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特定看護師、法制化議論で意見割れる

2011年11月23日 23時27分01秒 | 仕事
特定看護師、法制化議論で意見割れる

日医委員ら6人、「時期尚早」と意見書、厚労省は年内決着の姿勢崩さず


 厚生労働省のチーム医療推進会議(座長:永井良三・東京大学大学院教授)の第9回会議が11月18日に開かれ、厚労省が提示した「看護師特定能力認証制度骨子(案)」について、制度化することのメリット、デメリットなどを議論したが、各委員の意見は賛否が分かれた(資料は、厚労省のホームページに掲載)。厚労省は同会議での意見を12月の社会保障審議会医療部会で報告した上で、再度同会議で議論をする方針。

 看護師特定能力認証制度骨子(案)は、11月7日に「チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ」で示されたもの(「厚労省の特定看護師の骨子案、委員から強い疑義も」参照)。ワーキンググループでは厚労省が特定看護師(仮称)を看護師特定能力認証制度として法制化に向けて議論を加速させたことで、賛否が分かれたことを踏まえ、永井座長は、「厚労省の認証制度にするべきという意見と、現場で教育をすれば良いという意見もある」と述べ、論点整理から始めた。


チーム医療推進会議の座長を務める東京大学大学院教授の永井良三氏。

 永井座長が示した論点は、(1)看護師特定能力認証制度を法制化することのメリットとデメリット、(2)法制化しないことのメリット、デメリットという軸だ。この議論の前提として、これまで同会議内で、看護師の現状は、カテーテルの挿入や動脈内採決など、医行為に近いもしくは医行為に該当するような行為をする「グレーゾーン」があることを確認。また、グレーゾーンに対応するための教育・研修は行う必要があるという点も共通認識とした。

 議論では、特定能力認証制度を設けるメリットとしては、虎の門病院長の山口徹氏が、「特定看護師(仮称)を制度化することで、国が教育の場を確保してもらえれば、院内での教育労量の負担軽減にもなり、医師も新しい領域に向かうことができる。看護師が行う特定行為は詰める必要があるが、厚労省の認証制度であれば医行為を整理するのにも役立つ」と述べた。一方で、日本医師会常任理事の藤川謙二氏は、「特定看護師(仮称)を認証するのは病院ごとにすべきだ」と、教育を受けて厚労相が一律に認証した場合に、特定行為をする際の責任の所在が不明確だと指摘。1時間超にわたる議論の中で、「看護師の能力を担保できる」という賛成意見と「責任の所在が明確でない」などの反対意見で分かれ、平行線をたどる形となった。

 会議後に厚労省医政局医事課長の田原克志氏は、「2年ぐらい特定看護師(仮称)の議論をして、このような枠組みが必要という認識では一致している。厚生労働大臣の認証か、病院内での認証とするのかが議論の本質になると思うが、特定行為そのものも見えていないという意見もあった。12月の社会保障審議会医療部会で今日の内容を報告し、チーム医療推進会議で再度議論をしていただく。意見がまとまれば、12月中にまとまる社会保障と税一体改革の関連法案に盛り込むことはまだ間に合う」とした。

業務の明確化、能力担保につながる


看護師特定能力認証制度について、反対の立場を述べた日本医師会の藤川謙二常任理事(右)。左は「チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ」の座長も務める昭和大学医学部教授の有賀徹氏。

 永井座長が論点整理をし、議論を開始した直後に、藤川氏は日医が16日に発表した特定看護師(仮称)へ反対する見解の文書を参考資料として提出(「『特定看護師は不要』、日医・藤川常任理事」を参照)。さらに、藤川氏にチーム医療推進会議の委員らを加えた計6人の連名で、永井座長あてに意見書を提出し、「特定看護師(仮称)制度について、12月の社会保障審議会医療部会に諮ることは、時期尚早で反対」とした。

 これに対して、日本病院会会長の堺常雄氏は、藤川氏が「(特定看護師の創設は)医師不足を補うために看護師に医師の代わりをさせたいという一部の医師と、看護師のキャリアアップのために特定看護師(仮称)が必要という一部の看護師によるもの」と発言と発言したことに対して、「一部の医師、看護師というが、そんなこともない」と反論。全国在宅療養支援診療所連絡会の太田秀樹事務局長は、「在宅介護の現場で訪問看護師は、かなりグレーゾーンに踏み込んでいるのが現実。ただ、その訪問看護師によって命が助けられているということもある。訪問看護師の能力を担保するためには、厚労省が認証制度を設けることはメリット」とし、「在宅介護のケースは増え続けている中で、制度化して動き出さなければ、デメリットは分からない」とした。

 続いて、日本看護協会の大久保清子副会長は、「国民のニーズに安全に対応していくという立場で発言したい」とした上で、「看護師はグレーゾーンで業務をしているが、想定していない業務もしている。これは保健師助産師看護師法という延長線で理解するのは難しい。法律で定めて安全を担保するべきだ」と述べた。さらに、2002年に看護師による静脈注射が通知で認められた点について、「通知のみだと現場は混乱している。看護師の業務として標準化して普及させるには法律で定めるべき」として、不明確な看護師の業務は、法的な線引きが必要という認識を示した。

 政策研究大学院の島崎謙治教授も、「看護師の業務は『診療の補助』ということで、他の職種と比べて曖昧。それを区別するために通知を出しているのだろうが、ある程度レベルの低い業務で線引きすると、高度なことはできない。その逆も起きるので、法律で決めた方がいい」と指摘。法制化するメリットを述べる声も相次いだ。

責任の所在がもうひとつの論点

 特定看護師(仮称)を法制化することのメリットは看護業務の線引きができるなどの意見が挙がる一方で、永井座長は「もう一つの論点は責任問題」とし、認証制度で認められた看護師が特定行為をする場合の責任の所在は、医師、看護師、国のどこに該当するのかを質した。 

 藤川氏は、「救命救急士は万が一事故が起きた場合は、国が責任を持つ。医師が指示を出しているが、現場には医師はいない。特定看護師(仮称)は、救命救急士とは違う。国家資格で一律に認証するのではなく、チーム医療を実践している病院ごとに認証して、医師が責任を持たなければいけない」と主張し、病院ごとに必要とされる能力を判断して、認証することで、医師が責任を持つことが明確化されるという考えを述べた。

この点について太田氏は、「医師が責任を持つことは良いが、国が能力認証をすることにも疑問はない。医師と看護師が同じ屋根の下で働いていないグループホームなどの看護師には能力を認定してあげるべきだ」と反論した。

 東京大学大学院の山本隆司教授は、「特定行為を行うのは一定の看護教育を受けたことが前提なのだろうが、指示を出す医師の責任が大きくなる。医師の判断が間違えば責任を問われることになる。看護師特定能力認証制度(案)であれば、国がある程度責任を持つ形で、医師が包括的な指示を出せばよいので、医師の責任は軽減されるのではないか」と、国が責任を持つべきとの主張をした。

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先発品の薬価、後発品並みへの引き下げ提言

2011年11月23日 23時05分11秒 | 仕事
先発品の薬価、後発品並みへの引き下げ提言

行政刷新会議WG「提言型政策仕分け」、医師の情報提供義務付けも

2011年11月22日 

 11月22日に開催された行政刷新会議ワーキンググループの「提言型政策仕分け」で、社会保障関連分野の一つとして、「後発医薬品の使用促進など薬の有効な使用策」が議題された。薬剤費抑制の観点から、「先発医薬品の薬価を後発医薬品の薬価を目指して引き下げるべき」と提言、その一方、先発医薬品と後発医薬品の薬価の差額の一部を患者の自己負担として課すことを検討すべきとされた。

 議論の取りまとめ役の玉木雄一郎・衆議院議員が、「特許が切れた同じ薬効、同じ成分の薬であれば、同一薬価でいいはず。なぜ先発医薬品と後発医薬品の薬価が異なるのか」と、約2時間にわたった議論の中で何度も繰り返し発言、「納得が行く説明があったとは思えない」と判断したことが評価結果に反映された格好だ。

 さらには、協会けんぽが実施している「ジェネリック軽減額通知」と同様、医師・薬剤師から主な先発品・後発品のリストを患者に提示する義務を課すことについても検討すべきと提言された(評価結果は、行政刷新会議のホームページを参照)。

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医師らが50年ぶりの大規模デモ行進

2011年11月23日 22時57分52秒 | 
医師らが50年ぶりの大規模デモ行進

医療再生・震災復興訴え2500人が参加

 東日本大震災からの復興や医療現場の再生を訴えるデモ行進「ドクターズウォーク」が11月20日、東京都内で行われ、医師や歯科医師ら約800人を含む総勢約2500人が銀座周辺を約2キロ行進した。またデモに先立って、日比谷野外音楽堂で集会が開かれ、被災地の医療従事者らが現状を報告するなどした。ドクターズウォークを主催する実行委員会によると、医師による大規模なデモは、1961年に国民皆保険制度が導入された際に実施されて以来50年ぶりという。

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ガーゼ置き忘れ患者死亡

2011年11月23日 22時52分01秒 | 
ガーゼ置き忘れ患者死亡 福岡大病院、心臓手術で
共同通信社 11月21日(月) 配信


 福岡大病院(福岡市)は18日、80代の女性患者の心臓手術で、体内にガーゼを置き忘れるミスがあったと発表した。女性は手術の2日後に死亡。同病院は「ガーゼの置き忘れが原因となった可能性が高い」としている。

 病院は同日、早良署に届け出、同署は業務上過失致死の疑いもあるとみて調べている。

 病院によると、女性は5月、重度の大動脈弁狭窄(きょうさく)などで入院し、大動脈に人工弁を設置する手術などを受けた。その際、心臓内で使ったガーゼ(縦約30センチ、横約15センチ)1枚がなくなり、胸部のエックス線写真などでも確認できなかった。

 女性は足の血流に異常が出たため再手術を受けたが、多臓器不全で最初の手術から2日後に死亡した。

 手術に関わっていなかった医師が8月に死亡の経緯に疑問があると申し出たのを受け、病院内で再手術前に撮影したエックス線写真などを再検討。心臓から移動したガーゼが腹部の大動脈につまり、死亡につながった可能性が高いことが判明したという。

 記者会見した内藤正俊(ないとう・まさとし)病院長は「信頼を失い、大変申し訳ない」と謝罪した。

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副作用ほとんどない抗がん薬、浜松医科大が開発

2011年11月23日 22時42分05秒 | 
副作用ほとんどない抗がん薬、浜松医科大が開発
読売新聞 11月22日(火) 配信


 浜松医科大(浜松市)は22日、副作用を軽減させる抗がん剤開発を進め、動物実験で効果が得られたと発表した。今後、臨床試験に入り、実用化を目指す。

 研究グループの杉原一広准教授によると、悪性腫瘍(がん)は1-2ミリ以上になると、栄養を取り込むため「新生血管」を生じさせる性質がある。グループは、アミノ酸がつながってできる「ペプチド」の一種が、新生血管に集まりやすい特性を発見。新生血管だけに薬が運ばれるよう、ペプチドと組み合わせた抗がん剤を開発した。

 同大が、米サンフォードバーナム医学研究所と行った共同研究で、この抗がん剤をがん細胞を持つマウスに投与したところ、従来の約40分の1の量で、19日目にがん細胞がほぼなくなり、副作用は全く認められなかったという。成果は、米科学アカデミー紀要(電子版)に発表される。

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受診時定額負担制

2011年11月23日 22時37分33秒 | 
受診時定額負担制、両論併記で…民主作業チーム
読売新聞 11月22日(火) 配信


 民主党医療・介護作業チームは22日午前、外来患者の窓口負担に一律100円を上乗せする「受診時定額負担制度」の導入の是非について、両論併記とする医療制度改革の素案をまとめた。

 党の「社会保障と税の一体改革調査会」が素案を踏まえた議論を行い、12月上旬にも結論を出す。

 素案では、定額負担制度について、「導入に否定的な意見が圧倒的に多かった」とする一方、医療費の自己負担が高額になる患者の負担軽減策の財源として想定されていることから、「選択肢としては排除するべきではない」との賛成意見も盛り込み、導入の可能性を残した。

 また、2012年度の診療報酬改定に関し、「10年の参院選公約で引き上げに取り組むと記載されていることを踏まえた対応を政府に求める」と明記した。

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勤務医と開業医、収入の平準化

2011年11月23日 22時24分41秒 | 
11/22号 速報!「勤務医と開業医、収入の平準化を」、プラス改定支持はゼロ
2011年11月22日

 11月22日の行政刷新会議ワーキンググループ「提言型政策仕分け」で、医師不足問題が取り上げられ、地域あるいは診療科偏在などを解消するために、「勤務医と開業医、また診療科目間について、リスクや勤務時間に応じて報酬配分を大胆に見直す。医師不足の改善のため、勤務医と開業医とのアンバランス、地域別、診療科別の不足の状況を踏まえてメリハリのある診療報酬改定を早急に行うべき」という結論が打ち出されました。

 さらに、「中長期的には開業医と勤務医の収入をバランスさせることを目指しつつ、開業医、勤務医の平準化を進める」ことも提言。来年度の診療報酬改定については、プラス改定支持はゼロ、マイナス改定を求める声がある一方、病院勤務医の待遇改善は支持。開業医の収入の高さを問題視する声が多数出され、次回改定は開業医にとって、また一部の診療科に厳しい内容になることが想定される評価結果でした。


 
医師の収入は弱者病人の血の跡だということを
忘れないでください。
開業院長の年収、医師の年収が、それほど高額であったとは知りませんでした。
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