徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

肥後の女

2020-04-30 22:08:38 | 音楽芸能
 この曲は民謡三味線の本條秀美さんが、平成22年度に「熊本市制100周年記念人づくり基金」に応募され、その支援を受けて研修を積んだうえで作曲された記念すべき作品。植木町の「民謡田原坂保存会」の中心メンバーとして長年活動しておられる本條さんが、男の歌である「田原坂」とは違う女性らしい歌をという意図で作曲されたもの。熊本弁をまじえた佐藤紘一さんの作詞とマッチして軽妙な味を醸している。
 詩を読んでいくと、思わずニヤリとするくだりが何ヶ所かある。宮本武蔵の「ぶっきら棒」は吉川英治の「宮本武蔵」をお読みの方ならピンと来ると思うが、武蔵のお通さんに対する態度がそう表現されていたと記憶しているし、漱石先生が「なみなみならぬ恋」とは那美さんをかけた表現だろう。ちなみに「いっちょ」という熊本弁には「ひとつ」と言う意味プラス「お願い」のニュアンスが込められている。標準語で言うなら伊東四朗のギャグではないが「どーかひとつ」というニュアンスだ。


漱石「草枕」の一節


2012.5.18 熊本城本丸御殿 春の宴
作詞:佐藤紘一 作曲:本條秀美
立方:少女舞踊団ザ・わらべ
地方:本條秀美と秀美社中・中村花誠と花と誠の会