
県北のH部さんからチルド便が届いた。開けるまでもなくパックの中身は、いつものことながら旬のシロイカ(剣先イカ)。今年は不漁が続き、やっと最近になって釣果がありだしたそうだ。
「形は良くなくてさばくのが手数だが、小さいほうが却って味が良い。捨てるところは全くないし、ゲソ(下足)も美味しいので食べてみてください」と仰る。
早速にイカには目が無い孫たちと一緒に頂いたが、送料の範囲内で買えるような冷凍イカしか食してない身には、ムチッと肉厚で舌の上でとろける甘みのシロイカは絶品だった。
H部さんは、小生より一回り先輩だが、実に美しい日本語を話される方。「食べ助け」という、奥ゆかしくて素敵な言葉を教わったのもH部さん。
「食べ助け」とは、お裾分けの類似語ではあるが、少しニュアンスが違う。お裾分けはなんとなく、上から下にくれてやる雰囲気があるが、「食べ助け」はあくまでもへりくだった感じなのである。「沢山で食べ切れないから少し食べて」と先方から三歩下がって言われると、頂く方は抵抗も少なく受け取りやすい。「食べ助け」とは、相手の立場をわきまえて、プライドを傷つけないようと配慮された心温まる言葉だと思う。
このお言葉についつい甘えて頂くばかりのことが多いが、たまに当方からも「食べ助け」をお願いしている。差詰め今ならイチジクがあるのだが、好き嫌いがあるし珍しくもないので贈るのが憚られる。前回が牡蠣だったので、次はほどなく旬を迎える亀ちゃんみかんにしようかと思案している。
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