あれは,あれで良いのかなPART2

世の中の様々なニュースをばっさり斬ってみます。
ブログ界の「おか上彰」を目指し、サボりながらも頑張ります!

やっぱり出始めてきた「合併無駄遣い祭り」

2006年12月28日 13時55分32秒 | 地方自治
今日から冬休みをとることにしましたので,「ゆっくり寝るぞ!」と宣言しましたところ,妻から「掃除大臣」を任命されてしまいました
そんなわけで,掃除をしながらテレビを見ていたところ(逆かも!),テレビ朝日の「ワイドスクランブル」で,群馬県伊勢崎市の観覧車建設計画について報じていました。

あ,たぶん合併特例債目当てだな

前提として,伊勢崎市は,去年1月に伊勢崎市, 佐波郡 赤堀町, 東村, 境町と合併して更に大きな町になりました。そして,来年4月には県の権限の一部が市で行えるようになる「特例市」となることが決まっていることから,伊勢崎市は名実共にかなり大きな町になります。
そんな中,テレビ朝日によると,今年9月,市議会において10億円の巨大観覧車(高さ88メートル)の建設が可決したとのことですが,住民には何も知らされておらず,住民が大反対をしているということでした。
伊勢崎市にも実は熱海市同様開けてはならないパンドラの箱がかなり転がっており,あまりいい加減なことは書けませんので,一応テレビ朝日の情報を前提に書いていきたいと思います。

なぜ,住民が反対しているのか,要点は次のとおりです。
1 無駄遣いだ。目的も分からない。
2 隣が住宅地なので危ない
3 既に観覧車は1つあるのに,なんで更に造るのか。


それに対する市の説明(議会説明も含めて)は次のとおりです。
1 合併特例債を使うため,市の懐はほとんど痛まない。また,この観覧車は北関東自動車道から見える場所に造られるため,市のシンボルとなり,企業誘致や観光客誘致が期待できる。
2 設計は安全性を配慮しているし,目隠しとして10メートル程度の樹木を植える。
3 老朽化が目立つため,新しいのができたら取り壊す。


この報道を見て感じたこと,それは次の3つでした。
1 やっぱり合併特例債祭りが全国でおこっているなあ
2 住民も本気で反対運動するなら,市長リコールや議会解散請求をした方がよいのでは。
3 やっぱり選挙は本当に大事。こんな議員を選んだ自己責任もある。


3については,今年はいろんな場所で問題となってきました。もちろん,議会も全員賛成ではないため,反対派住民は建設反対のスタンスをとるであろう議員に投票していたと思います。
ただ,いずれにしても,「議員は住民の代表」という前提で議会が成り立っている以上,市の行方は市長と議会に託されていると言っても過言ではありません。
統一地方選挙が近いなか,この点は本気で投票にのぞむのがよいと言えるでしょう。まして,選挙に行かないことは,「白紙委任」をしたことと同じです。選挙に行かないけど反対,っていうのは少々説得力に乏しくなると思われますので,絶対に選挙には行くべきです。

2については,伊勢崎市の住民反対運動自体は全く否定するつもりはありません。むしろ,まずはあのような「草の根運動」から始めるべきです(ただし,議場で叫ぶのはよろしくありません。あれは規則違反で退場を命じられてしまいますからはっきり言って「無駄」です。)。
ただ,草の根運動は限界があります。なにしろ,法的効果がありませんので,署名がたくさん集まったとしても,あとはそれが市長の心を動かすかという「浪花節的効果」しか期待できません。
やはり,本気で建設を止めるのであれば,「民意に法的効果」を与えるしかありません。
それは,「市長の交代」であり「議員の交代」です。
地方自治法では,有権者の署名の3分の1があつまれば,解職請求や解散請求を求めることができますので,そのような手法をとるのも良いのではないでしょうか。
いずれの場合も,住民の過半数が「解散,解職しよう」と住民投票で投票すれば,成立しますから,住民の民意がはっきりと分かって良いのではないでしょうか。
そして,何よりも,「自分たちのことを本当に代弁する市長や議員」を選ぶチャンスが出てくるでしょう。
ただし,現実には乗り越えるべきハードルは相当ありますが(パンドラ,パンドラ・・。)。

1については,先日以下のような記事が毎日新聞で報じられていました。
大合併あと始末:’07統一地方選/2 特例債でハコモノ乱立
伊勢崎市に限らず,全国津々浦々で合併後に意味不明な建設を行うという動きが出ているようで,そこで必ず出てくるのが「合併特例債」です。
そして,必ず説明として「これは70%は地方交付税で戻ってくるため,市の持ち出しは30%で済むので,財政に負担がかからなくてお得」といって,あたかも「お金が沸いてくる」かのごとく説明をして住民を納得させています。もちろん,これは,合併を促進させた国の国策です。
しかし,ここは数字のトリックです。一方で地方交付税自体は年々減少されます。しかも,合併して5年後からは,従前の割合による地方交付税はもらえなくなり,10年後には通常の交付税になります(この辺の細かい話は,私が昔書いたこちらを参考にしてください。
とすると,数年後には「思ったほどお金は交付されない」ということが容易に想定されます。そうです。破綻の始まりです。また,建設後のランニングコストはすべて自前,すなわち市町村負担です。ここに税金が発生します。
しかも,国は夕張市の一件を見ても明らかなとおり,破綻したらハシゴを外します。つまり,「借りろ,借りろ」と言っておきながら,いざ破綻したら「なにやってるんだ,援助しないぞ」という事態になるのです。そこでじたばたしても手遅れというものです。この辺も,「国の言うとおりやっていれば大丈夫」と安易に考えているとしたら,とんだしっぺ返しにあるでしょう。
本来,合併特例債とは,市町村合併によってどうしてもインフラを整備する必要があるとか,絶対的に必要な施設整備の為に特別に認めるというものですから,決して「お金製造器」ではないのです。
このあたり,目的をはき違えてる首長や議員がいたとしたら,要注意です。
伊勢崎市が財政的にどうなるのかは何とも言えませんが,少なくとも多くの自治体で「無駄な合併特例債」が使われている現状からすると,5年から10年以内に破綻する自治体が続出することは確実でしょう。
ただ,逃げ道はあります。幸い,あと4,5年は猶予があります。その間に体制を含めてすべて立て直せばよいのです。そして,その選択肢は「住民自身」にあります。そうです,選挙です。
合併した市町村の場合,多くは来年の統一地方選挙は関係ないでしょうが,4年以内には必ず選挙があります。そこで,しっかりと未来を見据えて投票をするべきでしょう。また,そのような候補者が出ない場合は,草の根運動で候補者を出すのも良いでしょう。さらには,自分で出るという選択肢も可能でしょう。
自分の町をどうするかは,首長ではなく住民にある,という点はしっかり認識しておくべきかもしれません。

おまけ・・伊勢崎市のパンドラの箱のさわりだけ
ここは,テレビではもちろん報じられていませんが,一応争いのない事実を踏まえて,さわりだけ紹介します。かつて,伊勢崎市の近所に住んでいたことがあるだけに,熱海市のパンドラの箱よりは分かるような気がするものがありますので,少しだけ。

ここは群馬2区という選挙区で,「競艇の父」が地盤としているところ,前回の衆議院議員選挙では,自民党は盤石だったはずなのに,1500票差というぎりぎりで当選という冷や汗ものでした。そこで,現在組織の建て直しを図っています。
ところで,群馬県は総理も多数輩出している「保守王国」で,議員も首長も上から下まで「自民系」が多数派を占めています。当然,伊勢崎市長もその1人です。
また,伊勢崎市は前述のとおり来年4月から特例市となるため,市長の権限が強化されます。さらに,保守系候補者選挙の場合,いわゆる「桃太郎」がまだまだ多く付いて回る実情があります(この点が,今あいついで逮捕された知事に近いものがあるといえるでしょう。)。
以上の前提条件を踏まえた上で,権限を持った市長とその政治団体や後援企業とのつながり,観覧車を造るために必要な会社のジャンルは何か,っていう点を踏まえると,何かが見えてきませんか??

これ以上は,調査不足ということで・・。

あ,いかん,掃除さぼりすぎた。このままでは,「掃除大臣解任」されてしまう。逆だ,さらなる大臣を併任されそうだ。さあ,掃除頑張ろう!!

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