once in a blue moon

.:♪*:・'゜♭.:*韓国で子育て.:♪*:・'゜♭.:*

フランケンシュタイン

2018-08-24 | ミュージカル・演劇・コンサート

韓国ビリーを観て韓国ミュージカルの世界に興味を持ち
少しずつ作品や俳優さんを知るようになりました。
そこで驚いたのはミュージカル俳優さんの層の厚さ。
歌が上手いのは当たり前、そこに個性、カリスマ性が必要とされています。

歌のうまさならビリーの炭鉱夫やバレガから察していましたが(上手いから逆に変だった)
韓国ビリー終わって本格的に韓ミュ世界をのぞいてみたらかなりヤバイ世界でした(笑)

ビリーをきっかけに親しくさせて頂いている方が韓ミュ歴10年以上の大先輩でいろいろ教えてもらいました。

(内容も書いてるのでネタバレNGな方は読まないでくださいね)



そこで韓国ミュージカル入門に勧めて頂いたのが「フランケンシュタイン」
韓国創作ミュージカルで大成功をおさめた作品です。
昨年、日本でも公演あったようですね。

韓日両国共に絶大な人気を誇りリピーター続出とのことですが
どうも私は二の足を踏んでしまいました。

ストーリーがどうにも韓国臭!
これ在韓日本人で日本人ミョヌリなら避けたい要素だと思います。
そうじゃない方もいらっしゃるでしょうが
ためらいが理解出来る方も相当いると思います。

だから観なくていいかな、、と思っていたのですが
7月あたまに観たプレスコールの生中継を観たら「観たい!」とスイッチがはいりました^^;
日本帰省もあったりなかなかすぐの観劇ができず、行けたのはソウル千秋楽2日前です。



もともとは初演キャストのパク・ウンテさんの神々しいまでの美しさに興味をもち
ウンテさんで観たかったのですが
ウンテさんは8月から「マディソン郡の橋」に出演が決まっており7月中に楽…。

ウンテさんは諦めどなたでも…とたまたま予約できる日に予約したのは
今回の三演から出演のミン・ウヒョクさんとカイさんの日でした。

実はプレスコ映像で「あ、いいな」と思っていた御二方だったので
偶然予約したのですが嬉しかったです。

さて、このフランケンシュタイン。
韓国創作ミュージカルと先にも述べましたが有名なフランケンシュタインのお話とは別です。
有名なボルトがささってるようなビジュアルじゃありません。

あくまでメアリー・シェリー原作の「フランケンシュタイン」を基に描かれた別のお話です。

怪物を生み出す天才ビクター・フランケンシュタインはトリプルキャスト
親友に心酔し殺人の罪をかぶった末に怪物になってしまうアンリ・デュプレはクアトロキャストで
この三演は開幕しました。

このキャスティングがどのイケメンにしますか?的なキャスティングで
誰かしら好みがいるだろう的なものなのが笑えました。

ただ凄いのはただのイケメンじゃなく
超絶歌がうまい(劇中のサディスティックなまでの難しい音楽を歌いこなす技術のある)俳優さんを揃えているあたり
韓国ミュージカルの層の厚さに感嘆です。



ビクター役はミン・ウヒョクさん。
歌が好きで野球の才能もあり野球選手を目指していたけれど高校生の時に怪我をし挫折
その後歌手の道を目指しいろいろあってミュージカル俳優さんになった方(雑な説明…)

まず、デカイが最初の印象。
187cmの高身長にくわえ野球で鍛えたがっしり体型がものすごい存在感…。

体格デカイ!の次は声デカイ!

どこ、どんなシーン台詞もドーン!と爆音のように聞こえ
どこにいてもわかる…(笑)

で、プロフィール写真じゃいまいち伝わらないけど可愛い面立ち。
笑うと可愛い。

ビクターの凄惨な過去を背景にみていると体だけ大人の中身はまるで子供。
天才だけどおそろしく子供でワガママの甘ったれ。

ウヒョクさんの体格の良さがビクターという役に合っていたなぁと思いました。

단 하나의 미래(ただ一つの未来?)はプレスコで観たドンソクさんの高圧的で目がイっちゃってる歌い方が好きだったんですが
ウヒョクさんもかなり良かった…
低音は物足りなかったけどウヒョクさんは子供のように無邪気な天才のよう。



アンリ役はカイさん。
ソウル大の声楽科出身でオペラとポップスを融合させたポッペラ歌手という謎の括りな方。
旦那も知る有名な方らしいです。

カイさん、凄かったです…(語彙力…)

おそらくアンリ役を演られる方は皆さま凄いんでしょうね、何せ怪物役やりますから。

フランケンを観ようと決めて
韓国の方も日本の方もどなたの感想も目に入れないよう予習に努めてきましたが
まっさらな状態で観られて良かったです。

私にとって初見のアンリ/怪物はカイさんになり、きっとカイさんが今後も基本となります。

しかしながら、すでにYouTube上にあるウンテさんだったり、チサンさんだったり、ウヒョクさんだったり、ミンソンさんだったり
いろんなアンリ/怪物を観てそれぞれ異なる印象だというのは分かりました。

そういう中で私はカイさんのアンリ/怪物が好きだなぁ、と漠然と思いました。

眼鏡に短髪というビジュアルに生真面目で融通のきかなそうな話し方
人たらし的な他意のない無邪気なビクターの「チング(友達)」に
心つかまれちゃう感じも自然でその純粋さが可愛らしかったり。

そういうカイさんのビクターへの心酔ぶりが重い、重い…。
酒場シーンあたりから観てるだけで憂鬱になってきて「帰ろうかな…」と何度思ったことか…

プレスコで魅せられた有名なナンバー「너의 꿈속에서(君の夢の中で?)←日本語タイトルは調べてません」
イントロ流れてきただけで「うわぁー無理…」

で、これでもかとカイさんがまるで夢見心地に歌うんですよ。
うわぁー…うわぁー…
完全に中身ラブソング
これ!この濃い男の友情感!まさに韓国!苦手要素!←(笑)

ウヒョクさんはウヒョクさんで後ろでわんわん子供みたいに泣いてるし…

ドンび…(自粛)

カイさんヘンボッケ(幸せ)の歌詞は歌わなかったり他にも歌詞が抜けるのは
感情入りすぎていたのかしら…

ドン引きはしたけど凄まじく感情を揺さぶられはしました。
アンリの融通の利かなさの真骨頂でっせ!なまっすぐな想い…
いやいや、ちょっとみんな直情的過ぎないかい…って思う私は本当にダメな観客…^^;

一幕がもう耐えがたい終わり方をして、インターミッションのトイレで帰ろうか悩みました。
だって救いないもん、この先も。

でも観ました。
観たいんですよ、つらくても。

橋?の上で足を引きずりしゃがれ声で話す方
しばらくだれかわかりませんでしたが、カイさんでした…

会話内容でカイさん演じる怪物だと分かったけど
声も表情というか顔の造作までも別人でした…これにはびっくり。
誰?

そこにはアンリの影は微塵も無いんですね……

で、ドロドロの復讐劇が始まるんですが
怪物がどう過ごしてきたか、が描かれる過程でメインキャストさんが二役目を好演!

とにかくインパクトあったのは、エレン/エバ役のパク・ヘナさん。
かっこよかった…一番印象に残ってます。
ウィキッドにアナ雪の吹き替え…韓国のイディナ・メンゼルです!

怪物と虐げられ、闘かわされ傷だらけの怪物が出会ったのはカトリーヌ
「怪物は怖くない。怖いのは人間」という台詞が印象的でした。

カトリーヌと人間のいない北極を夢見るシーン
ちょっとほのぼのしてて怪物が可愛いシーンでした

たどたどしく「コム マシッソ(くま おいしい)」という台詞が可愛いかった…
2回くらい言ってましたね
周りはリピーターしかいない中、ひとりウケて声出して笑っちゃいましたが…

カイさん、体の使い方すら人間じゃなく
声の出し方から全てが怪物だったのが
少し人間みを帯びてくるながれが凄まじかったです。

すったもんだ()で「人間の怖さ」を目の当たりにして泣きながらカイさんが난 괴물(おれは怪物)を歌うんですが
目からは涙、鼻からは鼻水、口からはよだれが垂れ流し状態で壮絶でした…

わたし、マジ泣き。

歌詞が切なすぎる。
そしてカイさんの怪物としての感情がバァーンとぶつけられツライツライ…。

でいろいろあって…

北極のシーン
立ってる姿かっこよかったです

でも怪物の動きが人間…
まるでアンリのようにキビキビソツがない。

一方ビクターはヨレヨレ打ちのめされて可哀想…。
追い詰めれ、追い詰められ….

で、パーン。

怪物が「ビクター」と怪物になってから「想像主」としか呼ばなかったのに名前を呼ぶ

その声がね、アンリの声なんですよ!
はぁー?!とわけのわからない怒りと悲しみが私も最高潮。

その声にアンリが戻ったかと希望を見いだししがみつくウヒョクさんの目が凄まじかった…
そこからアンリの声で放たれた一言で絶望するその物哀しさたるや、圧巻でした。
ウヒョクさんのビクターの甘さなんだなーと感じました。

結局、怪物がアンリに戻ったか、は
はっきりしないまま終わりますのね。

すんごいモヤモヤ。

私が感じたのはアンリの声をした怪物だった、が結末かなぁ。
アンリがあそこまで復讐するとは思えず。

でも迷子の子供に話す(歌う)シーン
あれは一体…
とても美しく印象に残りました

うーん…とスッキリしない終わり方でした(わかってたけど)

カテコでは、ファンサービスらしく
ウヒョクさん、カイさんのいちゃいちゃもあり歓声が凄かった…(笑)

あれを救いとしてね、ってこと?^^;

作品全体としては実に韓国らしい勢いのある作品でした。
起伏が激しく粗があり、それが魅力的であり作品の未熟さでもあるようで。

背景とかてんこ盛りなんだけど具体性に欠けるし
全体的に想像して補填するかんじでした。
たぶんリピーター排出する要因は観客に想像させ補填させるところなんでしょうね。



フランケンシュタイン。
好きじゃないです。
でも嫌いでもない。

言葉にはならない不思議な気持ちが浮かんでは消え…心を抉られ放り出されたようです。

いまはまた観たいとは思えません。
ビクターにしろアンリにしろ傷だらけになるのを観る余力がないんです。
私にはトリプルキャストやクアトロキャスト全て観られる心の余裕がないようです。

でも、また四演あれば観たいです。

すごくつらかったけど、フランケンシュタイン観て良かった。


おまけ。



実はジュリア幼少時役のヒョンファが目当てで観に行きましたが
子役のキャスケは発表されておらず
本当に偶然に奇跡的に観られました!
(韓国ビリーでアリソンを演じた子です!)

ヒョンファ可愛かったー!

あとビクター幼少時役の男の子イ・ユヌくんは泣きの演技が凄かったです。

子役さんも層が厚いんだろうな…。

観劇続きます。
取り急ぎ、観劇レビューでした。









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