若女将の修行日記

『写真館の若女将・成長記録』のはずが、いつのまにか『若女将のおとぼけな記録』になっていました。

ゲルダ・タローとロバート・キャパ写真展

2013-03-24 01:06:07 | マツモト写真

ゲルダ・タローとロバート・キャパの報道写真展に行ってきました(横浜美術館@みなとみらい)。この展覧会のチラシで初めて知った、この女性の存在。とても興味がありました。

 

ロバート・キャパ生涯最愛の女性……とのことでしたが、インターネット等で調べていても、どうにも納得がいかないような気がしていました。もともとカメラマンではなかった彼女に写真の技術を教え、戦場へ連れて行ったのはキャパ本人だったとのこと。愛している女性を、わざわざ危険な場所へ連れて行くでしょうか(実際、彼女は20代後半に戦場で命を落としています)。男女の愛情ではなくて、仕事上のもっとも信頼できるパートナーだったんじゃないか、と私なりに思っていました。

 

でも今日、写真を見ていて、そんなことないや、と思い改めました。キャパが撮影した彼女の写真が、そう言っていました。ベッドでくうくう眠る姿や、ストッキングを履いている瞬間を激写(?)したもの、最期キャパが追悼記事に使ったという花を買い求める彼女の横顔。すべてが、とても普通な、愛する女性を撮影した写真でした。

 

戦場の写真ばかりではなく、彼が生涯の中で残したさまざまな写真を見て歩くうちに、どんどん彼が身近な存在になってきました。きっと、戦場へ最愛の女性を連れて行くのには葛藤があったに違いない。それでも、一緒に行かざるを得ないほどの「何か」を彼女が持っていて、そこから目を背けることが出来なかったんでしょうね、キャパは。