あれは,あれで良いのかなPART2

世の中の様々なニュースをばっさり斬ってみます。
ブログ界の「おか上彰」を目指し、サボりながらも頑張ります!

最近のニュースはベタニュースなり

2006年07月22日 01時42分53秒 | メディア論
秋田の事件報道もそうですが,最近の事件報道ニュースは,かなりパターン化されてきています。そこで,「くりーむしちゅうのたりらり」という番組でやっているベタドラマをパクりまして,「ベタニュース」を作ってみました。

第1 殺人事件のベタニュース
1 事件現場は必ず「閑静な**」。
2 レポーターは歩きながら現場を説明。
3 被害者の近所の人は皆「あの人はいい人だった」という。
4 容疑者の親族がモザイクで登場する。
5 容疑者の家をモザイクで紹介してしまう。
6 容疑者の卒業アルバムを紹介する。
7 容疑者の学校時代の知人が,モザイクで「彼は普段おとなしいのに,たまにキレると手がつけられなくなる」と証言する。
8 容疑者の学校時代の教師が,「目立たなくておとなしい子」と証言する。
9 容疑者の近所の人が,「あまり付き合いがないが,挨拶をしてくれるいい人だった」と証言する。
10 容疑者は借金で困っている。
11 弁護士が接見内容を全部話してしまう。
12 元警視庁刑事がいろいろ推理してしまう。
13 起訴後,「実は被害者やその家族が事件前に警察に相談していた」という話が出てくる。
14 警察は,「適切な対応だった」と汗まみれになって記者会見を開く。
15 記者から「対応が不適切だったのでは」と批判を浴びる。
16 事件の矛先を警察の対応に向ける。

第2 事故のベタニュース
1 ヘリコプターによる上空撮影。
2 レポーターが息を切らせて,「大変な惨状です。」と言う。
3 目撃者の証言はほとんど擬音。
4 事故原因は調査中だが,最近おかしな音がするなどの話があったと伝える。
5 事故の被害者遺族が小走りに走るシーンを追いかけて撮影している。
6 被害者遺族の告別式をモザイクにして報じる。
7 聞いたこともない**評論家が登場する。
8 その**評論家が事故原因の解説を始めるが,みんな言っていることが違う。
9 事故調査委員会が,「事故の原因は人災の可能性もある。」と説明する。
10 企業の責任追求が始まるが,スポンサー企業の場合は,このニュースが小さくなる。
11 「事故原因は,管理体制の甘さにある」と報じる。
12 企業の社長ら3人が記者会見で頭を下げる。
13 企業の社長がとりあえず謝り,「再発防止策を講じる」と記者会見で話す。
14 似たような事故が数日間報じられる。

第3 政治家スキャンダルのベタニュース(野党編)
1 冒頭は「大変なニュースが飛び込んできました」で始まる。
2 内容は,小さいもの。
3 コメンテーターが「議員失格だ,すぐに辞任するべき。また,党の責任問題もある」と批判を続ける。
4 与党幹事長が「議員として合ってはならない。我が党としても厳正に対処する。」と強気のコメントを出す。
5 一つのニュースを何日も引っ張る。
6 街頭インタビューや世論調査を実施する。
7 世論調査で半分以上が「議員の対応はおかしい」との結論がでる。
8 議員はとりあえず平謝りする。
9 党幹部も,仕方ないよなあ,という態度で謝罪する。
10 内閣支持率が上昇したと報じる。

第4 政治家スキャンダルのベタニュース(与党編)
1 冒頭は,「衆議院議員の**議員が」と軽く報じる。
2 内容は実は重い。
3 コメンテーターが「ちゃんと党内で再発防止策を考えるべきだ」と弱めの批判をする。
4 野党幹部のコメントは小さい,または報じない。
5 2日以上引っ張らない。
6 与党幹部のコメントが影アナウンサーの低い声による吹き替え。

以上がベタニュースです。他に,どんなベタがあるでしょうか。引き続き研究したいと思います。

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TB先一覧
http://www.kimkimniyan.com/2006/07/post_46.html
http://www.answer.co.jp/blog/suigei3/2006/07/post_76.html
http://ameblo.jp/kokkeibon/entry-10015069550.html

赤ちゃん連れ去り事件からいろんなことを考える

2006年01月08日 15時38分34秒 | メディア論
仙台市内の病院から連れ去られた赤ちゃんが無事保護されたそうです。

livedoor ニュース


とりあえず元気だったので,よかった,よかった。

容疑者とみられる男女2人は現在任意の事情聴取を受けており,まもなく逮捕状を請求するそうなので,今後の具体的な動機や事件背景などについては,警察の捜査の進展を伺いたいと思います。

ところで,今回のニュースについて,例によって,別の切り口から意見を少し。

1 報道協定とネット社会の関係
  実は,私も昨日の時点でこのニュースを記事にしようと思っていたのですが,あれだけ大騒ぎしていたニュースがパッタリと止まったのを見て,「ひょっとしたら,身代金目的誘拐か?」と思い,記事にするのを止めました。
  案の定,身代金誘拐事件となっていたため,マスコミ各社は報道協定(被害者の身の安全を守るため)によりニュースを止めていたようなので,私としても記事にしなくてよかったと思っています。また,報道協定については,マスコミの行動としてはしっかりしているなあ,と思います。
  しかしながら,報道協定の想定外の事項として,この「ブログ」などネット環境があります。
  ブログ上では,当然報道協定などありませんから,自由に書き込みが続けられます。
  もちろん,今回の場合は,多くの書き込み内容は「赤ちゃん,大丈夫かな?」的な内容であったため,結果的にはあまり大きな問題となりませんでしたが,内容によっては犯人の目にはいることで,徒に犯人を刺激してしまう可能性だって否定できません。
  そう考えたとき,私たちブロガーとしても,被害者(誘拐された人)の安否を気遣うだけならともかく,犯人と被害者の関係など犯人を刺激するようなことを記載することは控える必要があるでしょう。

  もっとも,現実的な問題として,「これは身代金誘拐か,単なる事故による行方不明なのか」をニュースから判断することは困難です。
  したがって,当面の措置としては,「突然ニュースが消えた行方不明事件は誘拐の可能性が高い」という基準を自分なりに設けておくのが良いのではないでしょうか。

2 とはいえ報道協定は国民に報じないだけ
(1月8日追記:踊る新聞屋-。さまから,ご指摘を頂きまして,内容をかなり修正しました。ご指摘本当にありがとうございました。取材自体も規制されている用ですね。)。
  先ほど報道協定を褒めましたが,この報道協定について注意しなければならない点があります。
  それは,「報道協定とは,犯人を刺激しないために,ニュースなどで報じない」というだけであり,取材活動は継続して行っている,という点です。
  したがって,各マスコミも十分に配慮しているとはいうものの,現実には,管轄警察署内の詰め所にに多くの記者が張り付いて取材を継続している状態になります。
  それだけならば,特に問題ないのですが,実は盲点なのは,「中継車」です
  報道協定が解除された瞬間に,各社一斉に中継を始めました。っていうことは,中継車が警察のすぐ側に置いてあるということになります。そして,経験則上,この中継車は警察の駐車場に止まっている場合が多く,警察署の駐車場がいわば「テレビ中継基地」状態になっている場合が多いです。
  この光景は,一般人が見ても,「なんか事件があったな」と思える状態であることから,もしも近くに犯人がいるならば,被害者が警察に通報して捜査の対象となっていることがすぐに分かってしまうでしょう。
  ちなみに,過去においても(古い話ですが),身代金受け渡しの指定された喫茶店に各マスコミ記者が詰めており,客が入るたびに写真を撮影する状況であったため,実際にやってきた真犯人がその状況を見て帰ってしまい,結果的に誘拐された人は殺害されてしまったという結末もありました。
  報道協定は,外に対する制限だけでなく,内側の取材自体も十分に配慮するべきであろうと言えますが,さらにいうと「外から見ても全く平穏な状態」を維持できるよう,最大限配慮する必要があると思います。
  今回の場合,当初は事件を報じた後に途中から報道協定を惹かれた状態であることから,駐車場問題はあまり問題視されることはないでしょうが,今後身代金誘拐事件などが発生した場合は,そういう盲点についても注意していただければと思います。

3 病院の安全管理体制について
  記者会見では,病院の安全管理体制の不備についてかなり指摘されていました。
  確かに,今回の記者会見を聞いている限り,防犯カメラもなければ,警備員も1人,さらには玄関は開いたままである上,当直看護師は少ないなど問題点があることは否定できません
  しかし,この病院に限らず,多くの病院においてセキュリティが甘いというのが実態ではないでしょうか。
  まず,病院は,夜でも急患が来ます。いつでも早期に対応するためには,玄関は開けておかざるを得ないでしょう。また,病院経営も厳しいことから,当直の人間は治療に必要最小限に留めておかざるを得ません。もし,この点を人員的に増員して常時誰が侵入しても対応できるようにしておくとしたら,結果的に治療費に跳ね返ることになり,医療費の高騰と健康保険財政の破綻にもつながりかねません。

  では,どうするべきなのでしょうか。
  病院に限らず,人の出入りが多い公共施設(学校,市役所,老人福祉施設,保育園等)においても,銀行のような警備システムを検討する必要があると考えます。
  銀行は,「お金」を狙う強盗が来るリスクが高い一方で,毎日まじめな客が山のようにやってきます。しかし,銀行の玄関をいちいち施錠したり,入るたびに指紋や顔写真を取っていると,まじめな客はその銀行がうっとうしくなり,行かなくなるでしょう。
  したがって,銀行の場合,「出入り口は自由にするが,守るべきところは守る」という構造設計と,「万一の時に確実に追跡できるシステムとする」という方策を講じています。
  具体的には,銀行を見てご存じのとおりですが,前者については「頑丈な金庫」や「乗り越えにくいカウンター構造」等にしており,後者については「防犯カメラ」「出入り口の身長チェックテープ」「カラーボール」「訓練」などで対応しています。
  このような対策を,客の出入りが多い公共施設でも検討すればよいのではないでしょうか。「お金」だけでなく「人」や「情報」も立派な財産です。むしろ,お金以上に人の安全を考える必要は高いと言えます。
  安全対策とは,何も鍵をして閉じこめておくことばかりではなく,まじめな客の利便性と犯罪発生の可能性を踏まえて,その施設にふさわしい安全管理システムは何かを考えることをいいます。

  ちなみに,記者会見で突っ込んでいた記者は,あたかも「外部侵入シャットアウトができなかった」システムを批判していましたが,では銀行強盗事件が発生したときも全く同じつっこみをするかというとそんな訳ないはずですから,もう少し突っ込み方を研究してほしかったと思います。

以上,例によって全く別の切り口から今回の事件を検証してみました。

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TB一覧(途中から始めましたの一部になります)
http://newsworker.exblog.jp/3359741
http://newsworker.exblog.jp/3639348

空ないぜ!,結婚パレード取材

2005年11月15日 23時37分51秒 | メディア論
紀宮さまと黒田さま(一応平仄あわせた方がいいでしょう)が今日めでたく結婚式を行われたそうです。

ご結婚おめでとうございます

およそこういう席に縁のない私にとって,専ら気になるのは,「こういう時って,ご祝儀いくら包んでいくのかなあ」とか「二次会とかやらないのかなあ」というはっきり言ってどうでもいいことばかりです
また,お二人が住まわれるマンションが55平方メートルの1LDKで,それでは狭いのでは,と宮内庁職員が言っていたそうですが,我が家はもっと狭くて古いぞ,悔しかったらうちに住んでみろ,と負け惜しみのように叫んでしまいました。

ところで,このおめでたいニュースの陰で,こんなニュースもありました。

NHKの上空ヘリ取材に抗議 宮内庁

記事によると,NHKが宮内庁の上空撮影自粛要請に反してヘリからの取材を行ったため,NHKの記者会見参加を拒否したというものです。

このニュースを聞いて,気になった点をいくつか(おめでたい日なので,軽めに)。

1 NHK以外のマスコミ各社は自粛要請に素直に応じたんですね。犯罪被害者の取材に対する自粛要請にはなかなか応じないのに。あ,そうか,今後は犯罪被害者等への取材はちゃんと節度を持って行う訳ですね。よかった,よかった!

2 NHKは自粛エリアの範囲外と思っていたのに,宮内庁に特に抗議をいわなかったようですね。朝日新聞の記事に対しては目くじらを立てて反論していたのに。

3 宮内庁は記者会見を拒否したってことは,国家権力が報道の自由に対して根拠のない規制をかけたわけですよね。だけど,当のNHKを含め,マスコミ各社は「報道の自由の侵害だ」と全く叫んでいませんね。国家権力による報道規制を容認しちゃったのかなあ?

ただ,宮内庁の名誉のためにも言っておきますが,上空取材の自粛要請自体は,警備上の事情を考えると,極めて妥当であろうと思います。ただ,あくまでも自粛であって,禁止するまでの根拠はありませんので,あとは各マスコミの良識に委ねられるということになります。
そういう意味では,今回,とりあえず各マスコミには良識があったといえるでしょう。

話は戻りますが,お二人が幸せな家庭を気づかれることを切望します。

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当たり前田のクラッカー

2005年11月14日 21時47分38秒 | メディア論
東武鉄道において,運転席に子供(家族)を乗せていたことを理由に運転士が懲戒解雇となる旨報道発表したところ,それに対して「厳しすぎる」等の苦情の電話やメールが殺到しているとのことです。

そもそも報道する内容か?

最近の大手企業はコンプライアンスの観点から,社員を懲戒解雇にする場合,一応記者発表するという取り決めになっている場合が多く,今回もその一環として東武鉄道が発表したものと思われます。
ただ,それに対する一般の方の反応はともかく,マスコミの報道についてもかなり過剰になっているのではないかと思わざるを得ません。なぜなら,懲戒解雇処分自体,どこの会社でもある話ですし,おそらく日本全国からすれば,毎日1件以上は発生しうるものだからです。

ところで,今回の件についてですが,まだ正式な処分発表前であること,当該社員のプライバシーを配慮すべき事項であること,個人的には前記のとおりニュースとして取り上げる案件ではないと考えていることから,特にコメントはしません。
ただ,一般論としていろいろ考える上で,次のことを皆様に質問したいと思います。

懲戒解雇とするか否かの基準って何でしょうか?

おそらく,この答えは「規則違反行為があり,かつ解雇することが当たり前と考える事情がある場合」ということになるでしょう。

では,「当たり前の事情」とは何でしょうか?

次の実例や想定事例を踏まえて,懲戒解雇になるかどうか考えてみてください(前提として,すべて服務規則に違反しているとする。)。
1 運転席に自分の子供を乗せたが,日常からタクシー代わりに子供を乗せていた場合。
2 運転席に自分の子供を乗せたところ,子供が操作盤をいたずらしたために,事故が発生した場合。
3 運転席に運転士の友人(成人)を乗せていたが,静かに座っていた場合。
4 運転席に運転士の友人(成人)を乗せていたが,電車オタクであることを理由にその友人から料金を徴収していた場合。
5 電車が車庫にある状態で,会社に無断で運転席に近所の子供達(ボランティアで運転士がサーカーチームのコーチをやっている少年団の子供達)を乗せてあげて,自由研究の一環として,鉄道の仕組みや安全に対する取り組みなどを説明していた場合。
6 運転士が運転中に携帯メールを操作していた場合(実例)
7 運転士が運転中に居眠りをしていた場合(実例)
8 運転士がうっかりミスを1か月に3回以上繰り返していた場合(実例)
9 運転士が私生活で自動車の酒気帯び運転をして警察に検挙された場合(実例)
10 運転士が酒気帯び運転(二日酔い)で電車を運転した場合(実例)
11 運転士が運転中急病になったため,免許のない車掌が一時的に運転を行って運転士が控える駅まで運行を行った場合
12 運転士が運転席でヘッドホンステレオを聴きながら運転していた場合(実例)

以上の項目については,いずれも服務規程に違反するため,懲戒解雇の対象となり得ますが,果たしてこの中のどれが懲戒解雇となりうると考えますか?

ちょっと意地悪な質問でしたので,答えを先にいえば,「これだけの事情じゃどれも懲戒解雇となるか否か分からない」というのが正解です。懲戒処分は,明確に行為が規定されている場合を除いて,服務規程違反を基準としつつ,これまでの勤務態度や違反の内容などを踏まえて判断しているからです。
ちなみに,上記の「実例」については,懲戒解雇となったものと,停職,謹慎処分や口頭注意で済んだものなど様々です。また,同じことをやっていたが違う処分になったという実例もあります。

以上のことから何が言いたいのかというと,「当たり前のこと」を考える上では,単にタイトルだけ(表面だけ)を見ても判断できない,ということです。さまざまな事情を踏まえてこそ,初めて「当たり前のこと」が判断できるわけです。
そして,それは,100人中100人全員が同じ判断をするとは限りません。「当たり前のこと」とは,実は「独りよがりの結論」である場合も意外と多いのです。

これらを踏まえて,それでも東武鉄道に対して抗議や賞賛のメールや電話をしたい方はしてください。また,マスコミの報道についても,どこまで深くつっこんでいるのか,あるいは単なる感情論なのかを十分に見抜いて自分なりの考えを持ってください。

繰り返しますが,私としては,この件は「報道するに値しない事件である」と考えますので,今回の記事は一般論である,という前提で書いています。

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事件は会議室で起きてるんじゃない,現場で起こすんだ!

2005年11月06日 22時07分01秒 | メディア論
NHKの記者が連続放火犯であったということは,極めてショッキングな出来事でした。
また,時を同じくして,埼玉新聞の記者が,去年の運動会の写真を使って新聞記事にしていたことが判明しました。

一体何を信用すればよいのか?

NHKや埼玉新聞の監督体制などについては多くのブログで議論がされていますので,ここでは触れません。
ただ,視聴者や購読者の立場としては,「何が真実なの?」といいたくなってしまいます
なにしろ,事件を作ってしまったり,また記事自体ねつ造しているわけですから,恐ろしい限りです。
ちなみに,ルーマニアのチャウシェスク政権時代は,国民の燃料費を減らすために,新聞に書かれた天気予報の温度を数度高く報じていたそうです。

ところで,ここ最近の新聞やテレビでの不祥事とされる報道を見る限り,明らかに事件を作りすぎています。
そして,思うに,これは,「スクープ欲しさ」のためではないでしょうか
確かに,どこもマスコミもスクープはほしいでしょう。しかし,スクープは作るものではなく,集めるものです。じっくり取材を通じることでスクープは入手できるはずです。
放火したNHKの記者も,記事が取れずに焦っていた旨供述しているそうですが,それは「足による取材不足」といわざるを得ないでしょう
本当にスクープがほしいなら,政治家に密着取材してみましょう。一つや二つあっという間に出てきますよ。
ちょっと嫌みになってしまいましたが,最近のニュースでは,このような政治ネタは極めて少なくなっています。もっと政治家に突っ込み,政治家や官僚がやること(政策面について)に対して,イエス,ノーをはっきり言っているようなニュースを見たいものです。

話を戻しますが,これからは,どの情報が正しいのかという点を見極める「情報リテラシ」という考え方を,私たちも身につけるべきでしょう。新聞もテレビも,必ずしも正確な情報を報じていません。もう,これは事実として受け止めなければなりません(もちろん,各メディアは信頼回復のための措置を講じてほしいですが。)。また,これからのメディアといわれている「ネット」も,決して正しい情報ばかりではありません。むしろ,相対的にはまだまだネットの情報の方が胡散臭いでしょう。
したがって,正しい情報を得るためには,複数の情報ソースからトータル的に考えていくしかないでしょう(映像だって偽造はできますから。)。

正しい議論をするためには,正しい情報に基づくこと,この基本的なことができるような社会になってほしいものなのですが・・。

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これからのメディアはどう変わっていくのか(予測)

2005年10月30日 02時55分15秒 | メディア論
楽天とTBSとの問題において,テレビとネットの融合を進めようという楽天の提案に対し,TBS側はそれについて消極的な見解を示しているほか,他のテレビ局も軒並み融合は難しいという態度を示しています。その根拠として,アメリカでの失敗例を金字塔のごとく提示しています。
ただ,果たして本当にそうなのでしょうか。
今回は,私の推測(憶測)だけの記事になりますが,これからメディアが進むであろう道を大胆に予測したいと思います(10月30日追記:項目4を追加しました。)。

1 これからは「テレビ」が主流なのか「ネット」主流なのか
  結論から言えば,このような議論はナンセンスです。
  テレビもネットも,という時代になります
  実は新たなメディアが登場すると,このような議論は必ず起こりました。テレビ放送が開始したときも,「これからは映画とテレビ,どっちが主流になるか」とか「映画,ラジオ,新聞はテレビの登場により滅びないか」などです。
  しかし,テレビは主流になったものの,決して映画や新聞がなくなったわけではなく,それぞれのメディアはすべて顕在しています。むしろ,きれいに棲み分けができる感じすらあります。
  このように考えた場合,これからは確かにネットの時代であるとは思いますが,決してテレビが廃れるわけではなく,双方それぞれの役割に担った活躍をするものになるでしょう。

2 「ネット」と「テレビ」の融合は無理なのか
  テレビ局側は,「ネットと融合すると,いいところをネットに持っていかれるため困る」と考えていると思われます。
  しかし,テレビ局側も,実はネットのコンテンツ技術をのどから手が出るほどほしがっているのです。それは,「地上波デジタル放送」です。
  地上波デジタルでは,番組の情報や関連情報をリアルタイム提供でき,双方向放送も可能になるということを売りにしています。そして,この情報提供や双方向放送の機能は,基本的にネット技術と同様な形となります。
  ところが,現在は試験放送だから仕方がありませんが,デジタル放送における提供情報は,「字幕に毛が生えた程度」のものに過ぎません。つまり,テレビ局が持っていないノウハウ(ネットコンテンツ技法)では,この部分を満足がいくものに仕上げていくことには自ずと限界があります。
  そこで,この部分については,既存のネット業界の力を借りなければならなくなります。
  したがって,テレビ局のネット会社とのつきあいは,今後ますます深まることになるでしょう。

3 逆にネット会社がテレビ放送までブロードバンドで送信できるか
  技術的には可能です。しかし,新たに技術のために物理的に用意するためには,多額の資金が必要となります。そうであれば,既存の放送局の施設を使えるようにした方がよいでしょう。
  また,テレビ局が放送した番組を買い取り,二次送信するということもできますが,著作権法で厳しく規制されていることから,リアルタイムはもちろんのこと,即座に再放送というのも実はかなり難しいといえるでしょう。
  結局,ネット会社も独自のコンテンツを充実する程度しか思いつかないようです。

4 携帯電話の扱い
  携帯電話は,今ではほとんど1人1台持っている状態になっています。また携帯電話は,今では電話の機能よりもメールやウェブ情報の閲覧など,限りなく端末パソコン化しています。一方で,テレビ放送も見られる携帯も登場しました。
  したがって,今後のメディアがどうなるのかについては,「携帯をどう扱うのか」にすべてかかっているとも過言ではありません。
  現状どおり,メールやウェブコンテンツを強化するのであれば,ネット主体のメディアに移行する可能性がありますが,テレビ放送が見られることを踏まえ,そこから各種情報を入手できるようになれば,テレビが主流の座を失わないでしょう。
  つまり「携帯を制圧するものがこれからのメディアのイニシアチブを取れる」といっても過言ではありません。ただし,冒頭にも書きましたとおり,どっちかが廃れるという話ではなく,携帯電話もむしろ「両者混在型」が主流商品となるでしょう。

5 まとめ
  今後のメディアは,ネットもテレビも,という時代になります。
  テレビ局はデジタル化を視野において,ネット会社からノウハウを得る必要があります。
  ネット会社は,ニュース等の配信を重要にすると共に,著作権の問題を早期にクリアできるよう全体的に議論する必要があるでしょう。
  ただし,携帯電話というアイテムをなめてはいけません。これからは携帯も大変重要な道具になるでしょう。

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一連のやらせ報道を考える(その2)

2005年09月11日 12時54分31秒 | メディア論
前回につづきます(前回の記事はこちらをクリックしますとジャンプします)。

2 やらせ報道と世論調査について
  選挙に関する世論調査の報道が連日続いています。
  中身については,ここではあえて触れませんが,前述のとおり報道の信頼自体がなくなってしまうと,この世論調査自体も信憑性はないということになります。
  そう考えたとき,やらせの多いマスコミの世論調査の信憑性にはいささか疑問を感じざるを得ません。

  また,世論調査の結果について注意してほしい点は,「いつ,誰を対象に,何を聞いたか」という点です。
  例えば,「月曜日の朝10時から夕方4時までに,全国の成人男女1000人の自宅に電話して,あなたの会社の社長への不満を聞いてみました」というテーマの世論調査があったと仮定します。
  どんな結果が出るでしょうか。ほぼ確実に「給料が安い」「残業が多い」「特にない」となるでしょう。一方で,「会社の今後の方針」「人事登用」「プロジェクトのあり方」などという回答は皆無になるでしょう。
  なぜでしょうか。理由は簡単です。平日の日中に自宅にいる会社員はいないからです。この調査だと,自宅にいる専業主婦が調査の大半を占めることになるため,回答結果はあなたの会社の社長の不満ではなく,だんなの会社自体への不満ということになってしまうわけです。
  しかし,会社の社長側からすると,この世論調査を見て,「まあ,社員の給料と残業さえ注意しておけば,あとは今までのワンマン経営でも大丈夫か」等という評価をしてしまいかねません。これで,果たして社員の意向を本当に反映した世論調査といえるかは説明するまでもありませんね

  この例では,多少誇張(演出ですよ!)した例で説明をしましたが,いずれにしてもこのように,各社の世論調査を読む場合は,結果以外の点も十分に注意をしましょう。
  更にいうと,マスコミ各社は自社に有利な調査結果を出す場合さえあります。例えば,前述の例で説明すると,調査対象を「全国の成人男女1000人」から「とある農村の成人男女100人」とした場合,会社員が少ないこと,仮にいたとしても誰が回答したのか特定されてしまいやすいことから,「とくにない」という結果になる可能性が高いです。そうなると,この世論調査から,社員は何の不満もなく仕事をしているという評価になってしまいます。
  また,質問内容を「会社の社長への不満」ではなく「会社の社長に満足か」と聞くと,おそらく,不満であるという数字は前者の聞き方より減るでしょう。このように同じことを聞くにしても,その視点をどこにおくかによって結果は大きく変わるものです。もちろん,これをもって直ちに「世論調査はやらせだ」という結論は乱暴すぎますが,少なくとも世論調査を多角的に分析していない報道機関があったとしたら,その世論調査はかなり信憑性に疑問を感じざるを得ません。

  以上を十分踏まえて,各報道機関の世論調査の結果を読んでみましょう。きっと新たな発見があるかもしれませんよ。

  今回の選挙については,世論調査を無視しろとまではいいませんが,少なくとも投票の際は,世論調査の結果は無視して,自分の信念のみに基づいて投票しましょう。

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TB先一覧
http://kurumachan.seesaa.net/article/22758155.html

一連のやらせ報道を考える(その1)

2005年09月11日 12時30分48秒 | メディア論
ここ数日,やらせ報道に関するニュースが続いています。朝日新聞の一連の虚偽記事事件,フジテレビ「目覚ましテレビ」の1コーナーでのやらせ,NHKニュースにおける梨ばらまき事件などがあげられます。各事件の内容については,既に多くのブログで書かれているため,ここでは割愛します。

ここでは,別の視点からこの問題について考えたいと思います。
1 やらせと演出の違いは何か
2 やらせ報道と世論調査について


1 やらせと演出の違いは何か
  この点は,よく様々な番組で議論となりました。大きな目安としては,「報道番組で事実と異なる報道をした場合はやらせ,バラエティ番組の場合は番組の仕込みも含めてすべて演出」となるといえます。
  もう少し丁寧に定義付けするならば,「やらせ」とは社会的な世論を作り上げる目的で,そもそも存在しない事実をあたかも存在するかのように報じること,またはある事実について誇張して報じることをいい,「演出」とは,社会的な世論形成に関係のない事項について存在しない事実を作り上げること,またはある事実についてそれをより分かりやすくする目的で大きく表現をすることといえるのではないでしょうか。
  例えば,過去の例として,「アフタヌーンショー」で中学生リンチ事件を報じたが,実はこれは完全にテレビ局が仕込んだ「やらせ」であるとして番組打ち切りとなりましたが,これは事実自体をねつ造したこと,この番組はバラエティ要素が強いものの,内容は社会への警鐘という報道的要素が強かったことから,報道番組に属していたことから「やらせ」に該当したといえます。
  一方,「電波少年」のヒッチハイク企画で実際は飛行機を使っていたという件については,この番組はもちろん,この企画自体に報道的要素はなく,完全なバラエティ番組であったということから,「やらせ」ではなく「演出」ということでけりが付きました。
  では,「報道っぽいバラエティ番組」はどうでしょうか。典型例は「探検隊もの」です。きれいなサソリが集団で襲ってきたり,巨石が突然転がりながら地面にぶつかるとまるで発泡スチロールのようにバウンドしたり,隊員が川に落ちる数秒前からその隊員をアップで撮影しているなどはらはらどきどきの場面が続くあのシリーズですが,あれを「やらせ」でけしからん,という人は多分いないでしょう。たしかに,番組の建前は,バラエティではなくノンフィクションのごとく作り上げているものの,あのシリーズは,見る人も「今日はどんな仕込みがあるか」という前提で見ているために,社会的な世論を作り上げるという存在ではないことから,「演出」ということになります(ちなみに,私はあのシリーズ,大好きです。今時,あんなに笑える番組はありませんから。)。

  ところで,今回の一連の件は,本当に「やらせ」なのでしょうか。
  まず,朝日新聞の件は,基本的にニュースとは社会的世論を形成するための事実であるため,問答無用で「やらせ」となります
  目覚ましテレビの件については,あの番組が報道かという点に若干問題があるものの,一応情報番組という観点からすれば報道といえるでしょう。また,問題の企画についても,社会的世論を作り上げるような内容とは言いがたいものの,企画全体を通してみると,内容によっては社会への問題提起や視聴者の賛否を問うようなものもあったため,やはり世論形成に必要だったといえるでしょう。したがって,「やらせ」です。
  NHKの梨畑報道はどうでしょうか。やはり,台風の被害の実態を伝えるという点からすれば,世論形成に欠かせない事実といえ,また梨をばらまくことにより被害の大きさを誇張したといえるため,これも「やらせ」になります。

  ただし,注意したいのは,報道での演出はありだといえることです。各社が問題としているテーマに関する報道については,事実を歪曲しない範囲でより分かりやすく視聴者,読者に伝えるという使命があります。そして,そのわかりやすさを追求するために,「演出」という技法は必要でしょう。

  まとめますが,少なくともここ最近のやらせ疑惑報道については,やはり事実の歪曲という要素が強いのかなあ,と思います。そして,やらせをやり続けると,やがては「報道への信頼」がなくなります。報道への信頼のない社会は,何も信用できないヤミ社会となってしまいかねません(この点は,私の過去の記事を参照してください)。

長くなりましたので,2については別の記事にします(こちらをクリックしますと2の記事にジャンプします。)。

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NHK,受信料未払いに対し法的措置に打って出る?

2005年09月07日 01時45分28秒 | メディア論
NHKが受信料未払い対策として,簡易裁判所の支払督促を用いた法的措置に出ることを検討しているようです(ニュースソースはこちら)。

そりゃあ,たぶん無理でしょう!

NHKの気持ちは分かります。でも,次の理由から,きっと法的措置は無理です。
1 費用倒れ(申立時)
  どのくらいの期間未払いの人を対象にするのか分かりませんが,まあせいぜい2,3万円程度の人が多いのではと推測します。
  それを前提にした場合,申立時の費用がおよそ2千円程度かかります。しかし,もしも支払督促に対して異議が出た場合,通常訴訟に移りますが,その場合,更に約7千円ほどかかります
  つまりトータルで1万円弱の申立費用がかかります
  100万人近く未払いの人がいるようですが,仮に全員に対してやるとなった場合,申立だけでも約100億円近くの費用がかかることになります。

2 費用倒れ(強制執行)
  仮に督促や判決で全面勝訴したとしても,それでも任意に支払わない場合,強制執行(差押え)が必要となります。
  金額的に不動産を押さえることはあり得ないため,債権執行という手段になります。
  これは,預貯金や給料を差し押さえることになります。
  この申立の費用が,約1万円程度かかります。また,押さえる対象を調査して特定する必要があります。つまり,約100万人について預貯金はどこにありそうか,またどこに勤務しているのかを調査する必要が出てきます。おそらく,この調査費用は安く見積もっても5万円くらいはかかるのではないでしょうか。
  とすると,強制執行をするためには約6万円近くかかることになります。100万人に対してすべて強制執行をするとした場合,600億円が必要となります
  そして,強制執行のための費用も差押えが成功すれば一応取り戻すことも可能ですが,すべてがすべてうまくいくとは限りません。その場合は,申立費用はパーです。
  100万人のすべての人がサラリーマンである,または分かりやすい銀行に預金口座があるとは限りません。
  おそらく半数近くは強制執行がうまくいかないのではないでしょうか。とすると,300億円近くをどぶに捨てることになります。

3 そもそも支払督促または判決になるか
  そもそも,NHKの申立が認められるのか,問題となります。
  おそらく,NHKの主張としては,放送法32条により支払義務がある,ということから請求することになるでしょう。
  ところが,放送法32条は次のように規定されています。

第32条  協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。

  この条文は,契約義務を課しているが,契約したことをみなすものではありません。
  となると,まず不払いの理由として,契約を解除した場合や,そもそも契約をしていない場合,支払の根拠がなくなってしまいます。
  よって,この場合,裁判所はNHK請求を認めない可能性が高いです

  では,単に支払を止めているだけの場合はどうでしょうか。
  この場合は,契約の効力が争いとなりますが,32条の適法性が争いとなるでしょう
  そして,32条が適法か否かについては,学者の間でも議論がある部分であることからすると,支払督促に対して異議が出て通常訴訟になった場合,裁判所でも判決が分かれる可能性があります
  したがって,100万人に対して訴えを提起しても,勝訴率がどの程度なのか,正直分かりませんし,かなり低い勝訴率になるのではないかと推測されます。

以上の観点から,NHKの法的措置は絵に描いた餅ではないかなあ,と思います
むしろ,法的措置により感情的に支払いを辞めてしまったり,意地でも払わないと言う人が出てきて,結果的により減収になるのではないでしょうか。
そもそも,以前も書きましたが,強制的に取ろうという発想自体,間違っていると思います。本来は,みてもらってなんぼのはずです。
目先のことよりも,先のことをよーく考えて検討してほしいものです。

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   TB先一覧(途中から始めましたので,一部です)
http://plaza.rakuten.co.jp/machine10/diary/200602030000/
http://blog.livedoor.jp/qryuu/archives/50374722.html
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/579c284521b9405825c3264534280058

報道機関に対する私の真意(お願い事項)

2005年05月06日 23時17分28秒 | メディア論
私は,ここ数日のJR西日本に関する報道について,連日厳しい口調で意見をしています。本来ならば,ここでこの話は止めて新たな話題にしようと思ったのですが,やはりどうしても一言言いたい(というか,お願いをしたい)ことがあるため,しつこいのは承知の上で,あえて書きたいと思います。ただマスコミを叩くだけでは,マスコミがJR西日本にやってることと全く変わらないことにもなりますので。

ここ数日,私がマスコミに食いついているのは,前回も書きましたとおり,マスコミに対する期待があるからです。

戦後,言論の自由が憲法上保障され,報道の自由も認められることにより,数々のスキャンダルを暴き,時には内閣総辞職に追い込むなど,世論形成に大きな力を担ってきていました。
また,国民の知る権利(国家や大企業に対するものですよ,もちろん)を満たすために,取材活動の範囲や方法を研究し,今ではかなりの情報をマスコミが入手できるようになりました。
これは,1国民として深く感謝する次第です。

しかし,最近のマスコミ報道は明らかにおかしいです。国家や大企業(JR西日本も大企業ですが)に対して,核心に迫る情報の入手をしていません(政治ニュースは,最近は明らかに大本営発表状態です。各社でスクープがないのがその理由です。)。大物政治家に恫喝されるのが怖いのか,官房長官に突っ込む記者,首相にくってかかる記者,怖い与党議員やある知事にはっきり反論する記者がいません(外務省秘密漏洩事件以来,若干慎重になったという点は理解できますが。)。
これができなくて,報道の自由を語る資格はありません。
次に,取材や報道の矛先が弱い者に変わってきています。これは,以前私が書いた話と重複しますので割愛しますが,少なくとも世論形成には屁の役にも立たないゴシップ記事を平気で流すようになってきている点はいかがかな,と思います。

このように,矛先が弱いものに変わると,実は恐ろしいことがあります。それは,国家や大企業は報道をなめてかかります。つまり,国や大企業は安心してやりたい放題になります。すなわち,特別な法規制なくして実質的に報道を制圧したことになります。これは,完全に言論統制です。結果,十分の世論が形成されず,再び独裁政権が発足することも十分あり得るわけです。
言い方を変えると,国家や大企業は,報道の力が弱くなることを首を長くして待っていました。今,まさにその状態になっているわけです。

また,世論が形成されない報道を続けることにより,報道に対する信頼がなくなるという恐ろしさがあります。この点は,従来は競争原理により,各社対応していました。しかし,今全社がゴシップ記事化することにより,世論形成のための競争はなくなりつつあります。
すると,報道に魅力がなくなり,やがては報道相手にしなくなります。そして,新聞,雑誌,テレビのニュースは廃れるでしょう。
これに取って代わるのが,各社が恐れている「ネット」です。ネットニュースの参入を頑なに拒んでいますが,実は今の自分たちの報道姿勢により,ネットニュース参入への道をきれいに舗装しているに等しいと言えます。
既得権益を守るつもりが,結局,自分の首を絞めていると言っても過言ではないでしょう。

マスコミは,今自分たちが窮地に追いつめられていることを認識しているでしょうか。もし,認識しつつ今回の活動をしているのであれば,それは「報道の自殺」です。報道規制について語る資格はありませんし,そもそも報道の自由を語る資格もありません。
逆に,マスコミがそのことに気が付いていないのであれば,それは情報収集能力の欠如です。マスコミとしては重大な欠点をさらけ出していることになります。今,ネット上でこのようなマスコミ攻撃の記事がかなり多く見られるわけですから,その真偽はともかく,少なくとも自分たちに対する批判が起こっていると言うこと事態は認識できるはずです。もちろん,それをどう評価し,料理するかは各社の自由ですが。

長文になりましたので,全体をまとめますと,言いたいことは次の3点です。
1 今のままでは,結果的に報道の自由を自ら否定することになる。
2 今のままでは,近いうちに確実にネットニュースに取って代わられる。
3 国や大企業は,ますますやりたい放題になる。


マスコミ各社とも,本当にそろそろ目を覚ましませんか。
もう一度,世論を形成できるようなすばらしい報道をしてください。もちろん,そのためには取材のあり方ももう一度よく考えてください。
このままでは,言論の自由を勝ち取った先代の記者が泣きますよ。
しつこいですが,報道に対する期待が高い私としては,真のジャーナリズムの波が再び訪れることを願ってやみません。

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ちなみに,JR西日本にいろいろと突っ込んでいますが,それとほぼ同じ内容でマスコミ各社につっこむとこうなります。

1 あなたの会社の今期の第一目標は何ですか→「売り上げ部数を増やす,または視聴率を上げる」→「稼ぐ」だね。
  すると,あなたの会社は「真実の追究」や「正確な報道」よりも「稼ぐ」ことを優先している会社なのですね。

2 ネット上でこれだけ叩かれていることを全く公開していませんね→隠し通せると思ったのですか→ネット社会の人口も数千万人いることを知らないはずないでしょう→危機意識がないんじゃないですか。

3 記者の人が笑いながら献花台のところにいますね→モラルがないんじゃないのですか→記者への教育はどうなってるんですか。

4 ある新聞では,この事故をパロディにした川柳を発表していましたね→誰も止めた方が良いと言った人はいないのですか→デスクでだれか止めることを進言する人はいなかったのですか。

以上,全く同じつっこみが可能です。まあ,これはパロディということで(本気で書くと私も同じ穴の狢になってしまうので)。