あれは,あれで良いのかなPART2

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先手必勝とはいうけれど

2006年07月12日 23時43分12秒 | 政治
北朝鮮のミサイル問題について,額賀防衛庁長官が,「ミサイルを発射しようとしている敵基地を先に攻撃することは法律上可能である。」との見解を改めて示し,物議を醸しています。

額賀長官「敵基地攻撃、法理論的には認められる」 (朝日新聞) - goo ニュース
額賀防衛庁長官は11日の記者会見で、北朝鮮のミサイル発射をうけ議論されている敵基地攻撃の能力保有問題について、「他国から例えば精密誘導兵器で攻撃され、防ぎようのない時にどうやって国民と国家を守るか。その場合は相手基地を攻撃することもやむを得ない手段として、法理論的には認められる」との見解を改めて示した。
 そのうえで「現実的にどうするかは、きっちりと議論をしていない経緯がある」として「98年や今回の北朝鮮のミサイル発射を契機に、少なくとも与党内で議論されたらいかがか」と述べた。
 また、敵基地攻撃の議論に韓国大統領府が反発していることについて、額賀氏は「(日本が)戦後60年、自由に徹し平和を守ってきた実績を考えれば、理解してもらえると思う」と述べた。


大丈夫かなあ・・

もちろん,自分たちのみの安全を守るためには敵基地攻撃は有用であるといえます。
しかし,日本でそれを行う上で最大の足かせ,それは「憲法9条」です。
今回の政府理論は,あくまでも「日本を攻撃する可能性が高く,かつ正当防衛としての要件を備えていれば先制攻撃もありとしています。また,実際には,トマホークなどの巡航ミサイルを使うことで,ピンポイントの攻撃が可能であるとしています。

しかし,先制攻撃は,外形的には「宣戦布告」です。すなわち,憲法9条でいっている「戦争放棄」に反してしまう可能性が高いです。
また,憲法云々以前に,そもそも先制攻撃にはリスクがあります。宣戦布告とみなされる他にも,攻撃先が基地でなかったといわれた場合や誤爆の場合の責任論や,爆撃した基地以外からの一斉反撃に対抗できる力を日本が持っているか等について十分に考えておく必要があります。
「先手必勝」は確かに有用かもしれませんが,「1匹見たら100匹いると思え」のゴキブリ退治と同じで,その基地だけを攻撃したところでほとんど安心はできないどころか,かえってそれで相手の敵意に火を付けてしまい,もっと大変なことになってしまう可能性も十分検討する必要があります。
残念ながら,現在の政府与党の見解や国民議論は,「子供の喧嘩」的な発想に基づいているといわざるを得ません。

冒頭にも書きましたが,私は先手必勝方式を決して否定しません。ただ,そのためには,確実な法整備と,その後の戦略,さらにはその戦いの終局方法などについて,事前に十分検討しておく必要があるでしょう。少なくとも「ただ恐いから」だけで敵基地攻撃論に賛同を示すのはあまりに期待しすぎです。

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