…日本の会社の特徴として、終身雇用制度がある。 我々の世代は会社を選ぶことに自分の人生をかけていたように思う。その代わりに会社は篤い福祉制度で社員が安心して働ける環境を作っていた。
上の図は新聞から、引用した図ですが、わずか30年前までは、会社員と云えば、ほとんどが正社員であった。 しかし、最近は正社員と非正規社員の割合はほぼ同数になった。
終身雇用と云う言葉は米国人のジェームス・アベグレンが日本式経営を”Permanent Employment System”と表したのを、占部さんと云う日本人学者が「終身雇用」と昭和33年に本で訳したのが最初らしい。
日本式終身雇用はジェームス・アベグレンによれば終身雇用、年功序列、企業内組合の三つからなっている、と彼は見事に本質をとらえていた。
会社に雇われた社員はこれらの環境の中で安定した生活を得るので、われわれの若いころは自分の会社への愛社精神は大きく、会社経営者も考え方が長期的で、基礎研究の実施や、退職金制度、持ち家制度などで、社員の愛社精神に答えていた。 今はそれらの制度はなく、社員も会社への帰属意識がなくなってしまった。 そのため、会社の実力は昔に比べ落ちたように思う。
今の日本の、米欧的経営方式は論理的で、明確でわかりやすいが、人間の複雑な関係や、生活内容まで、論理的に掌握していないので、経営としては長期的に、社会の実力が低下してきているのではと心配する。