インスリン使わず血糖値減 マウス実験 1型糖尿病治療 名大グループ
2019年11月13日 (水)配信読売新聞
名古屋大の研究グループが12日、1型糖尿病患者向けに、インスリンを使わず、「レプチン」と呼ばれるホルモンを活用して血糖値を下げる治療法をマウス実験で発見したと発表した。臨床応用されれば、インスリン皮下注射から患者が解放されるとしている。
1型糖尿病は免疫機能の異常が主な原因で、生活習慣に関係なく、突然発症する病気。糖尿病全体の1%程度で、患者は全国に約10万人いるとされ、治療法は毎日4~5回、インスリン皮下注射を打つしかない。
一方、脂肪細胞から分泌されるレプチンは脳に作用し、血糖値を下げることが知られている。マウスの脳に投与すると血糖値は下がるものの、人の脳への直接投与は難しい。
研究グループは、レプチンを皮下注射や鼻にスプレー投与した場合、体内のあるたんぱく質が、レプチンの作用を邪魔することに着目。1型糖尿病のマウスに、レプチンと、そのたんぱく質の力を抑える薬剤を組み合わせて投与したところ、血糖値が正常化することを発見したという。
今年8月に特許出願済みで、坂野僚一准教授(内分泌代謝学)は「なぜ血糖値が下がるのか、メカニズムを解明し、臨床応用につなげたい」と述べた。
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