フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

8月23日(金) 雨のち晴れ

2019-08-24 15:35:40 | Weblog

8時半、起床。一睡もしていない。原稿書きで徹夜をしたわけではない。まだそういう時期ではない。寝ようとして眠れなかったのだ。たぶん飲み始めた薬(難聴と耳鳴り)の副作用だと思う。眠いのに眠れないのではなく、そもそも眠くないのである。私は普段から眠くなってから眠るタイプである。それがだいたい2時から3時なのである。ところが昨夜は全然眠くならなかった。頭が覚醒したままなのだ。徹夜で仕事をしなくてはならない場合は好都合だが、そうではないので、明日のことを考えて2時半に就寝した。でも、眠気が生じない。眠ろうとして眠れないのは辛い。そして朝になった。

トースト、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。さすがに食欲がない。 

午前中に耳鼻科へ行って相談する。たぶん副作用だと思うが、段階的でないと服用は止められない種類の薬なので、そのサイクルを短縮することにして、眠れない時のために気分を和らげる(覚醒とは一種の緊張状態なので)薬を処方してもらう。耳鳴りは日頃のレベルに戻った。

11時半に卒業生のアズサさん(論系ゼミ1期生)と待ち合わせて「まやんち」へ。 

 私は今シーズン9皿目の、彼女は通算3皿目のピーチメルバである。紅茶は、私はダージリンの夏摘み、彼女はニルギリ。

論系ゼミ1期生は2011年の卒業であるから、卒業してから9年目である。彼女とのカフェも何回目かわからないくらいだが、印象的なのは、ある時期までとても口数が少なくて、ある時期からとてもおしゃべりになったこと。まるで小さな子どもが言葉を覚え始めたときみたいに(笑)。彼女の性格が急に変ったわけではなく、私とカフェをするという状況になれたということだろう。 よく周囲の人から「一体どんな話をするの?」と聞かれるそうである。「森羅万象について」と彼女は答えている(私の勝手な想像です)。

ランチは彼女の希望で「パン日和あをや」へ行く。8月11日から20日まで夏休みだったが、一昨日の水曜日から営業再開である。 

休み明けから変ったことがある。1つはドリンクやスープが値上がりしたこと(テイクアウト用のパンは価格据え置き)。 

 もう一つはメニューが変わったこと。種類が増えると同時に、パン(ベーグル・丸パン、コッペパン・食パン)とおかずの組み合わせの方式が自由に選べるようになった。

ドリンクは新しく定番メニューになったほうじ茶ミルクティーをアイスで注文。以前は月替わりのドリンクの1つだったが、「美味しいので通年メニューにしてください」とリクエストしたことがある。応えてくださってありがとう。

「美味しいですね」

アジアンサンド。 

アボガド、サーモン、なます、パクチーなどが入っている。すこぶる美味。 

新しい方式で、丸パンにオムレツとウィンナーとレタスを挟んでもらう。 

手巻き鮨を注文するときみたいな感覚である。 

本日のスープはビシソワーズ(小)。 

 入口のガラス戸から差し込む柔らかな外光の中で、長い黒髪の彼女にはアジアンサンドがお似合いだ。

二階席の客たちが帰り、店内に客は私たちだけになったので、奥様とおしゃべり。奥様が言うには、私のゼミの卒業生は清楚な雰囲気の人が多いそうだ。服装もちゃんとしている。でも、自分(奥様)がコーディネートをして、もう少し枠からはみ出した(弾けた)雰囲気にしてさしあげたいと。

私は内心、彼女たちがちゃんとした服装をしてくるのは私(ゼミの先生)と会うからで、これが友達とか彼氏と会うときは、また違った雰囲気なのではないかと思ったが、でも、確かに「自分はこういう服が似合う(似合わない)」とか「自分はこういう髪型が似合う(似合わない)」と決めてかかっているところはあるかもしれない。

「アズサさんはベリーショートにするときっと似合うと思います」と奥様が言った。ベリーショート!私は長い髪の彼女しか知らない。彼女は中学生の頃に一度、ショートにしたことがあったが、それで自分にはショートは似合わないと自覚して、以後、ずっとロングなのだそうである。「前髪を少し工夫して作ればベリーショートが似合ますよ」と奥様が断言した。

彼女は奥様のアドバイスにちょっと心が動いたみたいで、私の方を見て、「やってみましょうか」と言った。いや、いや、軽々に決断しない方がいいですよ。その前に一度カールをかけてみたらどうでしょうと、私もアドバイスした(笑)。


「あをや」には2時間半も滞在した。ずいぶんおしゃべりをした。奥様曰く、「先日坂井先生といらしたときはとてもお疲れのように見えましたが(帯状疱疹が発症して1週間目くらのときだった)、今日はお元気そうですね」。「それは薬のせいで覚醒しているのです」と正直に答えたつもりだったが、奥様は冗談と受け止めたようである。 

雨は朝から降っている。傘をさしてのカフェ巡りは久しぶりである。次は歩いて15分ほど、矢向駅のそばの「ノチハレ珈琲店」に行きましょう。彼女はまだ行ったことがないのだ。彼女はスーパーグランドスラマーだが、「ノチハレ珈琲店」は蒲田の「あるす」が閉店した後に主要8カフェに格上げになったのだ。

とある歩き始めすぐに、「あっ、今日は金曜日だから「ノチハレ」は定休日だった」と気づく。 金曜日が定休日というカフェはめずらしく、ついついうっかりしやすいのだ。

彼女がまだ行ったことのない池上の古民家カフェ「蓮月」へ行くことにした。 

 週末はいつも混んでいる「蓮月」だが、雨の平日とあって空いている。 

彼女は梅ソーダを注文。 

私はスイーツ代わりのホットココア。 

そしてバタートースト。「先生、パンがお好きですね」と彼女が半分(いや4分の3ほど)呆れて言った。たしかにさっき「あをや」でたくさんパンを食べたばかりである(朝食用に食パンも買った)。おまけに朝食もトーストだった。もし「ノチハレ珈琲店」に行っていてもノチハレブレンドとトーストを注文したことだろう。 

 客は私たちだけなので広い店内をフォトスタジオに見たてポートレイトを撮った。

 前回(5月)に会ったとき、彼女は何も言わなかったが、いろいろとストレスフルな日々だったようである。彼女の前向きなところは、そういうときにジム通いを始めて、ストレス発散を図ったことである。いまでも週2回のペースで筋トレとランニングをしているそうだ。基本は週末に1回、平日(夜)に1回だが、仕事が忙しい週は、週末を2日ともジムに通って帳尻を合わせているそうだ。昨日のモエさんにはアズサさんの意志の強さを見習ってほしい。

午後5時半、店員さんが玄関の暖簾を中にしまい、ラストオーダーを聞いて来た。 そろそろ引き上げることにしましょうか。

彼女は冬が苦手だ。次回は晩秋カフェにしましょうか。 雨はすっかり上がっていて、西の空が明るくなっていた。明日は晴れることだろう。

アズサさんを蒲田駅の改札に見送って、帰宅。

本当は6時半から「テラス・ドルチェ」でジャズのコンサートがあり、前売り券も購入しているのだが、いまの寝不足の状態でジャズのスイングを聴いていたら、カウンターで寝てしまうかもしれない。寝るだけならまだしも、鼾をかいたら迷惑このうえない。コンサートは断念した。

食事の前1時間ほど居眠りをした。かなり頭がすっきりした。これでまた今夜も寝れないかもしれない。

夕食は7時半。カマスの干物と筑前煮。

 焼き魚に筑前煮はいい組み合わせである。

2時半、昨日と同じく眠気を覚えないままに床に入る。やはり寝付けないが、昨夜ほどではない。寝入ってはいないが、半分夢を見ているような感じ。目の前で立体の幾何学模様がゆっくりと形を変化させていっている。手足は重くなって簡単に動かせない。いわゆる金縛りという状態だろうか。4時ごろ、起き上がって医者からもらった薬を服用したら、今度はほどなく眠りに落ちた。

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