once in a blue moon

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『お・い・し・いソウル』へようこそ!


あんにょんはせよ

ロンドンで出会ったオトメン韓国人旦那と2014年12月生まれの娘と
ソウル西部でのんびり暮らしています。

小さな幸せを大切に、というのが家族のモットー。


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エアポートベイビー 千秋楽(에어포트베이비 막공)

2021-02-06 | ミュージカル・演劇・コンサート

エアポートベイビーの千秋楽へ運良く行けました。
防疫対策として3分の1しか座席販売がゆるされず小さな劇場なので観に行くのは半ば諦めていましたが
ダメ元でチャレンジした血ケッティングで無事に一席予約出来ました。


半月前に観た時もアドリブも満載でしたがさらに自由になっていてたくさん笑いました!
特におじさん役のファンソンヒョンさんが面白かった~

語学学校でジョシュ(ジェリムさん)の声を聞いた先生(ソンヒョンさん)が
「いい声!俳優に向いてるよ!」って言って笑いをとったり。
ジェリムさん、えへって笑っていて可愛かった^^

そのあと「선생 배고파 (センセー、ハラヘッタァ)」ってジョシュが言ったあと
普段は「난 매일 김밥 먹어.American home food 먹고싶어(ボク、マイニチ キンパ タベル. American Home Foodタベタイ)」のキンパの部分を
라면(ラーメン)とジェリムさん変えていたのも笑いました。
ジェリムさん...インスタントラーメン好きですからね(笑)

ジョシュがディリーデリーに到着したらいつもは誰もいないはずのバーカウンターに誰か座ってる...
よく見たら、ディリア役トリプルキャストのお二方!(笑)

ユンソクさんとカーリン先生がワケありカップル?みたいな小芝居をしていて
会場「アハハハ」と笑いが止まらない!

お二方の小芝居がキョーレツで他の方々の会話が耳に入らないし目にも入らなかったです(笑)

韓国人のsiとshの発音をいじった「sit down」のシーン
いつもより長めでジェリムさんのアドリブも素敵でした。

それからJoshという名前が韓国人に伝わるようにジョシュが発音を「조~시???」と言ってみて
ディリアたちが下ネタ(○이)に変換して「あら、強い名前ー!」って笑っちゃうところもいつもより長めでした

前半のコミカルシーンはかなり自由にやっていましたが後半のザ☆韓国ドラマ的展開からは
アドリブはほぼ入らずキャストさんたちの熱演も凄まじかったです。

千秋楽の数日前、龍山のドキュメンタリー番組が放送されていて観ていたら
やはりアメリカへ養子にだされ、米軍として韓国へ「帰ってきた」方がご出演されているのをみました。

梨泰院という街の歴史が紹介されていました
歴史というにはまだ浅く、貧困から這い上がってきた方々がいまなおご健在の街です
家をつくる物質すらなく缶詰めの缶で屋根を作っていたそうです

梨泰院クラスでも登場する解放村は北朝鮮の捕虜を解放する場所で当時は何もなかったとか

そんな場所にユダヤ系アメリカ人のジミーとゲイバーを構えたディリアや
貧困からアメリカへ養子にだされたジョシュが
「家族」と向き合う話は決して創作でもなく、たくさんの方々が抱える韓国の近代史の傷なんだと改めて感じました。

おじさんが「すべては貧しいから起きたことなんだ」とジョシュに説明します
わたしは裕福な日本で臭いものに蓋をした義務教育を受けて育ち
ジョシュやディリアのような方々がすぐ隣の国にたくさんいたなんてしらずに生きてきました。

だから、おじさんの「貧しいから」という台詞は心を抉ります。
知らないことは罪ではないし何より不可抗力です
でも私は生きている限り知ろうと努力し続けようと思っています。



ジェリムさんの中にジョシュという役がしっかり溶け込み圧倒的な歌唱力と表現力で歌われる
NO HEAVEN FOR ME

大劇場でも声量凄まじい役者さんですが
小劇場で聴くと五臓六腑まで突き刺してくる歌声に息が止まります。
舞台への吸引力も半端ない。

この日はあまり喉の調子は良くないのかなと感じる部分もありましたが
絶対に音を離さない強靭な声帯と歌のバランス感覚を見せ付けられ圧倒されました。
強い、本当に強い。
これ程つよい意思で喉の不調さえコントロールできるほどの絶対的な自信。
毎日、毎日欠かさず歌の練習を何時間もされている努力し続けることで醸し出される自信感がまた本当にかっこよかったです。

ジェリムさんは役者さんとして上手なのももちろん惹かれますが
舞台上で見せてくださる精神力の高さ、ぶれないメンタルの強さもまた魅力的です。
絶対に良いものを見せてくださるのが分かるからリピートしたくなるんです。

最初のエアポートベイビーの歌唱と最後のエアポートベイビーの歌唱
最初は着陸(韓国に到着)で最後は離陸(韓国を出発)となる歌いかたなんですが
千秋楽の歌は鳥肌たつほど素晴らしかったです。

公演終了後は舞台挨拶がありました。

カーリン先生は舞台にはあがってないたくさんのスタッフたちにも感謝の気持ちを伝え
厳しい防疫措置がとられこの状況でも公演を続けるべきか苦悩してきたことも泣きながら話されていました。

話ながら涙がとまらないカーリン先生は「もう無理、ジェリムあとは頼んだ~」とマイクもって袖に入っちゃいました^^;
あわててマイク取り返しにいったキャストさんたちが可愛かったです(笑)

ジェリムさんは(録画したけど見直すの面倒なんでざっくりした記憶で書きます)

「毎シーズン最後だと思っていましたが今シーズンほどつらく幸せな公演はありませんでした。出来れば年内に地方公演か来年、新シーズンとしてソウル公演したいと思います。あと1、2歳とし取ってもジョシュできるよう自己管理がんばります」

と、続投する意思のあることを話してくださり嬉しかったです^^
見た目どー見ても30代のおじさんだけどね...←言っちゃった

今までもいろんなカンパニーを見てきましたが今回のエアポートベイビーは本当に식구(食口)なんだなぁと感じました
식구は韓国特有の表現で家族を意味します
家族、よりも식구のほうがニュアンス的により繋がりが深いといいますか

大切に作品を育ててこられたんだと感じるあったかい千秋楽でした。

次は、マスクも必要なく歓声を自由にあげられ
予約は満席なのに会場内がらがらという悲しい状況じゃないといいです。

エアポートベイビー2020-2021
無事に目的地へ到着されました。

怖かったでしょうに
マスクなく公演を続けてくださった役者さんには感謝です。








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