若女将の修行日記

『写真館の若女将・成長記録』のはずが、いつのまにか『若女将のおとぼけな記録』になっていました。

義父の残してくれたもの

2014-10-22 01:22:54 | マツモト写真

ちょっと早い感じがするかもしれませんが、「卒業アルバム」製作のお仕事は今がピークです。でも、秋は写真屋さんにとって何かと撮影の多い時期なので、どうしても卒業アルバムの作業に取りかかるのは、閉店後。宵っ張りの日々が続いています。

人は夜中になると、何だか妙に色々なことを思い出したり、感慨深く思ったりしてしまいがち。二代目や義姉が撮影してきてくれた「3年生最後の試合」や、「体育祭のガッツポーズ」や「合唱コンクールの真剣な顔」の写真たちに関係ない私がじんわりしてしまうこともしばしば。限られた枚数の中に、出来るだけたくさんの「いい顔」をいい感じで入れてきてあげるために、写真屋のおばちゃんは頑張っているんやでぇ!みんなは学校で私とすれ違っても知らんぷりだけど、「あ。文化祭でギター弾いてた子だ」とか、「あ。足速いやつだ」とか思われているとは、知らないもんね?(笑)

 

銀行員だったわたしが、二代目と結婚しなければ絶対に巡り合わなかった仕事、降ってわいたようなこの仕事との出会いには神様に感謝としかいいようもありません。東京での夫婦二人の気楽な生活を捨て、足利で写真館を継ぐことを決めたときは、どこか、「継いであげる」といった想いがあったように思います。いま思い返せば、そんな思いが根にあったせいでの失言暴言、あったかもしれないなぁ、お義父さん、にこにこしてたけど、実は怒ってたかもしれないなぁ……などと思い返すことが最近、時々あります。

 

思うように仕事を出来なくなってからも、慣れない仕事で徹夜している私を心配して、「ラジオ深夜便が聴きたいんですよ。」と一緒に店に居てくれたこともあったなーと、ふと思い出しました。あの小生意気だった嫁が、どこの学校でも「あ!マツモト写真さん!」と覚えて頂けている今を、ちょっと見てほしかったような、そんな気もします。そして、この仕事を私たちに残してくれてありがとうって思いも、ちゃんと伝えられたら良かったな、と。

 

「卒業アルバムを納品するまでは、その子たちの写真のネガをリュックにまとめて枕元に置いて寝るんですよ。火事になったらこれだけは持って逃げるんですよ。」と話していたお義父さん。私は、高校生のとき使っていたお弁当箱にダブルバックアップをとって、まとめています。 「お義父さん、フィルムの頃よりは随分コンパクトでしょ。私は銀行通帳なんかも持って逃げますね!」

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