・・・今年の大きな話題のひとつとして、表記の「老後の2千万円問題」と云うのがあった。
内容を復習すると、今年、金融庁審議会の報告書によると、年金生活の高齢者世帯では、平均で月五万円ほど貯蓄を取り崩しているので、高齢者が老後30年生活するには貯蓄が2千万円ないと足りなくなるという内容で、これを聞いた麻生金融担当大臣が怒って、報告書を受け取らなかったことが、話題になった。
その話の中で、テレビなど、社会一般で、「平均、貯蓄額二千万円は何処の国の話か」と話題になった。
上の図は私が読んでいる、新聞の記事から引用した国民の貯蓄額のグラフ図です。
これによると、高齢者ではないのですが、全国民平均の貯蓄額で見ると1752万円だそうです。
しかし、この表現語句には統計上のからくりがあって、グラフを見てもらって分かるように、国民の貯蓄額は平均値に対して、全体は正規分布でなくて、低い貯蓄額に多くの人がいる非正規分布なので、人数的には圧倒的に、平均値以下の貯蓄額の人が多いことがわかる。
このように分布する時の大多数の人の平均貯蓄額を考えると、グラフの中央値を見るべきで、上のグラフでは、中央値の貯蓄額は約一千万円でした。
しかし、このグラフを見て、特徴的なのは、百万円以下の貯蓄額の人が、全国民の11パーセントもいて、その人たちは、この話の前提である、月五万円づつ貯蓄を取り崩すと、二年以内に、貯蓄がゼロに成り、生活できなくなるという結果に成ります。
こんなウソの、国民の老後生活を考える役人を雇っていることは、日本国民として、とても不安になります。
更に、国民を陥れる報告書さえ、受け取らない担当大臣は、人間の心を持たないように思いますが、いかがですか。
それにしても、最近統計を使ったまやかしをする、官僚の話が多いのは、統計の知識が理解がないか、ウソつきの人が多いと言わざるを得ません。