あれは,あれで良いのかなPART2

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ゼロ金利政策解除,喜ぶのは誰?

2006年07月16日 04時55分13秒 | 経済全般
いよいよゼロ金利政策を止め,かつてのように各銀行とも金利を付けることができるようになりました。
これに伴い,銀行預金に対する利息が上がると同時に,貸付金利も上昇し,住宅ローンなどの負担が増えることになりそうです。

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いよいよ勝ち組負け組二極化しますね

ゼロ金利政策の解除は,今まで異常だった金融政策を通常の状態(ケインズ理論)に戻すわけですから,形式的に見れば「常識的な状態」に戻ったと言えます。当然,これによって銀行間の自由競争が復活し,また日銀も公定歩合による景気の調整が可能となってきます
ところが,現実的に金利が上がって喜ぶのは預金者のみです。しかも,金利のお得感を感じられるのは定期預金であり,しかもその金額は相当な大金であることになるでしょう。
例えば,金利が年利1%に上がったとして,10万円預けていても1年間に1000円にしかなりません。これでは,月1回休日にATMからお金をおろしていると結局手数料で赤字状態が続くことになります。ところが,100万円預けていれば1年間に1万円の利息が貰えるため,この辺の金額からはじめて「なんかお得!」って思えるのではないでしょうか

また,今世の中では持つものと持たざるもののいわゆる二極化が目立ちつつあります。そして,持つ者については,そもぞも銀行にはあまりお金を預けておらず,村上ファンドに代表されるような各種資金運用に回している場合が多いです。
とすると,実はゼロ金利政策解除によって本当に得をする預金者はほとんど存在しないのです。

逆に,貸付金利が上がることから,現状をどうにか維持している中小企業,特に未だお世辞にも景気が回復したとはいえないような地方都市の企業(中でも建設業や不動産業)にとっては,貸付金利の上昇は,単純に「企業利益の減少」につながります。この企業利益の減少を減らすためには,仕事を増やすかさらなるリストラを進めるしかありません。しかし,地方自治体の財政破たんに代表されるように公共事業は今後伸びることは期待できず,また人員削減などのリストラ策は,既にやれるだけやってきており,これ以上進めることは無理でしょう。
つまり,地方都市の企業の大半は,「金利が上がったことによる企業経営継続が困難」という状況に陥り,最悪倒産するという可能性が出てきます

そして,更に恐いのは,その地方企業に金を貸していた地方銀行です。実は,ゼロ金利政策解除によって,地方銀行は大きな岐路に立たされることになります。資金,すなわち預金を集めるためには大手銀行よりも金利を高くする必要があります。一方で,上記状況くらいは当然地方銀行も読めることから,貸し倒れを防ぐために貸付金利はそんなに高くすることはできません。したがって,地方銀行自体の利益もさほどでないばかりか,倒産リスクまでも抱え込むことになるのです。すると,今度は地方銀行が破たんするか,または大手銀行に合併されるかどちらかの方法で生きて行かざるを得ないことになってしまいます。
そして,いずれの道を選んだにしても,地方都市の銀行は結果的に更に減少することになる,という状態になり,ますます貸付が厳しくなってきてしまうことになります。結果,資金繰りに困った企業のさらなる倒産が発生する,という状態になるでしょう。

若干デフォルメしている点はありますが,以上のように現状におけるゼロ金利政策解除は,実は地方都市の企業と銀行に対し,壊滅的なダメージを与えかねないということになります。また,多くの庶民も,給料はさほど上がらないのに住宅ローンの増額等による生活費減少という苦悩を迎えることになります。一方で,大都市の企業と裕福層の住民はゼロ金利政策解除による恩恵を受けまたは損害を被ることなく,ますます生活が豊かになるという構造になるでしょう。

決してゼロ金利政策がいいとはいいません。むしろ,金利は自由化であることが望ましいと考えています。しかし,「景気が回復した」という必ずしも正確とはいえない判断に基づくゼロ金利政策解除は果たして本当に妥当なのか,疑問を感じずに入られません。地方都市の一般企業の経営者達が「景気が良くなってきたねえ」と普通に言える状態になって,初めてゼロ金利政策を解除するべきではないかと言えます。
そして,この点の判断については,本来的には政府与党が口出しするものではないはずなのですが,残念ながら今の日銀総裁は,政府与党に完全にしっぽを握られてしまっていることから,経済的観点よりも政治的観点に基づく経済政策を続けざるを得ないのでしょう。
あとは,ただ私のこの記事が,単なる自分の妄想で終わることを祈るだけです。

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