郊外型大規模商業施設であるアウトレットモールは全国で見られるようになった。特に休日はにぎわいを見せていることが多い。ただし、都市の中心部から遠く、鉄道でのアクセスが悪いケースが多く、どうしてもクルマに頼らざるを得ないといっていいだろう。
福岡市西区の海沿いに位置するアウトレットモールが老朽化と競争激化により、8月に閉鎖するという。新たにリニューアルされた後、開業する可能性が高い。
アウトレットモールは高速道路のICやバイパス道路の近くに立地しているケースが多い。大型駐車場が整備されているケースが大半であり、主な集客をクルマ利用に依存している。中心部に位置する商業施設とは距離的に遠いことで、すみ分けが図られているケースが多い。ただし、中心部に近く、鉄道アクセスがよい場合、競合度が高くなり、競争激化へとつながる。
アウトレットモールはまとまった人口を有する都市が近くにないと、成り立たないケースが多い。東京圏や大阪圏などではまとまった人口を有するので、郊外へ進出しても、一定の売上を確保でき、経営が成り立っている。人口の少ない都市の周辺だと、商圏人口が小さく、遠方から訪れる客も限定的であるため、売上の確保が難しくなる。
アウトレットモールの進出には安価で広大な都市や、都市部よりも安価な労働力、自然環境などがないと進出は難しい。大都市の中心部には数多くの商業施設があることで、競争は激しい。その点、郊外型であれば、大規模店舗が少ないことで、進出はしやすい環境にある。
今後、国内では人口減少により、経済の縮小が確実視されている。訪日外国人客(インバウンド)の増加という明るい要素はあるものの、全体の消費は縮小する可能性が高い。商業界でも淘汰が進み、大規模店舗でも閉鎖に追い込まれるケースが出る可能性が高い。