あれは,あれで良いのかなPART2

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住基ネット,住基ネット,夢の住基ネットかな?

2006年12月12日 00時51分51秒 | 法律問題
先日大阪高裁で違憲判決が出ましたが,名古屋高裁金沢支部では1審の違憲判決を否定し,住基ネットは合法であるとの判決を下しました。

住基ネット2審は合憲 住民側が逆転敗訴(共同通信) - goo ニュース

いよいよ最高裁判断ですね

さて,最高裁がどんな判断を下すでしょうか。これがいよいよ住基ネットに対する最終的な判断となります。
ところで,今回の大阪高裁と名古屋高裁,判断がどのように割れたのでしょうか。
判決文を詳しく読んでいませんので,正確性を欠きますが,私なりに両判決をごく簡単に比較すると次のとおりになると考えました。

第1 大阪高裁(違憲判決)
1 住民の同意を得ないで住民情報を登録されるのはプライバシーの侵害である(データマッチングなど勝手な二次利用の可能性が否定できない。)。
2 住基ネットはシステム上プライバシーやセキュリティーが完璧であるとは言えない。
3 人的エラーや情報漏洩のおそれは否定できない。

第2 名古屋高裁金沢支部(合憲判決)
1 住民情報の登録は,行政事務上当然に必要であり,同意なくてもプライバシー侵害にはならない。
2 住基ネットのセキュリティに問題があるとは言えない。
3 住基ネットは公務員しか触らないが,法律で厳しく縛っているため不正行為はしないため,情報流出は想定できない。


以上になるでしょうか。
すなわち,大阪高裁は「システム疑心暗鬼論+公務員悪人説」に立っているのに対し,名古屋高裁は「システム万能論+公務員善人説」に立っていると言えます。
もちろん,判決はもっと詳細に検証しているため,こんな乱暴な一言で片づけられるものではありませんが,両高裁の裁判官の思想(正確には裁判上現れた主張と証拠)には,それぞれこのような内容のものであったと推測されます。

最高裁では,このあたりが中心争点となるでしょう。もう少しいえば,次のとおりです。
1 住民情報のプライバシー権と行政事務における住民情報管理権との優劣
2 住基ネット政策の違憲性(1の関連で)
3 住基ネットの安全性(事実認定が割れているため,この部分については最高裁として法律判断できないとして高裁差し戻しの可能性がある)
4 情報管理者たる公務員の制約の妥当性(現行法の縛りで十分か否か)


いずれにせよ,この問題,もう少し時間がかかりそうですね。

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