徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

島めぐり

2020-04-22 21:45:28 | 音楽芸能
 かつて熊本城本丸御殿で行われていた「春の宴」および「秋夜の宴」では民謡、新民謡、端唄・俗謡、長唄、大和楽、俚奏楽など実に多彩な音楽が演奏され、その多くに中村花誠さんの振付による花童の舞踊が花を添えた。その中で僕が強く心惹かれたのが「俚奏楽」。「俚奏楽」というのは民謡・端唄三味線の大御所、本條秀太郎さんが創始した新しい三味線音楽。全国津々浦々に、消えてしまいそうな古い民謡・俗謡がある。それらを掘り起し、新しい現代的な解釈で甦らせ、継承していこうというのが本條さんの提唱する「俚奏楽」である。
 その「俚奏楽」の中でも、僕が最も好きな一曲がこの「島めぐり」である。この「島めぐり」は伊豆諸島や小笠原諸島に残る民謡を集めた異色の組曲。神津節(神津島)、御蔵島節(御蔵島)、八丈ショメ節(八丈島)などの伊豆諸島民謡に、「夜明け前」「ギダイ」「ウワドロ」などの小笠原諸島民謡などが織り込まれている。本條秀美さんと秀美会の皆さんの唄と三味線、中村花誠さんと花と誠の会の皆さんによる囃子。それに花童の舞踊。この映像に今回初めて歌詞を付けてみた。さてどんな出来具合となりましたことやら。
※上の絵は川瀬巴水「大島 波浮の港」


森田曠平 「八丈のめならべ達」