にも判っていた。 また、それまでのテストとかの諸々の経緯も知っていて、安いからと言って、ウチを外す訳にはいかない事も判っていた。
「それをお判りなら、そこからの見積、取らン取って下さいよぅ」
「そらそうやけど、購買として、そう言うわけにはイカンのや、何とか(その海外メーカーの価格に)合して欲しい、頼むわ」
「そやけど、将来の部品の値段は、大体ネゴには入ってませんやン」
結局、部品価格はこの商談の条件とはせず、別の見積とし、有効期限は90日、状況により価格は変動する、との注釈入りを提出することで決着した。 また、これ以上、その海外メーカーへネゴは掛けない、と約束してくれた。

その後、納めた機械は順調で、部品が短期間で消耗して、その時提出した見積の低価格で納めることもなく、ワタクシがこのエリアを離れてからナント、リピートオーダーがあったそうだ。
何の前触れもなく、「アレとおんなじの、チョーダイ」。
「ホンマ、超タナボタでしたワ、前の資料、チャンと残して頂いていて、助かりました」、と一千万近いタナボタを貰った後任担当者は喜んでいた。

別府から明石までの海沿いには、そんな、昔、お世話になった工場が何軒か並んでいる。

それらの工場の裏に、自転車を漕ぐ道が続いている。

魚住にあるケミカル工場の裏は、公園に整備されていた。16:30。Imgp2661

その後、江井島漁港の浜辺側で幼稚園児の大群と遭遇。
引率のセンセ、「ハ~イ、左に寄ってェ」、 しかし園児は何かパニクってて、こちらへ向かって掛け寄って来る。 仕方なく停車。
「スイマセ~ン!」、ウエットスーツが似合う若い保母サン、カワイイ。
「イエイエ、どうぞ、どうぞ」、ジェントルなオジサマを演じるワタクシ。

藤江、松江、林崎と漁港は続き明石。 朝霧からR2で舞子駅前。そこから標高差約100m登って、帰宅18時前。 走行距離75km強、平均速度19km/h弱。 もうフラフラ。

まぁ、少しばかりの苦行と言えるでしょう。 途中で過去の苦行を思い出したけど。