前の記事のとおり,スパリゾートでゆったりしてきましたが,温泉に入りながらふと思ったことがあります。それは,「ここも炭鉱閉山対策でできた施設だった!」ということです。
そうです。いわき周辺も,一歩間違えれば,夕張市と同じ運命になっていた可能性があったのです。
逆に言うと,夕張市もうまくやれば,スパリゾート同様,今日も町あげての観光が成功し,破綻することはなかったのではないでしょうか。
というわけで,いわき市と夕張市の違いについてちょっとばかり検討してみたいと思います。
1 危機意識を持っていた住民
スパリゾートハワイアン(当時は「常磐ハワイ」)ができたのは,一部住民(資本家)が,「このままでは町がなくなる」という危機意識を持って,自分たちで何とかしようという観点から,「東北にハワイを」という発想が出てきました。
つまり,まず「住民が動いた」という点にあります。
一方,夕張市の場合,そのような住民運動があったという話はほとんどありません。むしろ,「国や自治体がどうにかしてくれるだろう」と思い,特別な危機意識が当時は少なかったことが考えられます。
2 国や道県に任せなかった
確かに炭鉱廃止により,各種補助金などが交付され,観光地開発を国が奨励しました。そして,いわき市もそれを利用して常磐ハワイの整備を進めたことは事実です。
ただし,それは無駄な施設に対する投資ではなく,「将来を見据えた投資」であり,しかも,国が進める企画よりも前に実行していました。
つまり,「国の言うなりに進めていたわけではない」ということです。
これに対し,夕張市の場合,もっぱら「国や道の言うがまま」に補助金を使いいろんな施策を実施してきました。
結果,土壇場で国にはしごをはずされてしまったのです。
3 あくまでも民営であった
常磐ハワイは民間企業です(今では一部上場会社ですが)。したがって,当然のことながら「営利追求」となります。利益があがらないと会社がつぶれてしまうからです。したがって,常に先を見越した経営方針となっています。
それに対し,夕張市では,第三セクター形式であったものも含めると,「公営」がほとんどでした。したがって,計画段階から十分な収益シミュレーションを行わず,利益追求が二の次になり,結果,危機意識を持った経営をしてこなかったことから,大きな赤字を生むこととなったのです。
4 フレキシブルな経営方針変更
常磐ハワイの場合,何度も経営危機が訪れました。しかし,前述のとおり,「先を見据えた経営方針の変更」により,それを回避してきました。例えば,名称をスパリゾートに変更したのも,ハワイのプールだけではなく,これからは温泉ブームだから絶対にスパブームになる,と読んだうえでの大きな経営方針の変更を図りました。そして,その後,予想通りスパブーム,癒しブームとなり,今日まで続いています。
一方,夕張市の場合,公営ということもあり,また「お国のいうとおり」という経営方針(政治方針)であったために,時代にマッチできなかったという点が上げられます。
5 地の利
こればっかりは,絶対的に夕張市が不利なので仕方ないでしょう。
いわき市は,東京から特急で2時間くらいでいけるため,東京の人をターゲットにすることができる点が,より集客数を増やしたといえます。
温泉につかりながら思いついたのはこんな点です。
簡単に言うと,「住民も,もちろん為政者も含め,みんなで危機意識を持っており,かつ今でも日々危機意識を持って経営し,民間だから役所だからという発想ではなく,みんなで町を盛り上げようという気持ちが強い」のがスパリゾートハワイアンといわき市周辺自治体の発想であるといえるでしょう。
昭和30年代の夕張市にも,このような為政者と住民がいれば,本当によかったのに,と思うと残念でなりません。
逆に言うと,今の時代でも,このような発想や危機意識のない為政者や住民が多い町だと,いつかは「破綻」するのだろう,そんな気もしました。
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そうです。いわき周辺も,一歩間違えれば,夕張市と同じ運命になっていた可能性があったのです。
逆に言うと,夕張市もうまくやれば,スパリゾート同様,今日も町あげての観光が成功し,破綻することはなかったのではないでしょうか。
というわけで,いわき市と夕張市の違いについてちょっとばかり検討してみたいと思います。
1 危機意識を持っていた住民
スパリゾートハワイアン(当時は「常磐ハワイ」)ができたのは,一部住民(資本家)が,「このままでは町がなくなる」という危機意識を持って,自分たちで何とかしようという観点から,「東北にハワイを」という発想が出てきました。
つまり,まず「住民が動いた」という点にあります。
一方,夕張市の場合,そのような住民運動があったという話はほとんどありません。むしろ,「国や自治体がどうにかしてくれるだろう」と思い,特別な危機意識が当時は少なかったことが考えられます。
2 国や道県に任せなかった
確かに炭鉱廃止により,各種補助金などが交付され,観光地開発を国が奨励しました。そして,いわき市もそれを利用して常磐ハワイの整備を進めたことは事実です。
ただし,それは無駄な施設に対する投資ではなく,「将来を見据えた投資」であり,しかも,国が進める企画よりも前に実行していました。
つまり,「国の言うなりに進めていたわけではない」ということです。
これに対し,夕張市の場合,もっぱら「国や道の言うがまま」に補助金を使いいろんな施策を実施してきました。
結果,土壇場で国にはしごをはずされてしまったのです。
3 あくまでも民営であった
常磐ハワイは民間企業です(今では一部上場会社ですが)。したがって,当然のことながら「営利追求」となります。利益があがらないと会社がつぶれてしまうからです。したがって,常に先を見越した経営方針となっています。
それに対し,夕張市では,第三セクター形式であったものも含めると,「公営」がほとんどでした。したがって,計画段階から十分な収益シミュレーションを行わず,利益追求が二の次になり,結果,危機意識を持った経営をしてこなかったことから,大きな赤字を生むこととなったのです。
4 フレキシブルな経営方針変更
常磐ハワイの場合,何度も経営危機が訪れました。しかし,前述のとおり,「先を見据えた経営方針の変更」により,それを回避してきました。例えば,名称をスパリゾートに変更したのも,ハワイのプールだけではなく,これからは温泉ブームだから絶対にスパブームになる,と読んだうえでの大きな経営方針の変更を図りました。そして,その後,予想通りスパブーム,癒しブームとなり,今日まで続いています。
一方,夕張市の場合,公営ということもあり,また「お国のいうとおり」という経営方針(政治方針)であったために,時代にマッチできなかったという点が上げられます。
5 地の利
こればっかりは,絶対的に夕張市が不利なので仕方ないでしょう。
いわき市は,東京から特急で2時間くらいでいけるため,東京の人をターゲットにすることができる点が,より集客数を増やしたといえます。
温泉につかりながら思いついたのはこんな点です。
簡単に言うと,「住民も,もちろん為政者も含め,みんなで危機意識を持っており,かつ今でも日々危機意識を持って経営し,民間だから役所だからという発想ではなく,みんなで町を盛り上げようという気持ちが強い」のがスパリゾートハワイアンといわき市周辺自治体の発想であるといえるでしょう。
昭和30年代の夕張市にも,このような為政者と住民がいれば,本当によかったのに,と思うと残念でなりません。
逆に言うと,今の時代でも,このような発想や危機意識のない為政者や住民が多い町だと,いつかは「破綻」するのだろう,そんな気もしました。
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